2014全日本ARDF競技大会広島県福山市で開催される

 平成26年11月15日(土)・16日(日)の両日、2014全日本ARDF競技大会が広島県福山市で開催されました。 今年の全日本ARDF競技大会は、広島県福山市の中心部から南西へ9km、指定80周年を迎えた国立公園瀬戸内海に張り出した丘陵地にある、 ツネイシしまなみビレッジ周辺を競技エリアとして開催されました。 紅葉が始まり、秋晴れの素晴らしい天気に恵まれた2日間、選手はお互いの探査能力を競いました。

1 準備編

●引受に当たっての人事・人選
 中国地方での開催は「JARLメールマガジン第212号11/20配信」に記述のとおり3回目の全日本大会ですが少なくなった当時経験者と中国5県のチームワークをもって実行委員会を結成することを前中国地方岩本本部長のもとで決定しました。

●開催場所の選定
 さて次は中国5県で地方大会や県支部大会開催場所を参考に全日本大会にふさわしい2つの競技エリアがとれる場所を探しました。
 なかなか適当な地域がなく苦労しましたが、ふとしたキッカケで、広島県福山市にある「みろくの里」に、「ツネイシしまなみビレッジ」さんが3面のサッカーコートと宿泊用のロッジを新設していることをWebで知りました。実行委員の有志で、さっそく現場を視察にいきました。そこではARDFが20数年前にフォックステーリングと呼ばれたころに競技会開催したことがあって、フィールドには適当に起伏に富んでいて絶好の場所でした。宿泊施設に難があったのですが、そのことで現場を見て払拭されました。
 フィールドを下見した後、早々と宿泊の仮予約を取り、計画が一気に前進しました。


▲初日の受付のようす

▲TX班準備中。JH4TYE平野TX班長

▲開会式。JA7AIW山之内大会会長の開会挨拶

▲最高齢と最年少選手による選手宣誓

▲JK4VBZ高橋審判長によるルール説明

▲144MHz帯競技スタート

2 大会開催までにおこなったこと

●審判員と実行委員の組織づくり
 毎年のように開催している県支部大会や中国地方大会の、広島県や岡山県のメンバーを中心に山口県、島根県、鳥取県に数名の全国審判員を加えた50数名で結成しました。

●競技用地図の作成
 さっそく、該当の福山市役所に出向き都市計画用地図や、Webで検索できる地図をもとに現地を下見しました。2つの競技エリアの取れる地域を限定することはできましたが、地図の製作はなかなか素人ではできず困っていたら、高橋芳雄審判長の知人で「NishiPRO」の西村徳真さんがオリエンテーリング地図を手掛けていて、交渉の結果、依頼することにしました。

●その他
 また今大会からエキシビション競技をやめ、3.5MHz帯競技、144MHz帯競技とも本大会にする事を試みました。

3 1日目(11/15(土))144MHz帯競技

●ゴール場所と集計場所(大会本部)を離れて設定
 近年、TXの探索記録がパンチ(機械)からSIカード(IT)方式になり、ゴール地点と集計場所を違う地点に設定することが可能になりました。
 しかし全日本大会とはいえ、SIカード使用が初めてという競技者も散見されました。
 チェック機に確認音が聞こえるまで挿入して、競技を終え、集計場所にあるチェック機にもう一度通しデータを放出する必要があることなど、使用方法のていねいな説明が求められました。

●競技エリアは起伏に富んだ地形
 VHF帯にみられる電波の反射が適当にみられ、競技をおもしろくしました。

▲144MHz帯競技参加中の選手の皆さん

4 2日目(11/16(日))3.5MHz帯競技

●TXのトラブル発生
 新型(韓国製)TXは144と3.5MHzが1台にまとめられてコンパクトでよいのです。しかし、1日目を終えて内蔵バッテリーに充電したはずだったのですが、2台も電源オンにならず大変困りました。
 自称アマチュア無線熟知(!?)の技術屋さんの機転で、1台は予備機と交換し、もう1台は持ち合わせていた外部バッテリーにコード線を改造して接続急場をしのぎました。

●狩猟(猪狩り)解禁に出くわす
 あらかじめ情報をいろいろ地元の方々からも集めたつもりでしたが、結果的にそれが完全ではなく急遽、競技禁止区域を設けたために混乱し、選手のみなさんにご迷惑をかけてしまいました。

▲3.5MHz帯競技参加中の選手の皆さん

5 大会運営について

●省エネ運営
 ゼッケンを2日間使用の「紙に安全ピン」の使い捨てにしました。これまでは、JARL事務局で管理の布製ものを使用するのがほとんどでしたが、高いクリニーング代と送料が省けます。
 しかし、競技を棄権・終了するときはゼッケンを審判員へ渡すというルールが希薄になり、小さいトラブルの原因になりました。

●両日とも本大会にして気づいたこと
 2日間とも本大会とすることで、対抗用表彰のカップやトロフィーの扱い方が大きく変わりました。2日とも優勝チームが誕生しすることから、半年ずつで持ち回りする必要などが出てきました。

●ハイテクとローテクがARDFの醍醐味!!
 昨今、主催側はWeb上の地図やGPS機能を使い、TXの設置個所の工夫ができ、選手側は開催場所が発表になると予想されるエリアをPCでチェックが可能になっています。
 ARDFには「受信機も大会に集まったベテランに聞きながら改造を繰り返し、その成果を確かめる」というハイテク的な要素と、「最後は日頃から培った自分の体力と勘が大事になる」というローテク的な要素が見事に共存しているようです。
 そんなことを体験して魅力を感じる若者が増えているようで、ARDF参加者の方々の若返りも着実に進んでいますね。
 いやーあ、ARDFってなかなか楽しいですネ!!

2014全日本ARDF競技大会実行委員会
レポート :実行副委員長 JR4XEY 大崎二郎岡山県支部長



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