June 2016 NEWS TOPICS INFORMATION


JARL第5回定時社員総会開催される(速報)

 平成28年6月26日(日)、一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)の第5回定時社員総会が東京都新宿区のベルサール西新宿で開催されました。

 この社員総会は、平成26年4月に実施された通常選挙で当選した社員の方々が全国から124名(議決権行使書面による出席者4名、委任書面による出席1名を含む)が出席して議案の審議がおこなわれ、17時32分に無事終了しました(各議案はJARL Webの会員専用ページで案内しております)。

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 総会の開催に先立って12時50分から、平成27年度に会員数の増加が見られた24支部(第1表)を代表して、東京都支部(右の写真)、茨城県支部、長野県支部への表彰状授与がおこなわれました。

<第1表>平成27年度に会員数の増加が見られた24支部
東京都支部、千葉県支部、茨城県支部、栃木県支部、三重県支部、兵庫県支部、奈良県支部、京都府支部、和歌山県支部、鳥取県支部、山口県支部、高知県支部、福岡県支部、長崎県支部、熊本県支部、佐賀県支部、沖縄県支部、岩手県支部、山形県支部、宮城県支部、福島県支部、オホーツク支部、福井県支部、長野県支部

 続いて、13時00分に定時社員総会が開始されました。JA7AIW山之内俊彦JARL会長から開会の挨拶がおこなわれた後、会長から次の2名の方が議長団として指名され、総会の議事に入りました。
議長JA1STY鈴木  清氏(写真右
副議長JH1NLL安部 慈孝氏(写真左

 ここからの進行は議長となり、最初に事務局から社員の出席状況などの報告 が次のとおりおこなわれた結果、定款第37条に定める、総社員の議決権の過半数 の64名に達し、定足数を満たしていることから、議長から第5回定時社員総会の成立が宣言されました。

  1. 議決権を有する総社員の数(127)
  2. 総社員の議決権の数(127)
  3. 総会当日12:50現在の出席社員の数(116)
  4. 議決権行使書面による出席社員の数(4)
  5. 委任書面による出席社員の数(1)
  6. 同時刻時点での出席社員数計(121)

 このあと書記の指名、議事録署名人の指名がそれぞれおこなわれ、議長から議事進行に際しての注意事項が伝達され議案審議に入りました。

  • 書記 高橋 壮 総務部長
  • 議事録署名人 JH5QHO藤戸 勇輔氏、JA6VQA田上 昭雄氏、JA7UQB佐藤 雄孝氏

 議長(JA1STY)による議事に関する説明の後、議事が開催されました。

 上程議案については、第1号議案をJA1SLS玉眞 博義専務理事が説明し(右の写真)、第2号および第3号議案についてはJA7AIW山之内俊彦会長が説明をおこないました。

 第1号議題の説明のあと、JA3DKW永井 暉久氏(写真の左)、JA1RTG松村 恒男氏(写真の右)の両監事により、「4月22日に監査をおこない、会計および理事の職務の執行に関して定款等に照らして妥当である」旨の報告がなされました。

第1号議題 平成27年度決算の件
第2号議題 役員選任の件
第3号議題 定款の変更の件
【報告事項】
(1)平成27年度事業報告
(2)平成28年度収支予算
(3)平成28年度事業計画

●議案の審議

 議案の審議では、事前の準備書面による質問や意見などが多数あったことから、準備書面の内容に関する理事会からの回答を一括説明した後、当日の質疑応答をおこなう形で熱心に議案の審議がおこなわれました。

 第1号議題 平成27年度決算については、「QSLカード転送関係」「会員増強関係」「事業収支、地方本部費、各種積立金等の取り扱い等の財政関係」の質問や意見等がありましたが、山之内会長、玉眞専務理事、前川副会長等から詳細な説明がおこなわれ、挙手による採決により賛成多数により原案どおり可決承認されました。

(14時53分)

 約7分間の休憩の後、おこなわれた第2号議題 役員選任の件については、山之内会長による議案の説明がおこなわれました(右の写真)。

 その後、先の選挙および理事会によって選ばれた役員候補者の経歴に関する閲覧資料が配付(当日、審議終了後全回収)される一方、山之内会長から推薦理事、監事の経歴などの説明があり質疑応答がおこなわれ、「推薦理事・監事の選任関連」「選任採決方法関係」「投票方法関係」などに関する意見、要望などがありました。

 そして、議長から採決の方法が社員に諮られ、「一般社団・財団法人法やJARLの定款に則り、候補者ごとに挙手による判断で議決したい。その際、賛否拮抗と考えられる場合は、賛成・反対・保留の別に投票をおこなう方法で採決したい」との提案が承認され、15時27分から採決が開始され、議案通り可決承認されました。

(15時34分)

(理事の選任)

JA1LVB伏見 美幸JA1SLS玉眞 博義
JG1KTC尾 義則JH1LWP島田 守康
JA2HDE木村 時政JG2GFX種村 一郎
JA3DBD宮本 荘一JH3GXF安孫子 達
JA4DLF綱島 俊昭JA5SUD森田 耕司
JA6DJZ渡邉 秀明JA7AJH尾形 和俊
JA8ATG原  恒夫JH8HLU正村 琢磨
JA9BHE柴田 雄司JA9BOH前川 公男
JF0JYR橋 哲也  

(監事の選任)

JA3DKW永井 暉久JE7JGG佐藤  眸

第3号議題 定款の変更の件

 続いて、第3号議案の説明が山之内会長からおこなわれました。

 この議案は、「昨今の社会情勢のなかで、アマチュア無線の存在が薄らいできており、今後は一般社会に対するアマチュア無線の周知啓蒙が必要になってきていることから、アマチュア無線の活性化を目指し、連盟組織に象徴的な存在として名誉会長職をおくための定款の変更」に関するもので、定款の変更に係る事から社員の総議決権数の2/3以上の議決が必要となる議案です(85以上の賛成が必要)。

 山之内会長から詳細な議案の説明の後、審議がおこなわれ、「名誉会長職をおく目的や意義」「名誉会長職の資格要件」等に関する質問、意見、提案などがありました。 採決は挙手の数を数える方法によりおこなわれ、採決の結果、賛成58票で総議決権数の2/3以上が得られず否決となりました。

(16時00分)

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 第3号議案の議事が終了し議長交代(JH1NLL)の後、引き続き平成27年度事業報告、平成28年度の収支予算、平成28年度事業計画等の報告がおこなわれました。

 第1号議案と同様、準備書面による質問・意見・要望などが多岐に渡るため、準備書面の内容に関する一括回答の後に、当日質問等を受ける形で質疑応答がおこなわれました。

 質問・意見・要望は「ビギナー・青少年ハムの育成関係」「会員サービス、会員増強関係」「電子QSL、QSLカード転送関連」「国際協力や資格の相互認証等」「JARL局、レピータ局、ガイダンス局の設備関係」をはじめ多岐にわたり、平成28年度のJARLの事業や、今後のJARLの事業の方向性等に関する質問や意見等をいただき、第5回定時社員総会の全日程を終了しました。

(17時32分)

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 第5回定時社員総会の終了後、第29回理事会が別室で開催され、理事の互選により、会長にJG1KTC尾 義則理事(写真中央)、副会長にJG2GFX種村 一郎理事(写真左)、JA8ATG原 恒夫理事(写真右)、専務理事にJA1SLS玉眞 博義理事が選出され、JARLの新執行部がスタートしました。

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 第5回定時社員総会における議案審議についての議事録は、後日JARL Webに掲載の予定です。

■JARLの新役員

会長・理事JG1KTC尾 義則
副会長・理事JG2GFX種村 一郎
副会長・理事JA8ATG原  恒夫
専務理事(常勤)JA1SLS玉眞 博義
理事JA1LVB伏見 美幸
理事JH1LWP島田 守康
理事JA2HDE木村 時政
理事JA3DBD宮本 荘一
理事JH3GXF安孫子 達
理事JA4DLF綱島 俊昭
理事JA5SUD森田 耕司
理事JA6DJZ渡邉 秀明
理事JA7AJH尾形 和俊
理事JH8HLU正村 琢磨
理事JA9BHE柴田 雄司
理事JA9BOH前川 公男
理事JF0JYR橋 哲也
監事JA3DKW永井 暉久
監事JE7JGG佐藤  眸

(6月27日)





今年もJARDの「小・中学生向けアマチュア無線講座」開催される

 2016年6月19日(日)、東京都千代田区の科学技術館で、日本アマチュア無線振興協会(JARD)主催の小・中学生向けアマチュア無線入門イベント「アマチュア無線ってどんなもの?」が、JARL東京都支部、日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)、CQ出版社の協力でおこなわれました。この催事は、JARDの平成28年度の情報通信月間参加行事の一つとして、ここ数年この時期に実施されています。
 参加したのは事前に公募した33名で、会場には引率の保護者も多数詰めかけていました。今年の参加者は、平均年齢は9歳くらい、男女比もほぼ半々でした。

 会場には、実際の受信音が聞ける無線機、発振器を取り付けた電鍵、免許なしで使用できる特定小電力無線も展示され、開講前や休憩中に子供たちが手にして遊んでいました。特小で遊んでいた子の中には、すでにアマチュア無線の免許を持っていて、自分のコールサインをフォネティックコードで言える子もいました。
 また、今回も外の科学技術館入口近くに、第一電波工業のデモ用の無線キャンピングカーも展示され、休憩時間には車の前での記念撮影もありました。これには、子供たちも車が好きなお父さんたちも興味津々のようすでした。

 講座の講師には、昨年に引き続き羽根田新さん(JG1KYL)に加え、女優でJARDの「アマチュア無線ナビゲーター」の松田百香(JI1NYO)さんも登場しました。講座でははじめに、身近で使われている電波の話、電波やアマチュア無線の歴史、アマチュア無線の楽しみ方などがわかりやすく説明されました。
 子供たちに興味を持ってもらえるよう、有名人のアマチュア無線家の話や、ARISSスクールコンタクトのようすのビデオの上映もあり、ARISS運用委員の安田 聖さん(7M3TJZ)のお話もありました。

 松田百香さんが、会場で実際に交信を実演するところでは、同日におこなわれていた「いばらきハムの集い」会場にいる、水戸市のコミュニティFM放送「FMぱるるん」のアマチュア無線番組「CQ HAM FOR GIRLS」のパーソナリティー、水田かおりさん(JI1BTL)との交信ができました。

 その後休憩を挟み「モールスで遊ぼうコーナー」で、発振器付きの電鍵が一人一つずつ置かれました。子供たちには欧文26文字と数字の符号表が配られ、「SOS」や「AKB48」などの符号を実際に打ってもらったり、モールス符号の聞き取りゲームで楽しんでもらいました。聞き取りゲームでは、数人で班を作り正解を競いましたが、子供たちの飲み込みは早く、差がつかなかったため、最後はじゃんけん大会で1位を決めました。

 最後の「工作教室」では、ハンダを使わず、部品をボードに差し込んでFMラジオを組み立てる「FMはこらじ」の製作に挑戦しました。保護者の方々やスタッフといっしょに組み立てます。やや部品点数が多く、少し時間がかかりますが、製作中も松田百香さんが子供たちに声をかけたり、時には手伝いながら励ましていました。
 手早く作りあげた子、なかなかラジオが鳴らなかった子もいましたが、スタッフや保護者が総出で手伝い、最後には全員のラジオが鳴りました。
 参加した子供たちの中には、この体験で資格取得を考えた子もいたようです。
 彼らとお空で会える日を楽しみにしましょう。

(6月20日)





兵庫県姫路市立坊勢小学校・中学校の子供たちが国際宇宙ステーションと交信に成功

 今回のスクールコンタクトは、離島という条件で初めておこなわれたものとなりました。兵庫県の姫路港から瀬戸内海の沖合20km付近に点在する大小40個あまりの島々、それが家島諸島です。そしてその中に今回の舞台となる坊勢島があります。

 話は2015年4月にさかのぼります。2014年4月に姫路市立網干西小学校でスクールコンタクトを実施した当時の教頭先生から電話がありました。4月から校長として姫路市立坊勢小学校に赴任してきたとのことです。先生は、なかなか外部との交流の少ない島の子供たちに、[宇宙飛行士と交信したあの感動を体験させてやりたい。大きな夢を与えてやりたい]と熱い思いを話されました。


▲姫路港と坊勢島を結ぶ中型旅客船クィーンぼうぜ(坊勢汽船(株))

▲スクールコンタクトのために坊勢島に持ち込んだ無線機材です
 しかし実施には、大きな問題点がありました。1つは、スクールコンタクトは基本的には1市1小学校のみに開催が許可されており、姫路市は既に網干西小学校で実施済みであること。2つめは、島への交通アクセスが定期船しかなく、日本でのスクールコンタクトの大半が夕方から夜に実施されているので、交信終了後に片付けて帰り支度をしても、最終便の船(19時20分発)に間に合わないので、島で1泊しないと帰れないこと、などなどです。問題点はたくさんありました。
 1つめの問題は、小学校単位で開催するのではなく、坊勢小学校・坊勢中学校が合同でおこなうことでクリアできました。
 2つめの問題は、手伝ってもらう関西ARISSプロジェクトチームのメンバーに相談したところ、みんな快諾してくれました。中には、修学旅行気分になったり、瀬戸内海の新鮮な魚介類が食べられると大はしゃぎする者もいました。
 このように、これまでとはまったく勝手が違うことに戸惑いましたが、島の子供たちのために開催することになりました。

▲船着き場から坊勢小学校に向かう険しい坂道

 今年4月になって、5月30日から6月4日までの間でスケジュールが組まれるという連絡があり、さっそく校長に連絡しましたが、電話の向こうからはあまりいい返事が返ってきません。聞いてみると6月12日に幼・小・中学校合同の運動会の予定があり、その前後は学校としても準備等に忙しいとのこと。
 「たかが運動会では?」と思っていたのですが、実はこの運動会は島の大切な行事の1つで、島民3,000人が一同に集う大イベントらしいのです。「スクールコンタクトを開催するかどうか」悩みに悩んだ校長が出した答えは「GO」でした。

 5月7日、現地の下調べのため、関西ARISSメンバー2人と島へと向かいました。姫路港から旅客船に乗って約30分で到着。初めて島の土を踏みました。私が知っている瀬戸内海の島と言えば小豆島ぐらいで、家島諸島は初めてでした。
 校長に案内されて船着き場から学校に向かいましたが、小学校は島のほぼ頂上にあり、到着するまでずっと上り坂が続いていました。やっとの思いで到着すると、屋上からは瀬戸内海が一望でき、すばらしい景色でした。周囲は360度何も障害物がなく、スクールコンタクトをおこなうのに「文句なし」の、抜群のロケーションでした。
 5月19日、「交信日が6月4日土曜日に決定した」という連絡をもらって、準備に取りかかりました。

 すると、ここでまた1つ大きな問題が発生しました。島へ持ち込む無線機材を運ぶ貨物船が土曜日は運行するが、日曜日は運休なので無線機材の搬出ができない点です。船会社に頼んで旅客船に荷物を積んでもらえるように頼みましたが、船が小さいため2回に分けて乗船するか、大型旅客船が運航するまで待つかという話なのです。
 島からの船は2時間に1便。つまり、機材搬出のためだけに2時間は待たなければなりませんでした。就航している中型旅客船については「定期便ではなく。当日にならないと運航するかどうかわからない」と船会社から説明がありました。機材搬出の問題を抱えたまま島への上陸を決定しました。


▲アンテナ設営のようす

 6月4日、8時姫路港発の貨物船に無線機材をのせるために7時に集合しました。荷物を預け、我々は少し離れた旅客船乗り場へと向かいました。
 8時10分、姫路港出発、さあいよいよ坊勢島ARISSスクールコンタクトの始まりです。

 島に到着した我々はさっそく、険しい坂道を上り小学校へと向かいました。そして、小学校で軽トラックをお借りして、再度港へ荷物の引き取りに向かいました。1度では機材は乗り切れず、結局2往復して10時に機材の搬入が完了しました。
 アンテナ工事と会場設営の2班に分かれて準備を開始しました。

▲ティモシー・ピーク宇宙飛行士と交信中

 そして17時28分、臨時に開設した社団局8N3Bからの私の呼びかけに、弱いですが交信相手のイギリス人宇宙飛行士ティモシー・ピークさんの声が聞こえました。
 「あれ?いつもとちょっと違う」と思いながら子供たちの質問が始まりました。
 今回の軌道は、最大仰角74度とほぼ真上を飛行する予定だったので、私は、がつんと信号が来るものだと思い込んでいましたが、天頂に近づくにつれて信号は強くなるものの、不安はぬぐいきれませんでした。

 順調に質問は進んでいき、まだ2分も交信時間が残っていると思っていると急に信号が途切れてしまいました。この時点では、こちら側の設備に不備があったのか、ISS側なのか全くわかりませんでした。
 結局16問の質問ができて、子供たちは大興奮していました。一応、コントロールオペレーターとしての大役は、果たせてひと一安心しました。

 その夜、我々は島の民宿に泊まり、瀬戸内海の美味しいお魚料理をお腹いっぱいいただきました。さすがに枕投げはしませんが、夜遅くまで飲み明かしたことは確かでした。


▲交信成功後の子供たちは感激の感想を口々に語っていました

 翌日、アンテナ撤収作業中に、14時10分に大型旅客船が運航することを聞き、昼前には無線機材を搬出し、無事に港まで運びました。

 今回のスクールコンタクトでは、「離島地域での実施はこんなにも難しいものか」とつくづく思い知らされました。
 将来、この坊勢島から宇宙飛行士が誕生することを願いながら島を離れました。

(レポート:JG3QZN田中一吉さん)

(6月7日)





平成28年度「電波の日・情報通信月間記念式典表彰」で
各地のアマチュア無線家が表彰

 平成28年6月1日に各地で実施された、平成28年度「電波の日・情報通信月間記念式典」で、電波利用・情報通信の発展に貢献された団体や個人に対する表彰等がおこなわれ、各地のアマチュア無線家の方々が表彰を受けましたのでご紹介します。

 受賞者の皆さんおめでとうございます。

★東海総合通信局長表彰(団体表彰)
一般社団法人日本アマチュア無線連盟三重県支部

【功績の概要】伊勢志摩サミットの開催に際し、伊勢志摩サミット記念局を開設し、アマチュア無線を通じて伊勢志摩地域の伝統や文化を国内外に広く発信するなど、地域の活性化に多大な貢献をされた。

【表彰の謝辞】岡田哲夫三重県支部長(JA2HVO)

 JARL三重県支部は、昨年末から本年5月27日までアマチュア無線局(記念局8J2SMT)を運用いたしました。この記念局8J2SMTは、日本国内はもとより海外アマチュア局との交信を通じ、平成28年5月26・27日に、三重県伊勢志摩地域において「G7伊勢志摩サッミト2016」が開催されることを世界に紹介するとともに、三重県内の伝統や文化、美しい自然の素晴らしさを紹介しようと企画されたものです。
 この8J2SMT運用の功績が認められるところとなり、『伊勢志摩サミットの開催に際し、伊勢志摩サミット記念局を開設し、アマチュア無線を通じて伊勢志摩地域の伝統や文化を国内外に広く発信するなど、地域の活性化に多大な貢献をした』として、6月1日の「電波の日・情報通信月間」記念式典において総務省東海総合通信局の木村順吾局長から表彰状が授与されました。

▲8J2SMTは南北に長い三重県の17市町を縦断して、延べ196名の支部メンバーによりロングラン運用された。

 記念局8J2SMTは、三重県のご後援のもとで、伊勢志摩サミット県民会議への応援事業として平成27年12月25日に開局、平成28年5月27日までの155日間の長きにわたり三重県支部の方々延べ196人により運用されました。8J2SMTの移動範囲は、三重県南部の熊野市、尾鷲市からサミット開催市の志摩市、伊勢市そしてこれらの市の間に位置する鳥羽市、そして三重県北部に位置する伊賀市まで南北に長い三重県の17市町を縦断して運用されました。
 運用周波数は、1.9MHzから435MHzまでの全周波数に及び、また各地域においてV・UHF帯によるローカル局へのサービスのほか、7MHz、21MHzを中心に国内広域サービスのほかDX局にも積極的にサービスしてきました。
 朝の北米方面へのサービスに始まり、午後の南米、夕刻のオセアニア方面、そして夜のヨーロッパ局へのサービスに日夜奮闘致しました。真冬の寒い中のフィールド・サービス、そして桜が咲くころのホッとしたひと時のサービスなど思い出が尽きません。
 長い間の思い出深い運用サービス期間中に、国内約1万局に加え世界5大陸50カ国の約600局と、合計約1万600局と交信しました。
 これらの交信の中、三重県伊勢志摩という世界にとって重要なサミットの開催に相応しい素晴らしい地域環境、三重県の自然、伝統・文化、商工業を広く紹介し、国内のみならず世界の関心を喚起し、我が国さらに三重県の周知・広報に貢献できたものと思います。

 今、8J2SMTのQSL発行を順次進めています。このQSLカードの写真は、伊勢志摩国立公園協会の承認を得て使用しております。テレビ放送、新聞などのメディアにも公式採用され、報道のオープニングで皆さんにはおなじみの写真です。QSOデータ面には8J2SMTと「G7伊勢志摩サミット2016」について和文と英文で説明を加えています。英文説明は、カナダ在住翻訳家の日本人アマチュア無線家にお力添えをいただき、サミットという国際会議にふさわしいQSLカードになっています。
 東海総合通信局、三重県のご理解とご協力、8J2SMTの期間中の運用場所をご提供くださった伊勢慶友病院、さらに記念局8J2SMTの開局準備からの長い期間、携わっていただいた多くの方々のご支援・ご協力とご尽力により、大きな成果を残して無事閉局することができましたことをここに感謝の念を持ってお伝えいたします。

★信越総合通信局長表彰(団体表彰)
一般社団法人日本アマチュア無線連盟信越地方本部

【功績の概要】国際宇宙ステーションの宇宙飛行士と地域の子供たちとのアマチュア無線交信において、JARLガイダンス局により違法局を排除し、電波利用秩序の維持に協力するとともに、アマチュア無線の普及発展に多大な貢献をされた。


【表彰の経緯】橋哲也信越地方本部長(JF0JYR)
 長年に渡る信越地区でのアマチュア無線を通じた様々な活動(電波環境のクリーン化を目差した現地での対応作業や聴取、電子申請のメリットをPRし導入や普及についての積極的な展開、情報通信月間での公開事業等)を評価されての受賞です。
 中でも監査指導委員会が実施するガイダンス局運用及び総合通信局規正局との連携運用に於いて著しい成果を上げ、平成27年09月25日にも信越総合通信局規正用無線局とJARLアマチュアガイダンス局が長野県佐久市で連携運用を実施いたしました(左下の写真、写真提供:JF0JYR橋哲也信越地方本部長)。
 この連携運用は、佐久市子ども未来館(長野県佐久市)で実施のスクールコンタクトに先立って実施されたもので、ガイダンス局の運用が28回、規正局の運用が16回おこなわれた結果、ほとんどの場合は改善または停波しましたが、ガイダンス運用を無視し、監視調査課の規正局運用でも動じない違反運用が2件記録されています。
 佐久市子ども未来館では、その後の平成27年10月22日、ARISSスクールコンタクトの本番が実施され、10名の子供たちが油井亀美也宇宙飛行士との交信に成功しました(右下の写真、提供JH0TIS小柳昭喜さん)。

★東北総合通信局長表彰
JA7CQ中村昌司さん
(岩手県電波適正利用推進員)

【功績の概要】岩手県電波適正利用推進員協議会幹事などの要職を歴任し、電波の適正な利用に関する知識の周知啓発に取り組み、永年にわたり電波利用環境の保護に多大な貢献をされた(写真:中村昌司さん(左)と岡野直樹東北総合通信局長(右))

★関東総合通信局長表彰
JK1WHN笹澤好文さん
(群馬県電波適正利用推進員協議会会長)

【功績の概要】多年にわたり、群馬県電波適正利用推進員協議会の会長を務め、積極的に広く一般の方へ電波の適正な利用についての周知啓発活動に取り組むなど、電波利用環境の維持及び協議会活動の発展に多大な貢献をされた。

★関東情報通信協力会長表彰
JI1KAV長江和夫さん
(一般財団法人日本アマチュア無線振興協会非常勤講師、元JARL理事)

【功績の概要】一般財団法人日本アマチュア無線振興協会無線従事者養成課程の講師として、多年にわたり第三級及び第四級アマチュア無線技士の育成に携わるなど、アマチュア無線の利用の拡大やアマチュア無線家の健全育成に尽力し、電波利用の秩序の維持と発展に多大な貢献をされた。

★中国総合通信局長表彰
JA4XNF野口順次さん(鳥取県電波適正利用推進員協議会会長)

【功績の概要】鳥取県電波適正利用推進員協議会会長として、電波適正利用の重要性を深く理解し積極的な周知広報活動を通じて、地域の良好な電波利用環境の維持に多大な貢献をされた。

★      ★

 ほかアマチュア無線に関係する団体では、アマチュア無線番組「CQ HAM FOR GIRLS」を放送している、水戸コミュニティ放送(株)(FMぱるるん)が、関東総合通信局長表彰を受けました。

★関東総合通信局長表彰(団体表彰) 水戸コミュニティ放送(株)

【功績の概要】平成27年台風18号により発生した関東・東北豪雨による災害に際し、常総市に臨時災害FM放送局の開設を提案し、放送機材の調達などをおこない、市と協力して放送局を運用するなど、災害時における情報提供手段の確保に多大な貢献をされた。

(6月6日掲載)

(6月9日更新、写真の追加等)

(6月20日更新、写真の追加)





「第4回かながわアマチュア無線フィールドミーティング in 宮ケ瀬」開催される(神奈川県支部)

 JARL神奈川県支部では、アマチュア無線を楽しんでいる皆様との親睦を図るとともに、これからアマチュア無線を始めたいという方やカムバックハムの皆様にも、宮ケ瀬ダム周辺の自然の中で、ご家族で気楽に参加していただくことを目的に、「かながわアマチュア無線フィールドミーティング in 宮ケ瀬」を開催しています。

 今年は、JARL伏見美幸理事(JA1LVB)をお招きして、5月8日(日)午前10時から午後3時までの間、宮ケ瀬湖畔園地、宮ヶ瀬水の郷商店街、宮ケ瀬水の郷観光案内所において第4回目を開催、多数のアマチュア無線家の皆様と会場にお立ち寄りいただいた一般の方やお子様を含め520名という多数の方のご参加をいただき盛大に開催することができました。

▲大賑わいを見せた会場のようす(その1)

 安定した気圧配置が続き、当日は真夏を思わせるような雲一つない快晴、参加者の熱中症を心配するぐらいの陽気の中、県内外からのハム仲間が大 集合しました。午前10時からの開会式を待てない皆様がジャンク市に殺到、開会前から大盛り上がりの中で開会式を挙行しました。

 森野富士彦神奈川県支部長(JF1NEF)の挨拶にはじまり、JARL 山之内俊彦会長(JA7AIW)の祝辞の披露、JARL伏見美幸理事のご祝辞、後援の宮ケ瀬水の郷観光協同組合事務局長の歓迎の辞をいただいて開幕。

▲大賑わいを見せた会場のようす(その2)

 会場内では、横浜青葉無線クラブによるJA1YAA/1の移動運用、全日本長中波倶楽部による136kHzの公開運用、メリットファイブメンバーズハムクラブによるラジオ製作教室、横浜消防アマチュア無線クラブとはまかぜクラブによるミニFOXフォックスハンティング(宝探しゲーム)、無線機器を中心としたフリーマーケット(ジャンク市)、八重洲無線、第一電波工業メーカーの展示など多彩な内容で参加した皆様にお楽しみいただきました。

 また、今年は地元宮ケ瀬から多彩な放送をしているコミュニティFM放送局のレイクサイドエフエム放送機構(株)が運営する「むらラジ やまラジ 836」の全面的な協力をいただき、アマチュア無線の免許も取得しているパーソナリティー志村寧子さんに開会式の司会を担当していただいたほか、会場からの実況中継がリアルタイムで地元のリスナ向けに放送されたほか、会場場内でも放送をお楽しみいただきました。


▲会場ではJA1YAA/1の公開運用も実施

▲ラジオ製作教室のひとこま

 今年のミニコンサートは、現役のサラリーマン「リストラーズ」の皆さんによる絶妙なアカペラ歌唱をを披露していただきました。

 開会式直前にセレモニーとして1曲歌っていただいたほか、午後0時からは参加者一同が釘付けになるほどのパフォーマンスをご披露いただき、参加者の皆様から賞賛と喝采の拍手を浴びておりました。リストラーズの皆様、素晴らしい歌をプレゼントいただきありがとうございました。

 また、本開催に併せて実施した会員募集活動でも多数の方に、新規会員申し込みや継続更新を行っていただくことができました。会場内には、既に開局されている小・中学生や高校生の姿も多く見られ、ご家族で楽しまれている光景や地域クラブの会員として参加していただきました。

 JA1YAA/1の公開運用では、これからを担う中高生ハムによる積極的なアンテナ設営や運用などをおこなっている姿には頼もしいものを感じたところです。


▲大盛況だったミニコンサート

▲無線・電波相談コーナー

 さらに、同時に開催した神奈川県支部監査指導委員及び電波適正利用推進員が主体の相談コーナーにも多くの相談が寄せられる等、皆様のアマチュア無線に対する熱意に支えられ、盛会裏のうちに閉会式を迎えることができました。

 参加者の皆様からは、ぜひ来年以降も定着した行事として開催して欲しいとの要望も多数いただくことができ、JARL神奈川県支部では、現役の皆様にFBなハムライフを楽しんでいただくことはもちろん、これからの時代を担う若い世代の方にハムの世界に入ってきていただけるような企画やカムバックハムへの支援などを積極的に推進する方針です。

 今後ともJARL神奈川県支部の行事に一人でも多くの方にご参加いただきますようお願いします。

(6月2日)




   
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