JARL CONTEST REVIEW
CONTEST REVIEW 2002 ALL JA

技術や設備の差が現れるスリリングなコンディションだった今年のALL JA

JARLコンテスト委員会
日本で最大級のコンテストであるALL JAコンテストが今年も4/28〜29の日程 で開催されました。今年は日曜の夜から祝日の月曜夜までの開催となり,3連休 の後半に行われるスケジュールでした。土曜日に準備作業が出来た局には参加が し易かったのではないかと思われます。天候的にもひどく荒れたところはなかっ たようで,移動運用も問題が少なかったと思われます。

コンディションの方は,ローバンドは比較的安定していたようですが、,ハイバ ンドの開け方は限定的なもので,散発的なオープンのタイミングを捉えたり, スキャッター方向を探らなくてはならず,簡単に楽しめる感じではなかったよう でした。しかし,逆にこういうコンディションの時のマルチの集め方やQSYの仕 方などに,日頃のコンディション把握や設備・運用技術が差となって現れてくる ので,競技的にはスリリングであったとも言えるでしょう。

ルール改定の効果はいかに

今年から一部規約が改正され,電話部門が創設されました。今まで4アマの方 は,電信が出られないのに電信電話部門にエントリーするしかありませんでした。 電力,モード,バンド(14MHzを含まない)で,差が出ない同じ土俵で競技するこ とができるようになりました。今回の電話部門の参加局数は,344局(電信部門 は654局,電信電話部門991局)でした。初回にしては一定数の参加局数があった と言えますが,今後より一層告知PRを行うことで今までコンテストに参加したこ とがない4アマ局にも参加いただけるようになればよいなと考えています。

また今回から表彰の仕方が,電力別部門を残しつつも,総合的な順位が表せる ようにHMP・MPでの表彰が行われるようになりました。このことにより,電力別 部門が導入されるまでの表彰に近い形となり,例えば、電力的に有利なHの局が Mの局より低い得点で優勝するということはなくなりました。

このコンテストからコンテストドナー及びコンテストアワードが始まりま した。ドナーによる表彰者には楯が贈られます。コンテストアワードの申請者 には入賞局と同じ賞状用紙にアワード名が印字されて,贈られます。

このような規約改正等が行われましたが,参加局数が大幅に増えたというとこ ろまでは至っておりません。規約などが変わったからコンテストに参加する,と いう人は元々コンテストに興味のあった一部の方に限られるようです。コンテス トに参加されている方は,ローカルや知り合いにコンテストの参加を呼びかけて いただけたらと思います。

新設された電話部門,やはり10Wは厳しいか

電話部門が新設されたことで,この部門に興味持たれて参加された上級局も多 かったようです。もちろん上級局であっても,規約通りに参加されればOKですし 歓迎です。10Wが意外と飛ぶのか,飛ばないと感じるのかは、バンドにより異な るようです。やはりローバンドでの電話10Wはキビシイ感じであったようです。 21MHzでは九州沖縄の局が上位になっています。特に21MHzの1位のJS6QKIが 440QSOで,電話部門の最高QSO数でした。28MHzは今回Esがほとんど開かなかった ようでした。

50MHzは移動局が高QSO数を上げています。この部門は,じっくり呼びまわって QSOを積み上げることが必要のようです。自分なりの目標を立てて,ANT系を整備 したり移動運用をするなどで,入賞の可能性も出てくるようです。

根強い人気の電信部門

電信部門はやはり根強い人気があるようで,参加局数も多いです。今回はハ イバンドの開け具合が今ひとつであったこともあり,1エリア近辺が比較的順位 を上げたようです。マルチバンドではJG1ILFが50MHzを含めてバランスよくマ ルチを稼いで1位となりました。ローバンドでは1エリア及び中日本が上位を占め ましたが,一つ頭抜けて1位になる局は運用方法などに長じたところがあるのだ と思われます。14MHzは近距離まで十分開かず,4,6,7,8エリア局が上位になった ようです。21,28MHzはグランドウェーブでのQSOができる1エリア近辺が上位にな りました。50MHzは微妙なオープンを捉えた局はマルチを取れたようですが, やはりグランドウェーブが主体であったようです。

マルチオペではJK6SEWが高得点を上げました。

電信電話部門は7MHzと50MHzがカギ

電信電話部門は,最も参加者数が多い部門です。ハイバンドがあまり開かない ため,7MHzを主力に各バンドまんべんなくマルチを取れた局が上位になったよう です。今回はさらに50MHzが使える局が順位を上げたようです。マルチバンドで はJH4UYBが抜群の局数・マルチ数で1位となりました。

7MHzで1000QSOオーバーのJF2FSMを除いて,3.5〜14MHzの上位はMパワー局が ほとんどです。14〜21MHzでは5,6,7エリア局が上位になりました。28MHzはグ ランドウェーブ主体だったようです。50MHzはスキャッターを捉えた局が上位と なりました。マルチオペではJA1ZLOが1位となりました。2波ではJH4UHWが高得 点を上げました。

それぞれの環境で,楽しみながら,局のハード・ソフトを向上させていくのが アマチュアらしいコンテストの参加の仕方だと思います。コンテストアワードで AJDや100QSO等を目標にするなど,今後ともコンテストをお楽しみください。


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