送配電線設備による電波障害

●配電線設備について

 私たちの家庭に供給されている電気は、電柱や送電線からなる配電線設備によって供給されています。配電線設備には高圧線(約6、000V、一部地域では10kV、20kV)と、普段私たちが使用する100Vや200Vの低圧線とで構成されています。
 電力会社や地域の条件によって、配電線の配列方法や電柱の間隔が異なりますが、高圧線は電柱の上部に3線が水平または垂直の配列で架設されています。
 最近では高圧と低圧を多芯ケーブルにした構造で架設している場合もあります。
 また、電柱の高さは、周辺建物などの規模によって異なりますが、都市部では8〜15m、その他の地域では8〜12mとなっています。

●送電線パルスノイズによる放送受信障害の発生原因と発生時期

 配電設備は大気にさらされているので、紫外線や雨、塩害など、自然環境の影響を受けやすい状況にあります。中でも、湿気や大気中の硫黄化物、塩分が高圧線の連結金具に付着して絶縁層が形成され、接触抵抗が大きくなりスパークすることがパルスノイズの発生原因の一例です。
 パルスノイズは空気が乾燥する10月頃から4月頃までの期間に多発します。この時期では普段より湿度が高い日には発生しません。また、電線の被覆不良の場合は、梅雨の季節や降雨時にも発生します。

【パルスノイズによる障害の状況】

 送電線からパルスノイズが発生すると、中波帯(LF)から超短波帯(VHF)までの広い周波数で障害が起きます。ラジオやHF帯受信機で聞くと「ジャー」といった連続した雑音になります。
 また、テレビの1〜3チャンネルには画面全体に斑点が現れます。この現象によってアマチュア局の電波による障害と間違われることが、これからの季節に多くなります。斑点が流れるさまが、あたかもメダカが泳いでいるように見えることから「メダカノイズ」とも呼ばれています。パルス障害が強い場合は、斑点に色がつき、画面が流れることもあります。

【対策について】

 このようなパルスノイズは、一般的に空気が乾燥する10月頃から4月頃までに多発するといわれています。パルスノイズによる電波障害が発生したときは、電力会社のその地域を管轄する部署に対策を依頼することになります。連絡先の電話番号は、電気料金の支払明細書などに記載されていますので参考にしてください。


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