アマチュア無線の電波が原因となる
電波障害の種類とその対策

□Contents

 家庭電気製品は、近年、急激にハイテク化されて非常に便利になりました。
 一方でわたしたちアマチュア無線家にとっては、これらの便利な機器が時によって、頭の痛い問題となる場合があります。これが「電波障害」です。
 機器がハイテク化すればするほど電波障害に対するアマチュア無線の周囲環境は、一段と厳しさを増してきているといえます。場合によっては許された範囲内であっても、周波数帯によっては、運用が制限されてしまうこともあります。

●電波障害に対する心構え

 アマチュア局を開設したら、常に電波障害が起きることを自覚しておかなければなりません。「HF帯を運用していないから」とか「10Wの運用だから」、「ハンディー機だけの運用だから」といって安心することはできません。電波障害は、運用する周波数帯や電力および電波型式に関係なく起きることがあります。

●電波障害の種類

 電波障害は、テレビやラジオの放送に障害を与える「放送受信障害(TVI、BCI)」、音響機器などに障害を与える「ステレオI」や電話機に障害を与える「テレホンI」などに分類できます。
 中でもTVIは無線機から発射される高調波がテレビに障害を与える場合と、運用する周波数帯の電波(基本波)が直接テレビの内部回路に影響を与えて障害が起きる場合の2種類があります。

 基本波による電波障害は、430MHz帯では、テレビの受信ブースターが関係する障害や、1200MHz帯では衛星放送機器の中間周波数が同じ周波数帯であることから起きる障害もあります。発射する電力が比較的大きいHF帯では、ステレオIやテレホンIなどにも注意を払う必要があります。

 電波障害への対応は、日頃からトランシーバーやアンテナの点検、それから近隣のお宅とのコミュニケーションがなにより大切です。
 アマチュア局による電波障害は、放送受信障害ばかりではありませんので、実際に発生している電波障害は数的にはもっとたくさんあることをよく知っておいてください。

■周波数帯別に起こりやすい電波障害と主な原因(基本波によるもの)

周波数帯

障害の種類

TVI

BCI

ステレオI(アンプI)

テレホンI

HF帯
50MHz帯

・TVアンテナ系から混入する障害
・接続ケーブルやACラインから混入する障害等
・ラジオの混変調等による障害 ・接続ケーブルやACラインから混入する障害等 ・配線ラインから混入する障害
・ACラインから混入する障害等

144MHz帯

×

・TVアンテナ系から混入する障害
・接続ケーブルやACラインから混入する障害等

・接続ケーブルやACラインから混入する障害等

・配線ラインから混入する障害
・ACラインから混入する障害等

430MHz帯

×

×
・UHF帯用TV受信ブースターやTV受像器の混変調による障害等

・接続ケーブルから混入する障害等

1200MHz帯

×

×

×
・BS機器の中間周波への混入による障害

【記号の意味】○:障害が起こりやすい、△:障害が起こる可能性がある、×:障害がほとんど起こらない


■電波障害対策に役立つ豆知識…インターネットで対策部品を購入!

 電波障害対策には、フェライトコアなどの磁性体材料がよく使用されます。一般にカセットテープやフロッピーディスクなどでも有名なTDK(株)は、有力な磁性体材料メーカーとしても知られるメーカーです。
 同社では、TDKプロダクツショップというインターネットによる製品の通信販売をおこなっていますが、 電子部品コーナーで電波障害対策に使用するフェライトコアやEMIクランプなどを入手することが可能です。
 お近くにパーツショップがなく、部品の入手が困難な方は利用してみるといいでしょう。

【TDK(株)のホームページ】
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