2003年12月27日掲載
2004年3月11日 補足説明の一部を修正
2023年5月1日  法令改正により修正



 2003年に電波法関係審査基準(平成13年総務省訓令67号)の一部改正により「インターネットを利用した遠隔操作」の条件等が追加され、2004年から施行されました。
 さらに2023年の改正により、一定の条件を満たせば遠隔操作に該当しないこととされました。

 インターネット等を利用しアマチュア無線局の遠隔操作運用する際には、次のような指針にしたがって運用してください。

■適合条件■
 アマチュア無線局(人工衛星等のアマチュア局を除く)の遠隔操作をおこなう場合、リモコン局によりレピータ局またはアシスト局の遠隔操作以外にインターネット等を利用した遠隔操作の許可を得ることができます。ただし、下記電波法関係審査基準の条件に適合している必要があり、また申請等が必要です。
 なお、以下 (7) のように、電波の送信の地点(設置場所及び常置場所に限る。)と無線設備の操作を行う地点のいずれもが、免許人が所有又は管理する一の構内(自宅地内やマンション等の自室内など)であるものは、無線局の適正な運用の確保について免許人により適切な監督が行われているものに限り、遠隔操作には該当しません。



 電波法関係審査基準 第15(アマチュア局)の24アマチュア局の遠隔操作

 次のいずれの条件にも適合する場合に限ること。

(1) 電波の発射の停止が確認できるものであること。

(2) 免許人以外の者が無線設備をみだりに取り扱うことのないよう措置してあること。

(3) 連絡線は、専用線であること。ただし、次に掲げる場合を除く。
ア リモコン局によりレピータ局又はアシスト局の遠隔操作を行う場合
イ インターネット(有線LAN及び無線LANを含む。以下第15の24において同じ。)の利用により遠隔操作を行う場合であって、次の(ア)及び(イ)の要件に適合するもの
(ア) 免許人以外の者がインターネットの利用により無線設備を操作できないよう措置しているものであること。
(イ) 運用中は、免許人が常に無線設備を監視及び制御をしているものであり、その具体的措置が確認できるものであること。
(4) 電波が連続的に発射し、停波しなくなる等の障害が発生したときから3時間以内において速やかに電波の発射を停止できることが確保されているものであって、その具体的方法が確認できるものであること。

(5) 無線局事項書及び工事設計書の参考事項の欄に、遠隔操作が行われること及びその方法(専用線、リモコン局又はインターネットの利用のいずれかをいう。)を記載するとともに、工事設計として(1)及び(3)イに掲げる要件に適合することを説明した書類を添付するものであること((3)イについてはインターネットの利用の場合に限る。)。

(6) インターネットの利用により遠隔操作を行う場合においては、無線設備の操作を行う場所を通信所としないこと。

(7) 電波の送信の地点(設置場所又は常置場所に限る。)と無線設備の操作を行う地点のいずれもが、免許人が所有又は管理する一の構内である場合は、免許人以外の者が無線設備をみだりに取り扱うことのないよう措置するなど無線局の適正な運用の確保について免許人により適切な監督が行われているものに限り、遠隔操作には該当しないものとする。

【補足説明】

(1)「電波の発射の停止が確認できるものであること。」とありますが、確認できる例としては次のような方法になります。
「遠隔操作所から、パーソナルコンピュータ等の遠隔操作専用アプリケーション(無線機の表示部と同様の表示及び操作が可能なソフトウェア)により免許人が常に無線設備を監視及び制御でき、電波の発射の停止も確認できる。」

(3)-イ-(ア)「免許人以外の者がインターネットの利用により無線設備を操作できないよう措置しているものであること。」とありますが、措置例を挙げると次のような方法になります。
 「送信所の無線設備はアクセス出来ないようにIDによるセキュリティー管理を行い、免許人以外の者が無線設備を操作できないよう措置している。」

(3)-イ-(イ)「運用中は、免許人が常に無線設備を監視及び制御をしているものであり、その具体的措置が確認できるものであること。」とありますが、措置例を挙げると次のような方法になります。
 「遠隔操作所から、パーソナルコンピュータ等の遠隔操作専用アプリケーション(無線機の表示部と同様の表示及び操作が可能なソフトウェア)により免許人が常に無線設備を監視及び制御できる。」

(4) 「電波が連続的に発射し、停波しなくなる等の障害が発生したときから3時間以内において速やかに電波の発射を停止できることが確保されているものであって、その具体的方法が確認できるものであること。」とありますが、これは、遠隔操作設備を含め障害が発生した場合、3時間以内に無線設備に駆け付け速やかに対応する等、何らかの具体的な方法で3時間以内に障害対応できることが確保されている必要があります。

※ 障害が発生した場合は、自動車等による通常の経路で原則として3時間以内に、無線設備の設置場所に到着し、速やかに対応できることが確保されている必要があります。(移動時間が3時間を超える遠隔操作はできません。)←総務省電波利用ホームページから抜粋

(5) 「無線局事項書及び工事設計書の参考事項の欄に、遠隔操作が行われること及びその方法(専用線、リモコン局又はインターネットの利用のいずれかをいう。)を記載するとともに、工事設計として(1)及び(3)イに掲げる要件に適合することを説明した書類を添付するものであること((3)イについてはインターネットの利用の場合に限る。)」とありますので、無線局事項書及び工事設計書の参考事項の欄に「第○○送信機は、インターネットによる遠隔操作を行う」と記載し申請等が必要になります。また、工事設計として要件に適合することを説明した書類の添付が必要となり、例として上記内容を参考に作成し添付してください。

(7) 「電波の送信の地点(設置場所又は常置場所に限る。)と無線設備の操作を行う地点のいずれもが、免許人が所有又は管理する一の構内である場合は、免許人以外の者が無線設備をみだりに取り扱うことのないよう措置するなど無線局の適正な運用の確保について免許人により適切な監督が行われているものに限り、遠隔操作には該当しないものとする。」とされましたので、設置場所や常置場所の同一敷地内(マンション等の自室内など)での運用は申請等の必要はありませんが、移動する局の遠隔操作設備を無線機と共に常置場所以外へ持ち出して運用する場合は、同一敷地内の運用であっても申請等が必要となりますので注意してください。
※ 管理規約や賃貸契約等で免許人が継続的かつ専用的な利用が認められている居室に隣接する共用部分は、免許人が所有又は管理する一の構内に含まれます。


■運用例■

 日本国内に設置しているアマチュア無線設備を、パーソナルコンピュータのソフトウェアで遠隔操作運用する場合の例として説明いたします。



<運用例 1:自局運用>

インターネットを経由し、自局の無線設備を遠隔操作する。





<運用例 2:ゲスト・オペ制度運用>

A局の無線設備を、インターネットを経由しA局の免許人に許可された無線従事者B/C/Dさんが、A局免許人の監督(指揮・立会い)のもとで遠隔操作する。(B/C/Dさんはゲスト・オペ制度の範囲内で運用する。)





<運用例 3:社団局>

社団局の無線設備を、インターネットを経由し同じ局の社団局の構成員(免許人)が遠隔操作を行う。




◆送信所が海外に設置されている場合は、設置されているその国の電波法に従って運用してください。


(参考)
総務省電波利用ホームページ
「アマチュア局の遠隔操作」
https://www.tele.soumu.go.jp/j/others/amateur/confirmation/remote_control/index.htm




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