March 2018 NEWS TOPICS INFORMATION


第59回科学技術週間(平成30年4月16日〜22日)

 4月18日は「発明の日」です。「発明の日」は専売特許条例(現在の特許法)が、明治18年4月18日に公布されたことを記念して制定されたものです。

 「発明の日」を含む1週間が、「科学技術週間」と制定されてから、平成30年度開催で59回目を迎えます。

 科学技術週間には、文部科学省の呼びかけにより、毎年同週間内に全国各地の科学館、博物館、大学、試験研究所などで、講演会、展覧会、映画会、座談会、施設公開など科学技術に関する各種の催事が実施されます。

 今年の科学技術週間(第59回)は平成30年4月16日〜22日に実施され、さまざまな催事がおこなわれます。

 おもな開催行事等は科学技術週間のWebサイトに発表されますので、各行事や催事等をチェックして、楽しそうな催事を見つけて出かけてみませんか。

▽科学技術週間のWebサイト
http://stw.mext.go.jp

(3月26日)


「詳細」


岐阜県各務原市立那加中学校科学部の生徒たちが国際宇宙ステーションと交信に成功(詳細レポート)

 既報の通り、岐阜県各務原市立那加中学校(右の写真)科学部の生徒たちが2018年1月22日、ARISSスクールコンタクトで、国際宇宙ステーションに長期滞在中のマーク・ヴァンデハイ宇宙飛行士(KG5GNP)との交信に成功しました。

 単独の学校の無線部や科学部のクラブ活動の一つとしての、ARISSスクールコンタクトの実施は、2009年9月12日の東京都東京電機大学中学校・高等学校無線部JA1YQZが初めてで、2012年10年23日の茗溪学園高等学校・中学校科学部無線工学班JJ1YAFが2例目、2016年10月1日の山梨県山梨学院中学校科学部の3例目と続き、今回の各務ヶ原市立那加中学校科学部は4例目の実施となりました。

 このスクールコンタクトでマイクコントローラをつとめた、JO3TND足立太郎さんからこのスクールコンタクトの詳細レポートをお送りいただきましたのでご紹介いたします。

★        ★

 2018年1月22日、岐阜県各務原市立那加中学校科学部の部員がARISSスクールコンタクトに成功しました。日本での92例目になります。
 那加中学校は生徒数615名、創立70周年を迎えた学校です。近隣には航空自衛隊の岐阜基地があり、日本に数機しかない珍しい航空機が離発着したり(航空機が低空を飛行するため、学校の窓は防音ガラスになっています。)、また「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」(愛称「空宙博(そらはく)」)があり、航空・宇宙に関する知識を得る環境が整った地域にある学校です。

◆日本のARISSは、ココ“那加中学校”から始まった?

 日本でARISSスクールコンタクトが初めておこなわれたのは、2001年11月の埼玉県入間市の入間市児童センター無線クラブJK1ZAMでした。この日本初の交信からARISSスクールコンタクトに携わっておられる「日本のARISSスクールコンタクトの父?」と言っても過言ではないARISS運用委員の7M3TJZ安田 聖先生(右の写真の左)の母校が今回実施した那加中学校なのです。

 安田先生の在校時は科学部に所属しておられたとのことで、当時科学部で同級生だったJN2VQC岩井さん(右の写真の右)は「安田くんは、当時から賢くてね……いつの間にかどんどん遠くへ(進学や仕事で)行ってしまった」「今回、このような形で、安田くんと一緒に科学部の後輩に刺激を与えるイベントが実施できて大変うれしい」と語っています。

◆1つめの奇跡「電話をかけなかったら……那加中ARISSは始まらなかった!」

 実は、この那加中学校でのARISSスクールコンタクトの発端は、3年前に安田先生にかかってきた同級生からの同窓会への誘いの電話だったといいます。
 同級生たちは、安田先生が海外にたびたび長期滞在しており、日本に帰国されていたのを知っていましたが、おそらく連絡先の電話番号は変わってしまっているだろうとあきらめていたそうです。その中のおひとりが、「まあ掛けてみよう」とかけてみたところ電話が繋がり、同窓会参加となったそうです(安田先生の固定電話番号、海外滞在中も契約してあったとのこと)。

 同窓会で「今、何やってるの?」と同級生から聞かれた安田先生は「こんなことやって(ARISSスクールコンタクトで日本各地を飛び回って)遊んでる!」と答えたそうです。

 その場で、同窓生のみなさんの心に火がつき、学校、先生、保護者、市役所、教育委員会を巻き込み、ARISSスクールコンタクト実現に向けて盛り上がっていくことになります。

◆2つめの奇跡 「あの“NTTドコモ”がARISSスクールコンタクトに協力!!」

 はじまりは、30年前の夏でした。私(JO3TND)は、無線通信に興味を持ち、資格を取得し開局、進学・仕事も縁があって無線通信の世界に進みました。月日が経過した今、感じることは、子どもや学生時代に経験・体験した、たった一つの電子部品のハンダ付けや、たった1回の交信でも、その後の進路や人生は大きく変わるらしいということです。

 また自分自身が無線を楽しむだけでなく、このことを多くの青少年に伝えて、無線技術をはじめとした科学技術に対する興味を持つ若者を増やし、次世代の技術者を増やし、未来の日本の技術をささえたい!(だいぶ大げさですが…)と思うようになりました。

 そんな思いを持って日々過ごしていた2017年10月のある日、「国際宇宙ステーション(ISS)との交信を通じて青少年に宇宙(理科系)への興味を持たせたい!!」という夢に勤務先の「(株)NTTドコモ」が協力してくれることになりました(右上の写真は応援に駆け付けてくださったNTTドコモ関係者)。

◆2つの奇跡が重なった!!

 会社が協力してくれることになりましたが、実施する団体は、すぐには見つかりません。
 そこで夢の実現に向けて、私が携わった過去2回のARISSスクールコンタクトである、 日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブ(JA1YSS)第23回世界スカウトジャンボリーの際にお世話になった安田先生に相談したところ、「ちょうどスクールコンタクトを考えている学校がある!」との回答があり、那加中学校で実施する運びとなりました。

 学校側でも、「NTTドコモ」が協力してくれるということが実施する後押しとなったようで、1つめと2つめの奇跡が重なり実施へ向けて動き出しました。

◆3つめの奇跡「2エリア東海地方だったから?“臨時局のコールサインは「8J25D」”」

 ARISSスクールコンタクトの臨時に開設する社団局のコールサインは、サフィックスが学校のイニシャルなどが用いられるのが通例ですが、「(株)NTTドコモ」が今回のARISSスクールコンタクトを含め、今後もARISSスクールコンタクトを継続するための協力をしてくれたことに対して、感謝の意味を込めて、また那加中学校の同意を得て、「25周年」のNTTドコモの「D」を表すコールサイン「8J25D」となりました。

◆4つめの奇跡「急遽、軒下で眠っていたクロス八木で、いざISSと交信へ!!!!」


▲ルーフタワー組み立て中

▲クロス八木アンテナ組み立て中。この後まさかの事態が発生

▲軒下から持ってきてもらったクロス八木アンテナ

 交信前日の1月21日に設営を実施しました。ISS向けのアンテナは3階建の校舎の屋上に設置です(上の写真左)。
 今回の設備はすべて新たに購入したもので、アンテナはF9FTタイプのクロス八木です。屋上で組み立てが終わった段階で、「給電部はどこ?」という声が上がりました(上の写真中)。
 よくよく説明書(英語)を見てみると、垂直偏波面と水平偏波面を結ぶ分配器は「こうやれば作れます」記載が……さすが海外製のものは実践的です(笑)。また「製品の分配器は別売りです。」の記載が……。
 いままで日本製のクロス八木しか使ったことがなかったので、分配器は付属しているものであるという頭しかありませんでした。

 「どうしよう〜」「作るか!」と困っていたところ、地元、各務原クラブのJE2MBS林さんが、「ウチの軒下に、昔使っていて眠っているマスプロのクロス八木がある!」「持ってくる!」といって屋上から駆け下り車で取りに行ってくださいました(上の写真右)。

 クロス八木を持っておられる局は、そもそも非常に少ないと思われ、それがARISSを実施する超ローカル局としていらっしゃったことで非常に助かりました。今から考えると地元の局の協力なくしては今回の成功はありえませんでした。

 会場には地元各務原クラブの協力より、科学部創設時(55年前)勉強した歴史的なラジオなどが展示された(左の写真)ほか、科学部員たちへのPTTの使い方などの事前学習がおこなわれました。

◆いよいよ交信本番、なのにトラブル続出!! そして5つめの奇跡が!!!!!

 当日になって、ドップラーシフトの自動補正およびアンテナを衛星の方向へ自動的に向けるためのローテータ制御機能が動作しないことが判明しトラブル続出です。
 故障切り分けをして時間を費やすことはできないので、ドップラーシフトの自動補正についてはなしでおこなうことにし、ローテータの制御については手動操作し本番を迎えることになりました。

 会場は校舎3Fの第1理科室です。来賓、保護者含めて100名ぐらいで満席です(上の写真)。
 岐阜新聞、中日新聞、地元ケーブルテレビなどが見守る中で18:55から開会式。

  • 生徒あいさつ、科学部長の矢島くん(写真右
  • 講師、来賓紹介
  • スタッフ紹介
  • 科学部の生徒によるISSの調査結果発表
  • 科学部顧問坪内先生による挨拶
 そして交信へと進みました。

 当初19:23:21からとアナウンスされていましたが、直前になって19:24:16からに開始時間が変更されました。
 予定時間の約30秒前になったので無線機のスケルチを開け、少し早いですが、「NA1SS this is 8J25D this is scadule contact over」とコールします。PTTを離した途端、なにかしら音声らしきものが入ってきたので、なかなか幸先いいなあ〜楽勝!と思ったのですが、残念ながらISSからの信号ではありませんでした。
 このあともNA1SSを呼び出しますが、 まったく応答はなく時間だけが過ぎていきます。この時間がどれほど長かったことか……。

 普通にCQを出して空振りに終わるのは1時間でも2時間でも耐えることができるのですが、目の前に多くの観客がおり、隣には質問をする科学部員たちがいます。
 このプレッシャーといったら並大抵のものではありません。コントロールオペレータを経験された方なら理解していただけると思います。

 19:27過ぎになって、やっと国際宇宙ステーションのNA1SSから応答がありましたが、こちらのコールサインをHJ25Dと間違って呼ばれて、周波数を変更せよとのこと。
 今回は南西から北東に抜けるパスだったので、おそらく台湾近海付近での違法局混信のためにアップリンクが潰されて、「初めの2分間はダメかもしれない」「絶対に周波数は変更してはいけない」と安田先生から事前にアドバイスされていたのでプレッシャーがありながらも、対処することができました。

 19:28:20ごろ信号が安定し交信が始まったところ、トラブルではなく大きなサプライズ?「5つめの奇跡が!!!」

 その後、順調に質問に対して国際宇宙ステーションの宇宙飛行士から回答を得ることができました。

◆最後に

 いくつもの奇跡が重なって、また多くの方のご協力により那加中学校でのARISSスクールコンタクトは成功しました。

 今回のARISSスクールコンタクトに協力してくださった無線関係の方々を紹介いたします(敬称略)。ありがとうございました。

(株)NTTドコモ

JA2YOK 各務原アマチュア無線クラブ
JI2YVI ドコモ東海アマチュア無線クラブ
JA3YRA ドコモ関西アマチュア無線クラブ

総務省東海総合通信局無線通信部 陸上課, 電波監理部監視課

アイコム(株) アマチュア無線事業部

 なお、当初HAMTV(ISSからのテレビ中継)も予定していたのですが、ISS側の都合で実施は見送りとなりました。今後国内でもHAMTVの中継がおこなわれることを期待しています。

(レポート:JO3TND足立太郎さん)

(3月22日)




東北復興アマチュア無線フェスティバル盛大に初開催される
(東北地方をはじめ各地から約2,000名が来場)

 2011年(平成23年)3月11日14:46、宮城県の東南東沖を震源とする東北地方太平洋沖地震が発生。この地震により発生した大津波は、宮城県、岩手県、福島県の沿岸地域を飲み込みました。さらにこの津波による福島第一原子力発電所事故により、福島県浜通り地方(福島県東部地域)の多くが避難指示地域に指定され、南北のライフラインも寸断されるなど未曾有の被害を与える惨事となりました。東日本大震災で被災した各地では、懸命な復興作業が進んでいるものの、未だにこの爪痕を残す地域も多く見られます。各被災地の一日も早い復興が強く望まれています。

 さて東北地方本部では、この東日本大震災の惨事から7年目を迎えた、2018年3月11日に、東北地方では初めての開催となる大型アマチュア無線イベント「東北復興アマチュア無線フェスティバル」を、宮城県仙台市青葉区の仙台国際センター展示棟で開催しました。当日、東北地方はもちろん、他エリアからも約2,000名(主催者最終集計発表)の来場者が集まり大成功を収めました。

 前日3月10日に仙台市青葉区のハーネル仙台で開催された前夜祭には、150名が参加。翌日のフェスティバルの大成功を祈念しつつ、アマチュア無線談義を楽しみました。

▲前夜祭には150名が出席。アトラクションとして仙台和太鼓、仙台雀踊りなどが披露された

●東北復興アマチュア無線フェスティバル開催まで

 これまで東北地方では、広域から来場者を迎える大型イベントの開催実績がありませんでした。JARL東北地方本部では、かねてから開催要望が多かったこの大型イベントを、東日本大震災のちょうど7年目を迎える2018年3月11日を契機に初開催することとしイベントの名称は「東北復興アマチュア無線フェスティバル」としました。

 東北復興アマチュア無線フェスティバル開催の究極の目標は「アマチュア無線が災害時に役に立てる通信手段の一つとしていただくこと」、また「一般の方々をはじめ将来のものづくりに携わる子供たちがアマチュア無線の意義やおもしろさ、楽しさ、そして技術を学ぶ良い機会としていただくこと」、そして「有限の周波数資源を使う意味から、社会貢献ができる意識を持ってもらうこと」というものです。

 山之内俊彦実行委員長(JA7AIW)によれば「初開催に当たって、イベントの運営などのノウハウについては、大型イベント開催の大先輩である、九州地方本部の西日本ハムフェア実行委員会から、準備から開催までのノウハウに関するさまざまなアドバイスや詳細なデータをいただきました。私たちのフェスティバルの準備から運営は、実は西日本ハムフェア実行委員会から貴重な助言をいただいたノウハウで進行していったものなのです」とのことです。

 実行委員会は昨年夏頃から、東北復興アマチュア無線フェスティバルの案内を開始し、出展団体の募集を開始しました。ところがこれまで開催実績がない初の試みであったことからか、当初は出展団体の申し込みが極めて少なかったそうです。しかし最終的には出展者も無事集まり初開催の運びとなりました。

▲左から開会の辞を述べる山之内俊彦実行委員長(JA7AIW)、祝辞を述べる尾義則JARL会長(JG1KTC)、菅原隆志東北総合通信局無線通信部長。三木哲也JARD会長(JA1CIN)

●東北復興アマチュア無線フェスティバルの実際

 当日の天候は晴れ。開会式は山之内俊彦実行委員長の開会の辞、尾義則JARL会長(JG1KTC)、菅原隆志東北総合通信局無線通信部長、三木哲也JARD会長(JA1CIN)の来賓祝辞と続き、種村一郎JARL副会長(JG2GFX)からの祝電の披露の後、テープカットがおこなわれました(右の写真)。

 テープカットの直後の立ち上がりは、心なしか来場者がまばらだったものの、10:30を過ぎたころから場内は大混雑となりピークは11時台となりました。

 会場の仙台国際センター展示棟は、仙台市地下鉄東西線の国際センター駅の目の前で利便性が極めて高いことから、立ち上がりが遅かったのは、来場の方々がのんびりとあわてることなく十分に時間の余裕を持って来場されたのではないかと推測されます。



▲ブース見学や掘り出し物散策、お買い物を楽しむ来場者のみなさん

 そしてご来場のみなさんは、無線機器メーカーの各種展示や、無線機器販売店等での掘り出し物散策・お買い物、各種催事の見学や講演会、そしてアイボール等を大いに楽しまれていたようです。

 子供たち向けの電子工作教室や特設体験コーナー、特別記念局8J7HAMの運用、アマチュア無線何でも相談コーナーも大好評でした。



▲子供たち向けの電子工作教室のようす

 フェスティバルの名称の一部となった「東北復興」にちなむ防災関連団体の出展も見られ、7年前に東日本大震災が勃発した14:46には場内では黙祷がおこなわれました。



←↑特別記念局8J7HAMの公開運用もおこなわれた。
 左は国際センター展示棟裏の搬入出待機場に設けられたアンテナサイト。
 実行委員会が大型のクレーン車を借りて設置。
 無線機器メーカーの受信デモ用のアンテナも、実行委員会スタッフの工夫で設置されたものだ。

 ところで、東北復興アマチュア無線フェスティバルには、他エリアで開催の大型イベントとは心なしか違うパターンが見られました。どうやら来場者の入れ替わりペースがとても早いようなのです。

 来場者の中には一回り二回りして、目的が済んだらすぐに帰る方々も多く見られたようで、開幕後早くから、国際センター駅と国際センター展示場間の広場には「駅から展示棟に向かう人(来場する人)」「展示棟から駅に向かう人(荷物を持って帰る人など)」の双方向の人の流れが多く見られました。

 来場者の会場滞留時間が比較的長い傾向がある、関西アマチュア無線フェスティバルや西日本ハムフェア等の他のエリアのイベントと比べるとちょっと違った傾向が感じられたのです。

 会場の国際センター展示場は、仙台市内の観光名所の一つである仙台城址(青葉城址)も非常に近く、また地下鉄駅の目の前という、極めて利便性が高い立地ですが、その半面、この来場者の動きは、施設の関係から「駐車場が十分に確保できないこと」や「周辺に昼食が取れる店などが思いのほか少ないこと」にも起因しているのかも知れません。

▲各種講演もおこなわれた

●次回の開催は未定……?
でもこれでおしまいではない。いつの日か必ず……!

 こうして、東北復興アマチュア無線フェスティバルは、初の開催にもかかわらず、約2,000名の来場者を迎え大盛況のうち無事終了したのです。

 今回のフェスティバルで全体準備・運営の中心となった、尾形和俊東北地方本部長(JA7AJH)は「フェスティバルの次回の開催時期については未定ですが、今回の開催実績や運営経験を活かして、毎年開催の可能性や方策を見据えつつ検討を進めていきたいと思います」と語っています。

 フェスティバルの第2回の開催時期は定かではありませんが、いつの日か必ず開催の運びとなることはどうやら間違いなさそうです。
 次回の東北地方のフェスティバルにも大いに期待しましょう。

(3月13日)


「詳細」


第17回西日本ハムフェア開催される(今年も2,000名を超える来場!)

 平成30年3月4日、福岡県京都郡苅田町の日産自動車九州(株)体育館およびゲストホールで、第17回西日本ハムフェアが九州地方はもちろん、全国各地から過去最高の約2,100名の来場者を迎えて盛大に開催され、ご来場いただいたみなさんは、無線機器メーカー展示の見学や、無線機器販売店やフリーマーケットでの掘り出し物散策、アイボール、各種講演などをそれぞれ大いに楽しまれていたようです。

 西日本ハムフェアは昨年2017年の第16回で、来場者約2,000名の大台を達成しました。
 すでにご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、実は今年の西日本ハムフェアには、恐るべきエピソードがあります。
 実行委員会では、昨年9月1日から第17回の西日本ハムフェアの出展団体募集を開始したのですが、ナント!わずか4日間で申し込みが予定の出展小間数に到達し、その後の申し込みを締め切らざるを得なくなってしまったのです。この事実は出展者にとっても一般来場者にとっても、西日本ハムフェアの人気ぶりを象徴する大きな出来事と言えるかも知れません。
 そして今年も2,000名を超える来場者を迎えて、すっかり「西日本」の冠が本当によく似合うイベントになりました。

▲開会式テープカット(左)のようすと、入場開始にわく来場者の方々(右)

 さて、開催前日の搬入日で前夜祭(懇親会)が開催された3月3日は曇天、午後にはまとまった量の雨が降り翌日の天候が危ぶまれましたが、当日は幸いピーカンの青空に恵まれ、開会時刻の09:00前には入場口には開会を待つ来場者が多数集まり開会式を待ちました。
 開会式の、山本幸三衆議院議員、JARL尾義則会長(JG1KTC)ほかの来賓挨拶を終え、テープカットの直後から、来場者が一斉に流れ込み会場内が身動きが取りにくいほど混雑していくのは、毎年の西日本ハムフェアのいわばお約束です。
 今年も開会直後の、駐車場の駐車台数を大雑把に数えてみましたが、500台はゆうに超える駐車が確認できました。
 ガイドブックの配布状況から実行委員会が発表していた09:30現在の来場者数は700名で、この数字はこの時点の駐車場のようすから見ても十分に説得力があります。


▲開場のころの駐車場のようす

▲開場直後から大混雑が始まった

 10:00時台になると、さらに駐車場にはアンテナが付いた車でどんどん埋まっていき、場内の大混雑がまさにピークを迎えたのは10:00台後半で、この混雑状態はお昼前まで続きました。

 12:00を過ぎたころには場内の大混雑はいくぶん解消され、駐車場の駐車スペースの利用状況にも変化が見られた事から、来場者の入れ替わりが感じられました。

 さて西日本ハムフェアには地元の九州地方のみではなく、関西地方の販売店等の出展が多く見られます。クラブ等も、関西地方から出展のブースが多く見られます。
 ちなみに今年の西日本ハムフェアに出展いただいた、無線機器販売店等は次のとおりです(五十音順)。
【九州】オリエンタルハムショップ(熊本)・ カホパーツセンター(福岡)・ クマデン(熊本)・ ハムジン(福岡)・ ハムセンター長崎(長崎)・ 福岡ハムセンター(福岡)
【関西】ウエダ無線(大阪)・ 日栄無線(大阪・京都・滋賀・奈良)・ 無線とパソコンのモリ(大阪)・ ラジオパーツジャパン(大阪)
 この点について、西日本ハムフェア事務局の井上 滋さんは『西日本ハムフェアでは、以前から九州地方だけではなく、広く他エリアに向けてもブース出展の呼びかけをおこなってきました。文字通り「西日本」のハムフェアとして、地元九州の販売店等も、関西の販売店等も各店それぞれの特徴や品揃えを十分に発揮して出展されています。今年もご来場の皆様には、さまざまな特徴のある販売店等のブースで、掘り出し物散策を十分に楽しんでいただいたと思っています』と語っています。


▲各種の講演もおこなわれた

▲子供たち向けの工作教室

 ゲストホールではFCC試験や、次のような各種の講演等がおこなわれ、来場者の方々はそれぞれ興味のある講演に熱心に聴き入っていました。

  1. JARLの現状と最近の取り組み(JARL尾義則会長)
  2. スプリアスについて(JARD近藤信行氏)
  3. 八重洲無線機の魅力(八重洲無線(株)黒田裕司氏)
  4. アイコム アマチュア無線機の魅力(アイコム(株)稲葉浩之氏)
  5. オール九州コンテスト表彰式


▲記念局8J6HAM公開運用

▲抽選会(ビンゴゲーム)

■西ハムコンサート■

▲JI1BTL水田かおりさん

▲JJ0SDQ渡部まいこさん

▲JJ3WWS青木小夜子さん

 またロビーではJJ3WWS青木小夜子さん、JI1BTL水田かおりさん、JJ0SDQ渡部まいこさんによる西ハムコンサートや、子供たちを対象とした電子工作教室、「きつねを探そう」(ミニFOXハンティング)も実施され、記念局の8J6HAMの公開運用もおこなわれました。

 また毎年、実行委員会の重要な懸案事項の一つとなっている会場内の電源供給ですが、7台の発電機を会場外敷地内の安全な場所に配備しておこない、今年は電源のトラブルがおこることは一度もありませんでした。
 最後に、ビンゴゲームによる記念品抽選会がおこなわれ、西日本ハムフェアの全日程が終了しました。

▲第17回西日本ハムフェア会場を縁の下で支えた7台の発電機たち

 こうして第17回西日本ハムフェアは今年も盛況のうち終了しましたが、これは実行委員会の次回、第18回開催の準備開始を意味しています。
 事務局の井上さんは、『次回の西ハムに向けて、何か新しい企画や、ヒントなどを見つけに、1週間後の3月11日に仙台市で初開催される東北復興アマチュア無線フェスティバルの視察にいきます』と語っており、来年開催される第18回西日本ハムフェアもさらに大きな進化が期待できそうです。

■第17回西日本ハムフェア懇親会

 第17回西日本ハムフェアの前日の3月3日、福岡県行橋市の京都ホテルで、西日本ハムフェア懇親会が開催されました。当日は100名を超える出席があり、 翌日の西日本ハムフェアの大成功を祈念しつつ、アマチュア無線談義を大いに楽しみました。

 アトラクションとして、地元行橋市の「飛龍八幡太鼓」の勇壮な演奏が披露され、また、JI1BTL水田かおりさん、JJ0SDQ渡部まいこさん、JJ3WWS青木小夜子さんによるミニライブありました。

【こぼれ話】第17回西日本ハムフェアガイドブックの背表紙
広告は九州生まれの日産の新型車

 西日本ハムフェアに限らず、各地で開催される大型イベントでは、実行委員会が「ガイドブック」を制作して来場者に配布しています。このガイドブックに掲載の広告料金は、イベント自体の運営経費とガイドブックの自身の制作経費に補填され、広告主はアマチュア無線のイベントの場合だと、イベントに出展するメーカーや販売店、イベントに協賛するクラブや個人などである場合がほとんどなのですが、今回の西日本ハムフェアのガイドブックの背表紙は、アマチュア無線関連ではなく、なんと新型「エクストレイル」のカラー広告なのですからある意味驚きです。

 実はこの新型エクストレイルは、西日本ハムフェア会場をご厚意でお貸しいただいている、日産自動車九州(株)が製造している、九州生まれの新型車です。
 実行委員会の方のお話しによると、おのカラー広告は日産自動車九州(株)からの自発的なご出稿お申し込みをいただいて掲載に至ったものだそうです。

 西日本ハムフェア実行委員会と会場提供の形でご後援をいただいている日産自動車九州(株)の間に、とてもよい連携・協力関係が保たれていることがよくわかるエピソードですね。

(3月6日)


「詳細」


   
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