January 2010 NEWS TOPICS INFORMATION


青森県八戸市立湊中学校の生徒が野口宇宙飛行士との交信に成功

 2010年1月22日(金)18:18〜18:27(JST)において、青森県八戸市立湊中学校の生徒と、野口聡一宇宙飛行士による、ARISSスクールコンタクトが成功しました。
 このスクールコンタクトは、東北地方では2例目(国内で39例目)で、野口宇宙飛行士によるスクールコンタクトの実施は初めてとなります。
 今回のスクールコンタクトのとりまとめをおこなった、JA7BLS田端大資さんから、当日のレポートをいただきましたのでご紹介しましょう。

☆     ☆

 会場には、生徒、来賓、PTA、教職員、報道関係など約550名のオーディエンスが見守る中でおこなわれました。交信予定時間の10分くらい前になり、モービル局の交信信号が入り始めました。そこでブレークインして詳細に事情説明し、お願いしたところQSYしていただき事なきをえました。

 予定時刻になり、こちら(臨時に開設した社団局は8J7MJH)からの2回目コールで野口宇宙飛行士からのシグナルがフルスケールで強力に入ってきました。そこで、シグナルレポート交換して生徒にマイクを渡しました。
 途中、別のモービル局の混信が発生しましたが、アンテナが回転しサイドカットしたことにより、生徒18名全員の交信を成功することができました。
 最後の生徒の質問が終わったところで、1分ほど時間の余裕がありましたので、会場の生徒たちに新年のメッセージをお願いしたところ、快く答えていただきました。また、今回のARISSスクールコンタクトは野口宇宙飛行士にとっても初QSOとのことでした。

 2006年8月25日に実施された宮城県仙台市立吉成中学校(8J7YJH、東北地方第1例目、国内22例目)のスクールコンタクトでは、妨害電波が発生したこともあって、今回は、東北総合通信監理局と八戸警察署のパトカーによる、物々しい監視下のもとによるスクールコンタクトとなりましたが、おかげさまで無事に交信成功しましたことを感謝申し上げます。

 また、今回は無線機用電源にJA7RKB十文字正憲OM(元八戸工業大教授)の開発した、太陽ソーラ発電装置を使用しました。ISS局とARISS局共にソーラエコ電力によるはじめての交信になったことを記して報告致します。

(レポート:JA7BLS田端大資さん)

(1月24日)



ハイチ共和国大地震におけるHF帯を使用した非常通信が終了

 1月12日にハイチ共和国で発生した大地震において、同国では3.8/7/14MHz帯の周波数を非常通信に使用していましたが、IARU Region2は(国際アマチュア無線連合第2地域)は、1月24日付けで、HF帯の各バンドにおけるハイチ共和国での非常通信の終了を発表しました。

 発表中でIARU Region2非常通信コーディネーターのセザールピオ・サントス博士(HR2P)は「ご協力をいただいた世界のアマチュア無線家の皆様方、世界の連盟の皆様方に感謝いたします」としています。

(1月24日)



日本無線協会が平成22年度のアマチュア無線技士国家試験開催日程を発表

 日本無線協会は平成22年度のアマチュア無線技士国家試験の開催日程を発表しました。

【第一級・第二級アマチュア無線技士】
 第一級・第二級アマチュア無線技士の国家試験は次の日程で開催されます。

  • 4月期
    受験受付期間:2月1日〜22日(インターネットでの受付は20日まで)
    試験日(点字の試験を含む)
     第一級:4月10日(土)、第二級:4月11日(日)
  • 8月期
    受験受付期間:6月1日〜21日(インターネットでの受付は20日まで)
    試験日(点字の試験を含む)
     第一級:8月29日(日)、第二級:8月28日(土)
  • 12月期
    受験受付期間:10月1日〜20日
    試験日(点字の試験を含む)
     第一級:12月11日(土)、第二級:12月12日(日)

 試験地は各期とも、東京都、札幌市、仙台市、長野市、金沢市、名古屋市、大阪市、広島市、松山市、熊本市および那覇市で、試験会場は受験票送付の際に通知されます。

 なお、4月期の第1級・第2級国家試験の申請書受付期間は、前記のとおり、2月1日〜22日ですので、4月期の受験を予定されている方は、受験申請書の提出忘れのないようにご注意ください。

日本無線協会が発表している第一級・第二級の日程表(PDF形式)

【第三級・第四級アマチュア無線技士】

 第三級・第四級アマチュア無線技士の国家試験は、東京・宇都宮・札幌・仙台・青森・長野・新潟・金沢・名古屋・静岡・大阪・広島・松江・岡山・松山・高松・熊本・鹿児島・福岡・大分・長崎・北九州および那覇の試験地で開催され、試験会場は受験票送付の際に通知されます。

 なお、札幌・長野・金沢・名古屋・大阪の各試験地で4月に開催の第三級・第四級の国家試験の受験を予定されている方は、受験受付期間が、2月1日〜22日となりますので、各試験地開催の4月の国家試験の受験を予定されている方は、受験申請書の提出忘れのないようにご注意ください。

【第三級・第四級、当日受付即日結果発表の国家試験について】
■本部(東京)会場での当日受付国家試験開催日

 東京(本部会場)では、毎月の第3日曜日に当日受付による試験をおこないます。
 この当日受付試験では事前の予約や、受験申請書受付等はおこないませんのでご注意ください。

 なお例年8月は、ハムフェアの開催に合わせて東京ビッグサイト会議棟で、当日受付即日結果発表の臨時国家試験を実施していましたが、今年は、東京ビッグサイト会議棟の工事の都合で中止となり、ハムフェア前の日曜日の8月15日に、日本無線協会本部(東京都中央区晴海)で実施となりますのでご注意ください。

○試験開催日
平成22年4月18日、5月16日、6月20日、7月18日、8月15日、9月19日、10月17日、11月21日、12月19日、平成23年1月16日、2月20日、3月20日

■大阪府池田市で開催の第三級・第四級アマチュア無線技士臨時国家試験
 第15回関西アマチュア無線フェスティバル(池田市)の開催に併せて、7月17日に第四級、18日に第三級の臨時国家試験が大阪府池田市の池田市立カルチャープラザ(大阪府池田市天神1-9-3)で実施されます。

日本無線協会が発表している第三級・第四級の日程表(PDF形式)
 平成21年度分に加えて平成22年度分が追加になっていますのでご参照ください。

(1月22日)

「詳細」


青少年の科学への興味を引き出すことを目標とした
 各種学会等との連携・合同活動
 第2回「おもしろ科学教室」にイベント協力(東海地方本部)


▲東海地方本部の「キツネ(電波)を探せ!FOXハンティング」に参加したご家族と運営スタッフのみなさん。撮りますよ!ハィッ!ポーズ

 国立大学法人名古屋大学東山キャンパス(名古屋市千種区不老町)内「IB電子情報館」大講義室で、平成22年1月11日、第2回「おもしろ科学教室」が開催されました。
 2009年の第1回に参加した多くの子供たちや保護者から「毎年このようなイベントをやって欲しい」という要望が「おもしろ科学教室」事務局に多数寄せられたことから、2回目の開催の運びとなりました。

 この「おもしろ科学教室」は、応用物理学会東海支部、 電気学会東海支部、 電子情報通信学会東海支部、 日本アマチュア無線連盟東海地方本部、 日本赤外線学会、 日本物理学会名古屋支部、 プラズマ・核融合学会、 日本弁理士会東海支部、 NPO法人アスクネット、名古屋大学、 愛知県の主催、 JSTイノベーションプラザ東海の共催、中日新聞社、 NHK名古屋放送局の後援で、「日本の次世代科学技術を担う青少年の科学啓発のための学協会等連携による地域社会を対象とした科学技術理解増進を趣旨」として開催されたものです。

 「青少年の科学への興味を引き出すことを目標とした各種学会」や「大学」「自治体」、そしてJARLほかの関連団体の連携・合同計画による「一般青少年に向けての体験型科学啓発イベント」は、大変貴重な実施の例の一つと位置づけられます。

▲左は各団体のイベントに先立っておこなわれた講演会場のようす。中央は開会の挨拶をする高井吉明教授。右は、「博士と一緒に学ぼう!生きものと“いでんし”」の講演を担当した美宅成樹教授

●参加各団体の展示イベントもレベルアップ

 2009年の第1回は名古屋大学出身の3名の研究者のノーベル賞受賞を記念したテーマイベントとして開催され、テーマイベントの一部に各団体のイベントを盛り込んだスタイルで運営がおこなわれていましたが、第2回目となる今回は、参加各団体の「科学に関する展示や理科工作(ゲーム)」をイベント全体の核に据えた形で開催されました。
 参加各団体の展示は、2009年の第1回と比べてレベルアップした、かなり作り込まれたものも見られ、どの団体のブースも前回にも増して来場の子供たちの大人気を集めていたようです。

▲参加団体のブース展示は初回の第1回の時に比べると、より磨きがかかったものが数多く見られた

●アマチュア無線のブースは今年も「モールス符号で遊ぼう」が大人気!

 JARL東海地方本部の展示ブースは、第1回と同様「モールス符号で遊ぼう」に子供たちの行列ができました(写真右)。

 モールス符号の概念は子供たちにとってもわかりやすく、またその場ですぐ体験できることが、毎回人気を集めている理由なのでしょう。コーナーでモールス符号を体験した子供たちの中には「もう1回やってみよっ!」と、嬉しそうに何回も行列を並び直し、数回にわたって体験を楽しむ子供たちや、初めての体験でアッ!という間にモールス符号を覚えてしまった女の子も見られたようです。

 子供たち曰く「特に数字の符号なんか簡単じゃん!すぐ覚えられるよ」とのこと……まさに「ちびっ子パワー恐るべし!」と言ったところです。

●ますます充実した各団体のメイン催事

 メイン催事ですが、事前に申し込みのあった子供たちが理科工作などに挑戦しました。熱心に工作に取り組む子供たちの姿が印象的でした。

 さてJARL東海地方本部は、参加各団体のメイン催事が工作を主体としていることから、第1回と同様、工作ではなくゲーム感覚で電波を体験できる「FMラジオを使ったFOXハンティングと特定小電力トランシーバーを使った交信体験」を実施しました。
 第1回は「カラス」や「ニワトリ」などのユニークな音を送信する3つのFOX(FM微弱電波送信機)を探すルールでしたが、今回はFOXがナント!8台に増えて、よりゲーム性の高い形での実施となりました。
 FMラジオを片手にFOXを探して元気に駆け回る子供たちの間からは、競技中にも「ムッチャおもしろい!」という言葉も聞くことができました。

 一方、特定小電力トランシーバーによる交信体験では、新たな教材として「LED、ダイオードとコイルで作る「電波を目で見てみよう!簡単電波チェッカー」を参加者人数分用意して解説し、子供たちの関心を集めました。この簡単電波チェッカーは、科学技術館で毎年開催される「青少年のための科学の祭典全国大会」に出展している東京都支部が、工作教材の一つとしているものと同様のものです。

▲FOXハンティングのようす。イベント終了後に参加した子供たち全員に修了証が手渡された。

 なお東海地方本部のこのイベントに参加した、42名の子供たちへのアンケートの結果は良好で、参加者のうち39名が「おもしろかった」と回答しており、うち3名が「アマチュア無線の免許を取りたい」と答えています。

★       ★

 おもしろ科学教室の代表責任者の高井吉明教授(応用物理学会東海支部評議員、名古屋大学)は第2回の大成功について、

 『このおもしろ科学教室は、特に明確な組織によって定常的に運営されているものではなく、実施日の成人の日より2ヶ月ほど前から科学啓発活動、科学技術理解増進という「志しを同じくする諸団体」がその開催に向け協力しあう体制が形作られ、開催後はまた、それぞれの団体の活動に戻るという、緩い連携のもと実施されるものです。
 その特徴は「単に学会だけではなく、いろいろな団体が、それぞれ得意な分野で能力を発揮し実施する」という仕組みになっていて、このおもしろ科学教室への参加は全く自由であること、運営についても資金援助、人的派遣など可能な団体が可能な範囲でおこなうことなどです。
 まだ2回目ですが、冬の時期に開催するこの種の工作教室が少ないこと、小学校1・2年生の低学年生徒も対象としていることなどもあり、今回も一般家庭の反響は大きく,募集開始から2日ほどで定員が一杯になるほどでした。
 科学技術の継承・発展には人材の育成が不可欠です。ぜひ、今後も継続して行きたいと考えております』

 と語っており、今後も各団体の連携・協力を深め、イベントの輪が広がっていくことが期待できそうです。

 また、各地においてもこのような「JARLが催事のお手伝いができる協力の場」が、ぜひ大いに広がって欲しいものです。

(1月15日)



ハイチ共和国大地震に関するIARU Region3非常通信委員会からの依頼について

 IARU Region3(国際アマチュア無線連合第3地域)非常通信委員会のジム・リントン議長(VK3PC)から、1月12日にハイチ共和国で発生した大地震において、同国における非常通信の可能性と1月13日時点での現状、IARU第3地域のアマチュア無線家の皆様方に対する、現状に関する周知の依頼が届きましたのでお知らせします。

  1. 現在、国際アマチュア無線連合では、通信手段が途絶したハイチ共和国において非常通信に使用される可能性がある、3720kHzと7045kHzのモニターをおこなっている。
  2. IARU Region2(国際アマチュア無線連合第2地域)の非常通信コーディネーターのアーニー・コロ氏(CO2KK)からの報告では、近隣国の、ドミニカ共和国、プエルトリコ、ベネズエラ・ボリバル共和国のアマチュア無線家は7045kHzの聴取に協力している。
  3. ハイチ共和国に近隣するキューバ共和国においても、東部地域で地震に見舞われ、3.5/7/144MHz帯で非常通信がおこなわれた。
  4. ハイチ共和国在住のアマチュア無線家ジョン・エーノ氏(HH6JH)が、IARUの非常通信周波数として14300kHzを使用し待機している。またアメリカ・フロリダ州のウィリアム・スターリッジ氏(KI4MMZ)との緊急通信をおこなった。
  5. 救世軍チーム非常通信ネットワークが14265kHzの使用を開始している。

★      ★

 ニュース等でもハイチ共和国の大規模な被害状況が、報じられていますが、その現状の中でカリブ海周辺諸国においては、一部、非常通信に関する動きが見られていることから、日本のアマチュア無線家の皆様も、次の各周波数付近で非常通信への混信妨害等の影響を与えないよう十分に注意してください。

3720kHz、7045kHz、14265kHz、14300kHz

(1月14日)



総務省が2012年世界無線通信会議(WRC-12)に対する我が国の暫定見解に係る意見を募集

 総務省は、平成24年(2012年)1月23日(月)から同年2月17日(金)までの間、開催される予定の世界無線通信会議(WRC-12)の議題に対する「2012年世界無線通信会議(WRC-12)に向けた我が国の暫定見解」を策定し、この暫定見解について、平成22年1月13日(水)から同年2月12日(金)までの間、意見の募集をおこなっています。

 今回の「2012年世界無線通信会議(WRC-12)に対する我が国の暫定見解」の中で、アマチュア無線に関係する部分は、「議題1.23 415-526.5kHzにおけるアマチュア業務二次配分の検討」があります。

 なお、意見募集の詳細については、総務省の報道発表をご覧ください。

【総務省の報道発表】
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban10_000009.html

(1月13日)

「詳細」


新市・消滅郡情報… 愛知県あま市の誕生、埼玉県北埼玉郡・静岡県富士郡・新潟県北魚沼郡の消滅

 平成22年1月12日付けの官報告示で、次の新市の誕生および郡の消滅に関する告示がありました。

●愛知県あま市誕生
 愛知県海部郡内の3町(七宝町、美和町、甚目寺町)が平成22年3月22日付けで対等合併し、愛知県あま市が新設されます。
 新設となるあま市の市番号は2039となります。
 なお海部郡(郡番号20003)には大治町、蟹江町、飛島村の2町1村が残るため郡の消滅はありません。

●埼玉県北埼玉郡の消滅
 埼玉県加須市と北埼玉郡の全3町(騎西町、北川辺町、大利根町)を平成22年3月23日付けで対等合併し、加須市が新設されます。
 この合併に伴い、加須市の市番号(1310)には変更ありませんが、北埼玉郡(郡番号13005)は、平成22年3月22日をもって消滅郡となります。

●静岡県富士郡の消滅
 平成22年3月23日付けで、静岡県富士宮市に富士郡芝川町が編入合併されます。この合併に伴い富士宮市の市番号(1807)は変更ありませんが、全1町の富士郡(郡番号18013)は、平成22年3月22日付けで消滅郡となります。

●新潟県北魚沼郡の消滅
 平成22年3月31日付けで、新潟県長岡市に北魚沼郡川口町が編入合併されます。この合併に伴い長岡市の市番号(0802)は変更ありませんが、全1町の北魚沼郡(郡番号08003)は、平成22年3月30日付けで消滅郡となります。

★       ★

 平成22年01月12日付けの官報には、この他に3件の市町合併が告示されていますが、それらの合併にともなう、新市や消滅市郡はありません。

(1月13日)



「サバイバル・ウォーク」で、JA1RL 公開運用のお知らせ

 JA1RL(中央局)は、本年最初の運用として、「帰宅難民の会」主催の「第 16回サバイバル・ウォーク」のサポート運用を次のとおりおこないます。
 当日オペレートを希望される方は、無線従事者免許証とJARL会員証をご持参のうえ、JARL事務局1F資料室までお越しください。なお、オペレート希望者が多数の場合や運用周波数によっては、運用の希望 に添えないことがありますので、あらかじめご了承を願います。

  1. 日時:平成22年1月16日(土)08:00〜18:00(予定)
  2. 場所:東京都豊島区巣鴨1-14-5(社)日本アマチュア無線連盟1F資料室
  3. 周波数他:
    ・HF帯:13:00〜16:00CW、SSB、FM他
    ・V・UHF帯:08:00〜18:00CW、SSB、FM他
※ 当日は、運用周波数等の変更がありますので、あらかじめご了承願います。
【問合先】会員部運用課 電話:03-5395-3112 FAX:03-5395-3134 Mail:operアットマークjarl.or.jp (アットマークは@に読み替えてください)

(1月8日)



アマチュア衛星SEEDS、スペースデブリとの接触・衝突を無事回避
「SEEDS」

 1月7日17:02:30(JST)ごろ、SCC#16720の物体(1986年に打ち上げられたCOSMOS 1743衛星の打ち上げロケットの一部)との接触・衝突が懸念されていた、日本大学のアマチュア衛星SEEDSですが、同日20:01〜20:12のオービット#9166のパスでCWビーコンのシグナルが衛星管制局やアマチュア衛星通信愛好家の間でも受信でき、SEEDSがスペースデブリとの接触・衝突の危機から回避できたことが確認されました。

 SEEDSプロジェクトのリーダーの、日本大学航空宇宙工学科宮崎康行教授は、今回のSEEDSとスペースデブリとのニアミスについて、
 「このたびは、SEEDSのニアミスの件でご心配をおかけいたしましたが、昨日の夜のパスで、ビーコンテレメトリーを受信でき、アップリンクコマンドも通って、太陽電池の発生電力等も正常であることを確認いたしました。
 新年早々、皆様にはご心配をおかけいたしましたが、無事であることが確認でき、ほっとしております。また、おかげさまで、たくさんの方々に受信に協力いただき、本当に感謝しております。
 これからも、デジトーカの運用等で、多くの皆様に宇宙や無線通信技術に興味を持っていただければ幸いです。ありがとうございました」と語っています。

 打ち上げ当初は想像もできなかった難を乗り切ったSEEDSには、今後も末永くデジトーカの運用をはじめとして、宇宙からのメッセージを送り続けてほしいものです。

(1月8日)

「詳細」


平成22年4月1日、北海道に新JCGナンバー「雨竜(上川)JCG 01081」が誕生

 平成22年4月1日より、北海道の幌延町と幌加内町に関する事務を所管する総合出先機関が変更されます。

 天塩郡には、すでに天塩(留萌)と天塩(宗谷)の二種のJCG番号が付与されていましたが、現在の雨竜郡については、幌加内町が空知支庁から、4月1日に上川総合振興局に変わることから、雨竜(上川)として新たにJCGナンバーが付番されます。

 各郡の所管区域(町名)は次のとおりです。

【天塩郡】

  • 天塩(留萌)JCG 01045(変更なし)
     遠別町(えんべつちょう)
     天塩町(てしおちょう)
     幌延町(ほろのべちょう)………平成22年3月31日までこちらに所属しています
  • 天塩(宗谷)JCG 01046(変更なし)
     豊富町(とよとみちょう)
     幌延町(ほろのべちょう)………平成22年4月1日からこちらに移ります

【雨竜郡】

  • 雨竜(空知)JCG 01014(変更なし)
     妹背牛町(もせうしちょう)
     秩父別町(ちっぷべつちょう)
     雨竜町(うりゅうちょう)
     北竜町(ほくりゅうちょう)
     沼田町(ぬまたちょう)
     幌加内町(ほろかないちょう)………平成22年3月31日までこちらに所属しています
  • 雨竜(上川)JCG 01081(新番号)
     幌加内町(ほろかないちょう)………平成22年4月1日からこちらに移ります

(1月8日)

「詳細」


アマチュア衛星通信愛好者の方々にお願い…
 アマチュア衛星SEEDSの危機

「SEEDS」

 日本大学のSEEDS(CO-66)は2008年4月28日12:53に、インド南東部スリハリコタの Satish Dhawan Space Centre(SHAR=サティッシュ・ダワン宇宙センター)からPSLV-C9ロケット(Polar Satellite Launch Vehicle=極軌道衛星打上げ用ビークル)で打ち上げられた、CubeSatタイプのアマチュア衛星で、SEEDSには、CWビーコン、FMパケット(1200bps AFSK)によるテレメトリーデータ送信機能の他、JARLの「ふじ3号」(FO-29)と同様にデジトーカ機能が搭載され、日本大学航空宇宙工学科宮崎研究室内に開設された、衛星管制局からのコマンドで、各運用モードを切り替えて2010年1月現在も運用がおこなわれています。

 デジトーカはハンディートランシーバーや広帯域レシーバーなどの簡単な設備でも受信が体験できることから、管制局では「受信を通じて宇宙を手軽に体験できる体験型科学啓発ツール」としての側面を重視し、積極的なデジトーカの運用を続けてきました。

【SEEDSの危機!スペースデブリとニアミスか?】

「最接近直前のSEEDSとSCC#16720の位置」

 2010年1月5日、SEEDSプロジェクトのリーダーの宮崎康行教授から、JARL技術課あてに次のようなメールが届きました。

 「The United States Joint Space Operations Center(JSpOC)から、SEEDSとSCC#16720の物体(1986年に打ち上げられたCOSMOS1743衛星のロケットの一部)が、2010年1月7日にSEEDSにかなり接近し、衝突の可能性があるという連絡を受けました。

 実際にSEEDSと物体SCC#16720の軌道要素を入れて、自分たちでも計算してみたところ、確かに2010年1月7日08:02:30(UTC、日本時間では同日17:02:30)あたりでほとんど重なり、距離が数百mとなってしまいます。
 衝突する可能性があると言っても、可能性はそれほど高くないのかも知れません。しかし、宇宙空間上での出来事ですので、私たちにはどうすることもできませんし、ただ見守るしかないという状況です」

 という内容で、SEEDSとデブリとの衝突の可能性を示唆するものです(上の写真は宮崎研究室提供)。

 SEEDSは1月6日現在、CWビーコンの送信モードで動作しています。管制局では、X-dayとなる1月7日もCWビーコンモードでの継続運用を予定しています。

 SEEDSとデブリの最接近の地点は日本上空のウインドウ外であり、SEEDSの生存の確認は日本時間20:01〜20:12(東京上空の場合)のオービット#9166のパスまで待たなければなりません。

 日本大学宮崎研究室では、多くのアマチュア衛星通信愛好者の方々に向けて、「SEEDSの生存の確認のため、オービット#9166以降のパスでの受信に協力して欲しい」と呼びかけています。

【日本大学SEEDSのWebサイト】
http://cubesat.aero.cst.nihon-u.ac.jp/

【アマチュア衛星通信の通過時刻の計算(7M3TJZ安田 聖さん製作のWebサイト)】
http://predict.ariss.jp/overpass.html.ja

(1月6日)



   
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