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January 2009 NEWS TOPICS INFORMATION


H-IIAロケット15号機の相乗り小型副衛星の現状

 先にもお知らせしましたが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、平成21年1月23日 12:54(JST)、鹿児島県種子島の種子島宇宙センターからH-IIAロケット15号機で打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の、小型副衛星のうちアマチュア無線の送信機を搭載した衛星の、1月26日時点で情報が得られた現状は次のとおりです。

 次の衛星は打ち上げ当日の午後、日本上空を通過する初めてのパス(14:30ごろ)で、テレメトリーが無事受信でき衛星の誕生が確認されました。

  • 東京大学「ひとみ」(PRISM)(コールサイン:JQ1YZW)
     現在の初期運用では、テレメトリーから電源系のデータ解析などがおこなわれており、「ひとみ」の大きな特徴となる、望遠カメラ(なっく:NAC:Narrow Angle Camera) や広角カメラ(わっく:WAC:Wide Angle Camera)を使用した撮影ミッションは、衛星の状態を把握後に開始されます。
  • 香川大学「KUKAI」(STARS)(コールサイン:親機JR5YBN、子機JR5YBO)
     親機、子機ともにCWテレメトリーテレメトリーは順調に動作している模様で、その後のパスでFMパケットモードでの通信についても、動作が確認されました。
     現在は衛星の状態を確認しており、今後状態の把握をしながら、テザー解除、伸縮回収実験(親機・子機に搭載したカメラによる撮影を含む)などが順次開始されます。
  • 東京都立産業技術高等専門学校(東京都立航空高等専門学校)
    「輝汐」KISEKI(KKS-1)(コールサイン:JQ1YYY)

     「輝汐」のテレメトリーは、先の2衛星に比べて強力な信号として聞こえてきます。
     同高専においては「輝汐」の今後の運用計画を現在検討中で、今後の運用計画については、同高専のWebサイトに順次掲載される模様です。
  • 東大阪宇宙開発協同組合「まいど1ごう」(SOHLA-1)
    (アマチュア衛星局コールサイン:JL3YUS)

     「まいど1ごう」(SOHLA-1)は、本来の「雷雲観測衛星」としての、正常な動作が確認されている模様で、アマチュア無線の送信機の本格運用は、観測衛星としての本格運用の開始の後となる模様です。

★     ★

 なおソラン(株)の「かがやき」の状況については、同社の発表によると、同社の地上局において「かがやき」の信号の受信を継続している模様ですが、1月27日現在、まだ信号は確認できておらず、引き続き受信をおこなっていくとしています。

 各衛星の概要についてはJARL Webの「日本のCubeSat衛星のページ」をご参照ください。

(1月26日掲載)
(2月4日更新)





H-IIAロケット15号機打ち上げに成功(1月23日12:54(JST))
 (5機の小型アマチュア衛星を含む)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成21年1月23日 12:54(JST)、鹿児島県種子島の種子島宇宙センターからH-IIAロケット15号機で、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)を 打ち上げに成功しました。

 今回の「いぶき」(GOSAT)の打ち上げにおいてH-IIAロケット15号機には、大学等の団体が製作した、7機の相乗り小型副衛星が相乗りし、うち5機がアマチュア無線の送信機を搭載した衛星です。大いに注目しましょう!

 温室効果ガス観測衛星「いぶき」をはじめ、相乗り小型副衛星の今後の状況については、各団体のWebサイトに順次紹介 となります。無事正常運用の開始が確認されて欲しいものです。

【日本のCubeSat衛星】
http://www.jarl.or.jp/Japanese/7_Technical/cubesat/cubesat.htm

(1月23日)





総務省が、無線設備規則の一部を改正する省令案等に係る意見を募集結果を公表(7MHz帯の拡大、長波帯135kHz帯の分配ほか)

 総務省は、デジタル特定ラジオマイクの導入及びアマチュア局に関する規定の整備のため、無線設備規則の一部を改正する省令案、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部を改正する省令案及び周波数割当計画の一部を変更する告示案について、電波監理審議会に諮問をおこない、また平成20年11月13日〜12月12日までの間、意見募集をおこなっていました。

 今回の改正案等でアマチュア無線に関するものは、

  • 7MHz帯の拡大に関するもの
  • 長波帯135kHzの分配に関するもの
  • 各電波型式の占有周波数帯幅の許容値の制定に関するもの
  • 1.9MHz帯における狭帯域データ通信(F1B、F1D、G1B、G1D)に関するもの
 などがありますが、このほど電波監理審議会から原案が適当である旨及びアマ チュア局に関する追加の規定整備が必要である旨の答申を平成21年1月21日付で 受けました。

 また、諮問省令案及びそれに関係する省令案等について、おこなっていた意見 の募集については、82の団体や個人から意見が寄せられ、総務省は意見募集の結果 と総務省の考え方について、同日付で報道発表しています。

 なお総務省では、本件答申及び意見募集の結果を踏まえ、省令等(関係省令等を 含む)を改正する予定としています。

(1月22日)





名古屋大学で第1回「おもしろ科学教室」
 異なる分野の学会やJARL等の団体の連携協力による
 体験型科学啓発イベント実施される


「髪の毛も逆立つバングラフジェネレータ」(プラズマ・核融合学会)

「竜巻を作ろう」(NPO法人アスクネット)

「超伝導磁気浮上列車」(プラズマ・核融合学会)

 成人の日の1月12日、国立大学法人名古屋大学東山キャンパス(名古屋市千種区不老町)の「IB電子情報館」で、第1回「おもしろ科学教室」が開催されました。

 この「おもしろ科学教室」は、応用物理学会東海支部電気学会東海支部電子情報通信学会東海支部日本アマチュア無線連盟東海地方本部日本赤外線学会日本物理学会名古屋支部プラズマ・核融合学会日本弁理士会東海支部NPO法人アスクネット名古屋大学愛知県の主催、 JSTイノベーションプラザ東海の共催、 中日新聞社NHK名古屋放送局の後援で、 「日本の次世代科学技術を担う青少年の科学啓発のための学協会等連携による地域社会を対象とした科学技術理解増進を趣旨」として開催されました。

 イベントは、「ノーベル賞の秘密 素粒子のなぞ」と題する、ノーベル物理学賞受賞記念講演を筆頭に、科学を体験できる興味深い各種展示、工作教室などがおこなわれました。

  1. 風船を使ってホバークラフトとロケットを作ろう!(募集60名、応用物理学会東海支部)
  2. 簡単モーターを使って回転だまし絵を作ろう!(募集60名、電子情報通信学会東海支部)
  3. 超簡単火災報知機を作ろう!(募集30名、日本赤外線学会)
  4. キツネを探せ!FOXハンティング(募集50名、日本アマチュア無線連盟東海地方本部)

 参加する子供たちの募集は、地元有力紙の「中日新聞」の12月7日付け折り込みチラシで、愛知県ほか近隣県の一般家庭を対象に12月19日までの間実施されましたが、募集開始後すぐに定員に達してしまったそうです。

【名古屋大学出身のノーベル賞受賞博士(会場の展示パネルより)】
下村 脩博士(化学賞)
名古屋大学元助教授
現・アメリカ・ボストン大学
名誉教授
小林 誠博士(物理学賞)
名古屋大学大学院卒
現・高エネルギー加速器
研究機構名誉教授
益川敏英博士(物理学賞)
名古屋大学大学院卒
現・京都産業大学教授、
名古屋大学特別招聘教授

■JARL東海地方本部はFOXハンティングと無線交信体験を企画

 大変有意義なこのイベントに参加協力をすることになったJARL東海地方本部は、今回取り組むイベントについて、参加学会が「工作教室」を主体として実施することから、ちょっと視点を変え「電波の面白さ」を子供たちに体験してもらうことを主眼としてゲーム型式で参加してもらえる「FMラジオを使ったFOXハンティング」と特定小電力無線機を使った「交信体験」をテーマとして選択しました。

 なおFMラジオを使ったFOXハンティングは、愛知県支部が情報通信月間参加行事の一つとして、毎年実施しているイベントです。

 また展示ブースについても「子供たちが参加体験できること」を重視して、通常の公開運用というスタイルは取らず、子供たちにモールス符号を体験してもらう「体験コーナー」として出展をおこないました。

■さまざまなイベントを楽しむ子供たち


▲風船ホバークラフト
 ・風船ロケット工作

▲簡単モーターを使って
 回転だまし絵を見よう!

▲超簡単 火災報知器を作ろう!

 当日の会場は元気な子供たちと、引率の保護者の方々であふれ、各学会や団体のさまざまな展示や工作教室等の催事を賑やかに楽しんでいたようです。
 応用物理学会の「風船ホバークラフト・風船ロケット工作」、電子情報通信学会の「簡単モーターを使って回転だまし絵を見よう!」、日本赤外線学会の「超簡単 火災報知器を作ろう!」の3つの工作教室では、熱心に工作に取り組む子供たちの姿が印象的でした。

 さて、東海地方本部の展示ブースですが、印字機を使ったモールス送信体験に、子供たちの行列ができました。

 子供たちに、「名前をモールス符号に書き換えたメモを見ながら」モールス符号を打ってもらうという単純な体験ですが、参加した子供たちにとって「長短点の組み合わせで文字を表す」というモールス符号の概念は分かりやすく、新鮮な発見となったようで、多くの子供たちが熱心に参加し、印字したテープを嬉しそうに受け取っていました(写真右)。

 また、FOXハンティングは応募があった56名の子供たちを、上級生と下級生の2組に分けて、FOXハンティングと交信体験を交代でおこないました。

▲特定小電力トランシーバーを使った交信体験のようす

 当日の早朝は雪もちらついた冬の寒空の下でしたが、子供たちはFMラジオを片手に元気にキャンパスの広場を駆けめぐりFOXを探し求めていました。

 なおFOXの受信用に「おもしろ科学教室」事務局が準備してくれたFMラジオは、手回し発電式のものですが、このラジオも子供たちの興味を大きく引きつけたようで、また使用したラジオは、事務局のご厚意で子供たちにプレゼントされることとなり、参加した子供たちは大喜びだったようです。


▲手回し発電のFMラジオに興味津々

▲FOXハンティング会場に集団移動中!
▲FOXの信号は聞こえてくるかな?

▲FOX目指して走る!走る!ガンバレー

▲やったー、みつけたよー

★       ★

 「おもしろ科学教室」事務局として学会や団体等の取りまとめをされた、名古屋大学大学院工学研究科の高井吉明教授は、今回のイベントの大成功について、

 「おもしろ科学教室も大変好評のうちに終了することができました。毎年こんなのをやって欲しいという子供たちや保護者の希望もいただきました。
 今回のイベントは、異なった分野の団体が一致団結しておこなった科学啓発活動であり、恐らく自発的に連携をとって開催されたものとして、全国的にも例はないのではないかと思います。
 これを機会にぜひ何らかの連携あるいは組織を構築する努力をいたしたいと存じます」

 と語っています。

 今後も各団体の連携・協力を深め「第2回」「第3回」とイベントの輪が広がっていくことが大いに期待できそうです。

 また、各地においてもこのような「JARLが催事のお手伝いできる協力の場」が、ぜひ広がって欲しいものです。


▲FOXハンティングに参加した元気な子供たちと保護者のみなさん

(1月15日)





JAXAがH-IIAロケット15号機を1月21日打ち上げ予定
  (5機の小型アマチュア衛星を含む)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成21年1月21日(水) 12:54〜13:16(JST)、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)を に打ち上げの予定です(打ち上げ予備期間は1月22日〜2月28日、ただし1月26日を除く)。

 今回の「いぶき」(GOSAT)の打ち上げにおいてH-IIAロケット15号機には、大学等の団体が製作した、次の7機の相乗り小型副衛星の軌道投入が予定されており、うち5機がアマチュア無線の送信機を搭載した衛星となります。

  • 東京大学
     「PRISM」(アマチュア衛星)
  • 香川大学
     「KUKAI(開発時名称はSTARS)」(アマチュア衛星)
  • 東北大学
     「スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)」(アマチュア衛星ではありません)
  • 東京都立産業技術高等専門学校(東京都立航空高等専門学校)
     「KKS-1」(アマチュア衛星)
  • ソラン(株)
     「かがやき」(アマチュア衛星)
  • 東大阪宇宙開発協同組合
     「SOHLA-1」(アマチュア衛星の機能も搭載)
  • 宇宙航空研究開発機構
     「小型実証衛星1型(SDS-1)」(アマチュア衛星ではありません)

【JAXAの「いぶき」打ち上げ特設サイト】
http://www.jaxa.jp/countdown/f15/overview/sub_payload_j.html

【日本のCubeSat衛星】
http://www.jarl.or.jp/Japanese/7_Technical/cubesat/cubesat.htm

(1月9日)




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