「あなたも帰りは、モールス仲間」

アマチュア無線フェスティバル
PHOTOレポート


▲発券所・入場ゲート前には開場前から開幕を待つ来場者の行列ができました。


▲左からアマチュア無線フェスティバル実行委員長JARL海江田専務理事、JAIA井上会長、JARL原会長、ティム・エランIARU副会長、マイケル・オーエンIARU Region3議長、ハン・チョン・フンKARL会長

 8月25日(土)、26日(日)、東京都江東区有明の東京ビッグサイト西2ホールで、ハムフェア2007が開催されました。

 今年のハムフェアには、IARU(国際アマチュア無線連合)第3地域理事の方々をはじめ、海外からの50名以上の来賓が訪れました(写真右)。

 初日、8月25日は開場前から、発券所、入場ゲート前に長い行列ができ、09:45から開催されたオープニングセレモニー、テープカットの後、開場後も後から後から来場者の行列が伸びて、ゲート前の行列はお昼過ぎまで絶えることなく続きました。
 クラブコーナーやビジネスコーナーは、久々のアイボールを楽しむ人、掘り出し物を探し求める人、さまざまな展示を見学する人などであふれて大変な人混みとなっていました。

 2日目の8月26日も、同様に開場前から入場ゲート前に行列ができ、開場後、大いに賑わいを見せていました。

 なおハムフェア2007の来場者数は、2日間でのべ30,000名(初日:18,000名、2日目:12,000名)でした。

 ハムフェア2007にご来場いただきましたみなさんありがとうございました。また、出展者のみなさんお疲れさまでした。
 JARLでは2008年もハムフェアを2008年8月23日・24日の2日間、東京ビッグサイト西2ホールで開催します。2008年も東京ビッグサイトでお会いしましょう!


モールス電信に関する
各種の展示や催事を実施

▲ブースでは約200名の来場者がモールス印字機による送信腕試しに挑戦!

 ハムフェア2007では、キャッチフレーズの「あなたも帰りは、モールス仲間」に合わせて、伝統の通信モードで、現在もアマチュア無線家の間で愛好者の多い「モールス電信」に関する各種の展示や催事をおこないました。
 ブースでは両日で、約200名の方々が印字機によるモールス送信の腕試しに挑戦されました。
 また、8月25日にはモールス電信技能認定の実技試験も実施されました。

注目を集めるD-STAR


▲自作D-STARアダプターの説明をする安田さん。

▲特別記念局8J1AでのD-STAR運用。

 アマチュア無線のデジタル通信システムである、D-STARへの関心が高まりつつあります。ハムフェア会場内でも、各所でD-STARに関する展示や催事がおこなわれていました。

 特別記念局8J1Aでも、両日1時間の時間を設けてD-STAR公開運用を実施しました。

 JARLコーナーのD-STARブースでは、D-STAR対応機以外の無線機に接続してD-STARのDVモードを運用できる「自作D-STARアダプター」の実演展示をおこないました。

 この「自作D-STARアダプター」は7M3TJZ安田さんが、実験・研究を経て製作に成功したもので、安田さんはさる8月3日には保証による免許申請で、このアダプターを接続した無線設備で、D-STAR DV(F7W)の免許を受けました。

 アダプターはアイコムのD-STAR対応ハンディー機用オプションユニット「UT-118」を部品として使用し、PICによる制御をおこなうものです。
 D-STAR対応機以外の手持ちの無線機に接続してD-STAR DVにオンエアーできるアダプターは、兼ねてからその登場が待ち望まれていました。

 ブースを訪れてくださった来場者の方々には、この自作D-STARアダプターに大変興味を持つ方が多かったようで、アダプターを製作された安田さんに熱心に質問をしているようすが、頻繁に見られました。

 なお、JARL NEWS2007年秋号(2007年10月1日発行予定)では、安田さんが製作された「自作D-STARアダプター」の詳細に関する技術記事を紹介する予定です。


▲自作D-STARアダプターの内部。中央に位置する基板ユニットがUT-118で、D-STARのAMBEコーディックを変復調する重要な部品です。

▲自作D-STARアダプターを接続したシステム。左の液晶ディスプレイが付いた基板は、PICマイコンを使ったコントロールユニットです。

特別記念局8J1A


▲海外からの来賓の方々の前で、ハムフェア会場での1st QSOをする原会長

▲ハムフェア会場での記念局運用のようす。

 ハムフェア2007特別記念局8J1Aの運用は東京都支部の協力で8月1日より開始され、ハムフェア会期前には、東京・巣鴨のJARL事務局資料室ほか、東京都足立区、稲城市、墨田区、青梅市で移動による運用もおこなわれました。

 8月25日・26日の両日お昼はハムフェア会場内(東京都江東区有明)で、24日・25日の両日夜間には、東京都中央区での移動による運用がおこなわれました。

DXCCデスクはノーム・フサロさん(W3IZ)が申請受付を実施


▲DXCCデスクは切れ目なく申請者が列を作った。

▲カードチェックをするノーム・フサロさん(左)

 今年はARRL(アメリカのアマチュア無線連盟)からW3IZノーム・フサロさんが来日し、DXCC申請の受付をおこないました。
 また、フサロさんの協力でハムフェア開催前の8月23日・24日も、東京・巣鴨のJARDハム教室で、DXCCの申請受付を実施しました。

 英会話が不得意な人にも、聞きやすい英語で気さくに語りかけてくるフサロさんは、時折ジョークも交えながら、大変手際よくカードチェックを進めていました。

 なおフサロさんを迎えた今回は、過去最も多い276件のDXCC申請を受け付けることができました。

親子連れで大にぎわいだった
「電気の散歩道」「工作教室」

▲▼工作教室では熱心に製作に取り組む子供たちが多数

 ハムフェア2007は、例年と比べて親子連れの方々の来場がかなり多く目立ちました。
 身近な素材で電気の不思議が体験できる「電気の散歩道」(
写真下)には、元気な子供たちの声が響き渡り、「工作教室」(写真上)では楽しい教材の製作に熱心に取り組む子供たち、そして見守る保護者の方々の姿が多数見られました。

 「工作教室」は昨年まで、教材の作品難易度が非常に高くなっていたことから、会場にご来場いただく子供たちに、手軽に楽しんでいただくために、今年は教材を「IC高感度ラジオ」「ICぴかぴかペンダント」「電波チェッカー」「オリジナルモールス練習機」(リンクの資料はすべてPDF型式)の4教材に絞って、来場のできるだけ多くの子供たちに楽しんでいただくことにしましたが、会場に準備したキットは両日とも午後早々には完売、キットの購入者の多くは親子連れで、多くの子供たちがブース内で完成させ、大喜びで持ち帰ったようです。

 25日に開催の表彰式(ALL ASIAN DXコンテスト、自作品コンテスト、絵画コンクール)に出席のため、ハムフェア2007会場を訪れた、渡辺克也総務省総合通信基盤局電波部移動通信課長は、
「昨今、子供たちの理科離れ・技術離れの傾向が強く叫ばれていますが、この会場で電気や電波に関する興味深い実験などを見学・体験させていただいて、新たな興味を抱くことができました。アマチュア無線家の皆様方におかれましては、子供たちの科学・技術的な興味を引き出すために、より一層のご尽力をお願いしたいと考えております」と語っています。

▲▼電気の散歩道コーナーでは身近な素材で楽しむ実験に興味津々

無線関連機器メーカー

 JAIAコーナー、ビジネスコーナーに出展された、無線関連機器メーカーのブースには、各社自慢の製品が多数展示され、また新製品などの出展も見られたことから、来場者の注目を集めていました。




大好評のうち終了
イベント
コーナー

 イベントコーナーは、次のような楽しい役立つ講演等で大好評でした。
 好評の講演の中でも、25日12:00からおこなわれた「8N1EME運用報告」の講演は、イベントコーナーの周りに立ち見の人垣ができるほどの盛況ぶりでした。

8月25日(土)

8月26日(日)

 「がんばってます!我ら平成生まれハム」

 進行:JI1TJJ石谷優行さん(左)、講演:JE1LIB井上耀仁さん(中)、7N4XAN藤田佳祐さん(右)

 「D-STARを始めよう」

 日本D-STARユーザー会
 7L1FFN/2 磯 直行さん

 “Project BIG-DISH”
 アマチュアの壮大な夢を追って
 8N1EME報告
 Project BIG-DISH
 代表 JH1KRC渡辺美千明さん
 事務局 JM1GSH根本浩次さん

 「これまでのARISSスクールコンタクトを
 振り返って −更なる飛躍に向けて−」

 7M3TJZ安田 聖さん

 「始めよう! モールス通信」

 
メインプレゼンター:JA3LZC加賀谷洋一さん
 ほかA1クラブメンバー

 「アマチュア無線活動とLoTW」

 
ARRL会員部長補佐 W3IZノーム・フサロさん
 通訳:JE2EHP堤 善昭さん

 【JAIAタイム】
 「無線クイズとじゃんけんぽんゲーム パート1」

 
JAIA技術委員会

 【JAIAタイム】
 「無線クイズとじゃんけんぽんゲーム パート2」

 
JAIA普及推進委員会

 表彰式
 ・自作品コンテスト
 ・絵画コンクール
 ・ALL ASIAN DXコンテスト
 総務省・JARL

※写真は絵画コンクール最優秀賞(総務大臣表彰)の賞状を受ける五月女美由紀さん


 表彰式
 関東UHFコンテスト


 JARL関東地方本部

※写真は電信部門マルチバンド1位の賞状を受けるJA1COP佐々木さん

アイボール30アワード
483件発行!

▲今年もアイボール30アワードを発行!両日で483件発行しました。写真右は、アイボール30アワード参加者のリクエストでログにコールサインを記入する原会長

 ハムフェアの特別催事の一つとして、昨年のハムフェア2006で好評を集めた、「ハムフェアアイボール30アワード」の発行をおこないました。今年のアイボール30アワードのデザインは、2月〜3月に、8N1EMEの月面反射通信実験が実施された、KDDI茨城衛星通信センターの32mカセグレン・アンテナIBA-4の勇姿です。両日で483件の申請がありました。

自作品コンテスト
絵画コンクール作品展示


▲絵画コンクール入賞作品展示

▲自作品コンテスト入賞作品展示

 自作品コンテストには、規定部門および自由部門に、個性あふれる25作品の応募がありました。
 また絵画コンクールには、3才のお子さんから高校3年生まで、あわせて129作品が寄せられました。ハムフェア2007会場では、自作品コンテスト、絵画コンクールの入賞作品を展示しましたが、来場者の方々は熱心に各作品をご覧になっていたようです。

 なお、25日にはイベントコーナーで表彰式をおこないました(今年はALL ASIAN DXコンテスト表彰も併せて実施)。入賞者のみなさん、おめでとうございます。
 また、今回惜しくも選にもれた方は、ぜひ来年の入賞を目指してがんばってください。


▲ALL ASIAN DXコンテスト、自作品コンテスト、絵画コンクール入賞者のみなさん。

クラブコーナー
ハムショップ(ビジネスコーナー)

▲クラブブース、ハムショップ、パーツショップブースは多くの来場者でいっぱい

 冒頭でも紹介しましたとおり、クラブコーナーは両日とも、大変なにぎわいでした。

 通路は人混みであふれ、久々のアイボールを楽しむ人たちや、さまざまな展示や催事を楽しむ人たち、お買い物を楽しむ人たちなどでいっぱいでした。

 特に初日の人混みは特筆もので、開場から閉館時刻間近まで、人混みが絶えることはありませんでした。

 また、ビジネスコーナーに出展のハムショップやパーツショップのブース付近も同様で、掘り出し物やハムフェア特価品などを探し求める来場者の熱気がいっぱいでした。

アイボールQSOパーティー
▲アイボールQSOパーティーのひとこま ▲HL2AGGハン・チョン・フンKARL会長から、JARLあてに記念品が贈呈された

 8月25日17:30、東京ビッグサイト西展示棟正面のニュートーキョーに、180名の出席者を集めて毎年恒例のアイボールQSOパーティーが開催されました。
 パーティーは原会長の開会挨拶、渡辺克也総務省総合通信基盤局電波部移動通信課長の祝辞、HL2AGGハン・チョン・フンKARL会長からの記念品贈呈、JAIA(日本アマチュア無線機器工業会)井上徳造会長の乾杯の音頭でスタートしました。

 祝辞の中で、渡辺移動通信課長は「総務省では現在、3.8MHz帯のアマチュアバンド拡大に向けて準備を進めています。現在も、他の業務での活用がおこなわれていることもあり、周波数の範囲など、具体的な点までをお話しできる段階ではありませんが、総務省としては現在の3.8MHz帯のアマチュアバンドが運用人口に対して手狭であるということを十分に認識しております。実情を踏まえて速やかに対応してまいる所存です。また、アマチュア無線家の皆様には理科離れが叫ばれている子供たちの科学への興味を引き出す取り組みに今後ぜひ尽力いただきたい」と語っています。

 開会、歓談の後、海外からの来賓の紹介がおこなわれ、JA1AYO丹羽一夫副会長の中締めで、アイボールQSOパーティーは盛会のうちに幕を閉じました。


▲開会挨拶をする原会長

▲祝辞を述べる渡辺移動通信課長

▲乾杯の音頭をとるJAIA井上会長

▲祝辞を述べるVE6SHティム・エランIARU副会長

▲VK3KIマイケル・オーエンIARU R3議長ご夫妻

▲W3IZノーム・フサロARRL会員部長補佐

▲CRSAからの記念品を手渡すBG1DOリュー・タオさん

▲9V1JNジョティーSART副会長

▲中締めをするJA1AYO丹羽副会長

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