アマチュア衛星
「ふじ3号」
運用情報
(社)日本アマチュア無線連盟
 技術研究所

■ふじ3号(FO-29)の現状(2010年01月29日)■

 「ふじ3号」(FO-29)は2009年11月上旬にバッテリーの充電が正常にできていない現象等が確認されたことから、連続運用を中止し運用計画を作成したスケジュール運用おこなってまいりました。

 管制局からは1月27日11:33(UTC)に確認試験のため、JTA(アナログ中継器)ONのコマンドを送信し、その後、コマンド操作をおこなっておりませんが、JH1EKH/1、JR8LWY、VK5HIの各局から「ふじ3号が動いている!」とのレポートをいただいており、1月27日にアナログ中継器をONにしてから、連続で動いていた可能性があります。

 日陰率の減少により電力収支が改善されたものと考えられ、アナログ系中継器が運用を継続している模様ですが、「ふじ3号」の動作の現状をさらに正確に把握する必要があることから、27日11:33以降、28日19:20 までのテレメトリーや動作状態に関する情報をお持ちの方がおられましたら、JARL技術課まで一報をお願いいたします。

 また「ふじ3号」は一定の電力を下回るとUVCにより送信機が自動的にOFFになりますが、万一OFFになった瞬間を確認された方は、その日時を技術課までお知らせくださいますようお願いいたします。

 なお、運用中の「ふじ3号」のアナログ系中継器の利用は特に制限しませんが、適正な電力でのアップリンクをお願いいたします。

【JARL技術課】lab(アットマーク)jarl.or.jp
※上記E-mailアドレスは、スパムメール防止のため「@」を(アットマーク)と表記しています。

(2010年1月29日)


■ふじ3号(FO-29)の現状(2010年01月13日までのお知らせ)■

 「ふじ3号」は、食の期間が終了する2010年1月から2月にかけて日陰率が急激に変化しますが、現状では充放電制御回路に不具合が発生しているため連続運用の可能性は低いと思われます。

 しかし2年ほど前のような自然治癒の可能性もありますので、暫定的な運用計画を作成して運用をおこないます。

 電力収支に余裕が出てきた場合には運用計画を見直しします。運用は下記の日時に送信機をONにしてUVCでOFFになるまでです。

【2010年1月】16日21:00〜、22日22:33〜、24日10:35〜、29日21:25〜、31日09:30〜
【2010年2月】5日22:00〜、7日10:00〜、11日11:40〜、12日20:53〜、14日10:40〜
※日時はUTCを使用していますので、日本時間に換算する場合は9時間プラスしてください。
 アナログ系中継器の利用は制限しませんが、適正な電力でのアップリンクをお願いいたします。試験運用の状況によっては翌日の運用を中止することもあります。

(2010年1月13日)


■ふじ3号(FO-29)の現状(2009年12月31日までのお知らせ)■

 「ふじ3号」は11月上旬にバッテリーの充電が正常にできていない現象等が確認されたことから、現在、平常のスケジュール運用を中止しています。

 管制運用時テレメトリーから11月8日現在確認している不具合内容は次のとおりです。

  1. アナログデータの一部CWテレメトリーデータに不具合
      5A バス電圧
      5C 構体温度1
      5D 構体温度2
      6A 構体温度3
      6B 構体温度4
      6C バッテリ温度
     二桁目がFの場合はBに読み替え、Eの場合はAに読み替えることにより対応。
  2. コマンド誤動作(散発的に発生)
  3. 充電電流切り替えスイッチ(トリクル充電は問題なし)
  4. 電力制御部の誤動作(PCUが勝手に切り替わる)
 上記4に関しては、上記1と同様にテレメトリーに問題がある可能性もありますが、現時点で は切り分けができていません。

●コマンド機能・電源制御部の確認試験を実施(11月27日〜12月26日)  (テレメトリーデータの受信にご協力ください)

 11月27日より定期的な運用をおこないます。初日は試験運用で約5分間程度アナログ系中継器をオンにしてコマンド機能の確認と電力収支の確認を行います。翌日は、送信機をオンししたままにしてUVCの動作により送信機が止まるまでの運用とします。

    【11月27日】21:12〜21:17 試験運用
    【11月28日】22:02〜
    【12月4日】21:50〜21:55 試験運用
    【12月5日】22:40〜
    【12月11日】22:25〜22:30 試験運用
    【12月12日】21:30〜
    【12月18日】21:15〜21:20 試験運用
    【12月19日】22:05〜
    【12月22日】22:52〜
    【12月25日】21:52〜21:57 試験運用
    【12月26日】22:42〜

 日時はUTCを使用していますので、日本時間に換算する場合は9時間プラスしてください。
 試験運用期間のアナログ系中継器の利用は制限しませんが、適正な電力でのアップリンクをお願いいたします。試験運用の状況によっては翌日の運用を中止することもあります。

●コマンド機能・電源制御部の確認試験を実施(11月20日・21日)
 (テレメトリーデータの受信にご協力ください)

 衛星の現況を確認するために、11月20日と21日にコマンド機能と電源系制御部の確認試験をおこないます。 スケジュールは下記の通りですが、試験時の中継器の使用はお控えいただき、テレメトリーデータの受信に ご協力いただきますようお願いいたします

 なお、22日は短時間ですがアナログ系運用をおこないますのでご活用ください!

    【11月20日】22:23〜22:30 コマンド試験
    【11月21日】21:28〜21:35 コマンド試験
    【11月22日】22:17〜22:27 アナログ系運用

●コマンド機能・電源制御部の確認試験を実施(11月13日・14日)
 (テレメトリーデータの受信にご協力ください)

 衛星の現況をさらに細かく確認するために11月13日・14日の両日、コマンド 機能と電源系制御部の確認試験をおこないます。スケジュール(UTC)は下記の通り ですが、試験時の中継器の使用はお控えいただき、テレメトリーデータの受信に ご協力いただきますようお願いいたします

【11月13日】21:46〜21:51、23:35〜23:40、【11月14日】20:53〜20:58、22:34〜22:39


■ふじ3号(FO-29)の現状(2009年10月13日)■

 「ふじ3号」の10月上旬の運用において、管制局からの中継器ONのコマンド数分間後の、日本上空のパス上で中継器が停止してしまう現象が確認されました。

 9月中は日本上空での中継器ONの後、ブラジルやヨーロッパ上空まで中継器がONになっていることが確認されていましたが、現在の「ふじ3号」の電力事情は想像以上に深刻な状態にあり、現在の日照時の太陽電池の電力発生量では電力収支がまかなえない状態になっているものと推定されます。

 劣化のあるバッテリーの保護し電力収支を確保することが、これまで以上に大切であることから、衛星管制室では2010年1月に全日照の期間を迎えるまでの間、「原則平日の運用を中止し、土曜または日曜の週1回の運用」とし、電力収支の確保を図ることといたしました。

 利用者の皆様にはご不便をおかけしますが、ご理解をいただきますようお願いいたします。

 なお、10月中の「ふじ3号」の運用予定については、次のとおりです(時刻はUTC)。

  • 「10月17日21:58〜」のパス(南東方向から北方向に抜けるパス)
  • 「10月25日09:45〜」のパス(北東方向から南東方向に抜けるパス)
  • 「10月31日23:10〜」のパス(南西方向から北東方向に抜けるパス)

 運用開始の日付と時刻はUTCで表示していますので日本時間に換算する場合は9時間プラスしてください。

【QTC】
 日陰時にUVCにより送信機が自動的にOFFになります。OFFになった瞬間を確認された方はその日時を下記までお知らせくださいますようお願いいたします。
 lab(アットマーク)jarl.or.jp
※上記E-mailアドレスは、スパムメール防止のため「@」を(アットマーク)と表記しています。
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【お願い】
 AOSの方位によってはビルなどの影響により送信機を予定の時刻にONにできないことがあります。また、中継器を使用される局は、衛星のCWテレメトリを確認してからアップリンクをおこなうようお願い致します。
 FO-29はコマンド専用の受信機は搭載しておらず通信用の受信機を兼用しています。コマンド作業中に多くの局がアップリンクしますと中継機をONにするのに時間がかかることがありますので、ご協力をお願い致します。


■ふじ3号(FO-29)の現状(2009年10月上旬までのお知らせ)■

 1996年8月に打ち上げられた「ふじ3号」は14年目の運用中です。
 「ふじ3号」は2009年8月下旬まで、アナログ中継器による連続運用をおこなっていましたが、8月25日、中継器が停止していることが確認されました。
 その後のパスにおいて、管制局からの中継器ONのコマンドをおこなってみたところ中継器の動作が確認されていますが、現在は中継器を一時的に停止の状態としています。

 これまでの「ふじ3号」の運用においても、2007年春に同様な症状による中継器の運用停止がありました(当時の情報)。

 現在「ふじ3号」は日陰率が高い期間にあります。
 2007年春の中継器停止も今回の運用停止も、この食率とバッテリーの劣化による内部抵抗の上昇や、バッテリーの温度の影響によるものと考えられます。

 「ふじ3号」の電力制御部(PCU)はバッテリの端子電圧を監視して設定電圧以下になると送信機の電源を自動的にオフにします。また、日照域に入り太陽電池の電力により充電が開始され、規定の電圧まで回復すると送信機を自動的にオンにするように設計されていますが、2007年に発生した中継器障害ではこの機能に不具合が発生していました。

 自動的に送信機がオンにならないため、2007年夏からは運用計画を作成して1日に1〜2回の運用をおこなってきました。
 この運用管理が功を奏し電力収支が回復したおかげか、2008年夏にはあたかも自然治癒したような形で、管制局からコマンドを打たなくても、中継器が連続運用をおこなう状態が維持されていました。

 現在の「ふじ3号」の電源事情は、2007年春の運用停止、その後の計画運用期間、2008年夏からの連続運用期間も大きく変わりはなく、日陰率が高い状況にあるわけで、今回の中継器停止は、2007年春に中継器が停止したときと、全く同様な状態が再現されているものと推測されます。

 このことから衛星管制室では、2010年1月に全日照の期間を迎えるまでの間、前回の運用停止時と同様、電力収支を確保するために、運用計画を作成して1日の運用回数の制限管理をおこなうこととします。

【ふじ3号の運用スケジュール(時刻はUTC)】

2009年9月〜10月3日まで
SunMonTueWedThuFriSat
1234
22:45〜
5
21:50〜
67891011
21:37〜
12
12:21★〜
22:26〜
13
11:30〜
14
22:23〜
15
お休み
16
12:15★〜
22:20〜
17
お休み
18
12:03★〜
22:15〜
19
11:15〜
21:20〜
20
12:05★〜
21
12:55★〜
22:58〜
22
10:10〜
22:10〜
23
12:50〜
24
お休み
25
10:58〜
22:50〜
26
11:50★〜
21:55〜
27
12:36★〜
28
21:50〜
29
12:35★〜
22:45〜
30
11:40★〜
21:45〜
10/01
12:30★〜
22:35〜
10/2
11:35〜
21:45〜
10/3
12:25〜
22:28〜


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