テレビの電波障害対策に使われる各種フィルター

●ローパスフィルター

 ローパスフィルターは、「低い周波数成分を通過させ、高い周波数成分は通過させない」といった特性のフィルターです。
 テレビの電波障害の対策では、HF帯や50MHz帯トランシーバーのアンテナ端子とアンテナの間に挿入するフィルターです。このため、トランシーバーの送信電力に見合ったものを選ぶ必要があります。

●ハイパスフィルター

 ハイパスフィルターは、ローパスフィルターとは逆に「高い周波数成分を通過させ、低い周波数成分を阻止する」フィルターです。
 HF帯や50MHz帯の電波障害対策では、テレビのアンテナとテレビのアンテナ入力端子との間に挿入します。なお、テレビ用の受信ブースターが接続されている場合は、テレビアンテナと受信ブースタのアンテナ入力端子との間に挿入するのが障害除去に効果があります。

●バンドパスフィルター(ノッチフィルター)

 バンドパスフィルター(ノッチフィルター)は、必要な周波数帯だけを通過させ、他の周波数成分はカットするフィルターです。一般的には144MHz帯での電波障害対策に使用され、トランシーバーのアンテナ端子とアンテナの間に挿入します。

● トラップフィルター

 トラップフィルターは、ある一定の周波数成分だけを減衰させるフィルターです。 430MHz帯の電波がUHF帯テレビの受信ブースターで増幅される等で発生する電波障害を対策する場合に使用されます。

●ACラインフィルター

 ACラインフィルターは無線機側からAC電源ラインへの電波の混入を防ぐ場合と、すでに電源ラインに混入した電波により、家庭電器製品が障害を受けている場合の対策に使用します。
 ACラインフィルターは、市販されているものもありますが、使用にあたっては接続する機器の消費電流に応じたものを選ぶ必要があります。
 また、フェライト・トロイダルコアを使って自分で製作することもできます。


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