「前会長・髙尾執行部に関する報告書」の公表について


令和6年3月4日


 当連盟は、令和6年2月15日、東京地裁の判決に基づき平成29年から令和4年の会計帳簿開示を受け内容を精査した社員有志から「前会長髙尾執行部に関する報告書」の提出を受けました。
 令和6年2月24日・25日開催の第71回理事会にて検討の結果、出席理事13名全員の賛成をもって、以下の決議がなされました。

(1) 前会長髙尾氏が、参加者が割り勘で支払った会合の飲食費をJARLに請求し支払いを受けた件について、理事が多く出席している委員会に的を絞って監事が調査すること
(2) この報告書の記載内容が正しいものと判断し、JARL NEWS・メールマガジンをはじめその他各種WEB・紙等の媒体に公開すること
(3) 髙尾氏が正当な使い途と説明できないものは返還請求すること

 この決議に従い、「前会長髙尾執行部に関する報告書」の全文を、会員専用ページで公開しました(公開にあたり、店舗名を一部墨塗りにしました。)。

○71回理事会報告
https://www.jarl.org/Japanese/4_jarl/4-1_Soshiki/rijikai/rireki-m.htm
○報告書本文
https://www.jarl.com/Page/Login/Login.aspx?Url=rijikai/houkokusho240215.pdf
○報告書別紙
https://www.jarl.com/Page/Login/Login.aspx?Url=rijikai/houkokusho240215_besshi.pdf

 また、社員有志の報告書の要旨は以下のとおりです。


1.

前会長・JG1KTC髙尾義則氏が会長を務めていた2017年度から2019年度の会計帳簿を精査したところ、使途不明の飲食費が多数発見された。髙尾氏は、年間100件以上、おおよそ2~3日に1回、飲食を行い、それらを「広報活動費」等の名目でJARLに請求し、支払を受けていた。JARL本部がある南大塚周辺の居酒屋での飲食が多いが、「ナイトパブ」や「ラウンジ」の利用料も含まれていた。
 JARLの経費として認められるためには、会食の日時・場所・人数だけでなく、会食の「目的」、「相手の氏名役職」等が明らかとされ、その会食がJARLの業務に関連し、JARLにとって有益なものであったことの証明が必要である。しかし、髙尾氏からは、一部については一応の説明があったものの詳細は明らかにされず、残りについては一切説明がなかった。

 また、JARLの財政が赤字であるということは十分承知していたのだから、率先して経費削減に行動する必要があった。しかし、同氏は、「打ち合わせ」がなぜ飲食を伴うものでなければならなかったのか、JARLの事務所等で飲食を伴わない形でできなかったのかについて、一切説明しなかった。

 以下のとおり、社員有志が問題を指摘した金額は3年分で1400万円近くになったが、髙尾氏から一切説明のなかった金額のみをとりあげても、3年分で760万円を超えた。

報告書案で問題を
指摘した金額
髙尾氏から一応の
説明があった金額
髙尾氏から一切
説明が無かった金額
2017年度 5,283,771円 2,786,938円 2,496,833円
2018年度 4,443,960円 1,713,681円 2,730,279円
2019年度 4,215,804円 1,803,631円 2,412,173円
合計 13,943,535円 6,304,250円 7,639,285円


 よって、少なくとも、髙尾氏から一切説明がなかった部分(3年間の合計で「7,639,285円」分)については、JARLの業務に関連し、JARLにとって有益な飲食であったことの証明がなく、髙尾氏による私的な飲食費であったと判断せざるを得ない。

2. 髙尾氏が会食費用を割り勘にし、出席者から割り勘金を受け取ったにもかかわらず、会食費用全額をJARLに請求した件として、少なくとも4件、合計60,546円があることが判明した。髙尾氏は、割り勘金相当額を出席者とJARLから二重取りしたことになる。【連盟注:この件(いわゆる「ポッケないない事件」)については、第71回理事会において、報告書に記載された4件にとどまらず他にもあるとの指摘があり、継続調査がされることになりました。】
 この件に関し、2020年当時、髙尾氏は森田氏【連盟注:この不適切な処理に気づき高尾氏に対して事実を指摘した当時の副会長】に会うためわざわざ香川を訪れ謝罪し、現金1万円入りの封筒を手渡した(森田氏は直ちに返還した。)。また髙尾氏は、2023年6月21日、上記の返金の趣旨で74,309円をJARL事務局に納付している。このことで、髙尾氏は上記に記載の事実を認めたものと判断できる。

3. 自己が主催する「アウト・ドア」による「移動運用セミナー」において、参加者に無料で振る舞った飲み物代(約8,000円)をJARLに付け回した。

4. 自己保身のために、弁護士費用(600万円以上)をJARLから支出させた。

5. 日野岳氏(元専務理事)の歓心を買うために、事務職員としての退職金を300万円以上「会長加算」として積み増しした。

6. 髙尾氏が理事会に諮ることなく独断で組織運営を進め、また、JARLが抱える様々な課題に対して真剣に取り組まなかった。これらの指摘に対して髙尾氏は、自己正当化し、反発するだけで、その指摘を真摯に受け止めることはなかった。

7. 本報告書は、案文の段階で髙尾氏に示し、回答の機会を2回設け、同氏の意見を十分に踏まえて作成した。髙尾氏の回答の中には、明らかに虚偽の回答が含まれていた。また、実際には自分が主導したにもかかわらず、他人に責任を押しつける回答を行った。

 以上のとおり、髙尾氏は、理事会に諮ることなく独断で組織運営を進め、また、JARLが抱える様々な課題に対して真剣に取り組まなかっただけでなく、私的な浪費を行った。また、今回の社員有志とのやり取りの中でも、明らかに虚偽の回答を行い、自己保身のために多くの他人を巻き込み、自分が不利になるとその他人に責任を押しつける態度を示した。
 髙尾氏は、在任中の「功績」を強調した。しかし、何らかの功績があったとしても、本報告書で指摘した私的飲食等、数々の問題が正当化されるわけではない。髙尾氏は、自らの行動と態度で、功績を台無しにしてしまったのであり、誠に残念である。

 このような人物が、私たちの組織であるJARLのトップの地位に7年間も就いていたことを、我々社員有志はとても遺憾に思う次第である。


 髙尾氏の主張(弁明書)についても、髙尾氏側に公開を希望するか問い合わせ中です。

令和6年3月5日追記

 髙尾氏代理人弁護士より、髙尾氏側からの通信文の公開を希望するとの連絡がありましたので、社員有志側の通信文と合わせて、会員専用ページに公開します。

2023年12月18日付け 髙尾氏代理人弁護士よりJARL会長宛て「ご連絡」
2024年1月16日付け 有志社員より髙尾氏代理人弁護士宛て「髙尾義則氏の件」
2024年1月22日付け 髙尾氏代理人弁護士よりJARL会長宛て「ご連絡」
2024年1月25日付け 有志社員よりJARL会長宛て「追加質問」(別紙省略)
2024年2月3日付け 髙尾氏代理人弁護士よりJARL会長宛て「ご連絡」

○髙尾氏側・社員有志側通信文
https://www.jarl.com/Page/Login/Login.aspx?Url=rijikai/tsushinbun.pdf

 なお、2024年2月3日付け髙尾氏代理人通知文の末尾に、髙尾氏は会長(代表理事)を自ら辞任したものであり、それは法務局の法人登記簿謄本にて明白であるとの記載があります。確かに、法人登記上、髙尾氏は代表理事と理事をそれぞれ「辞任」したと記録されていますが、これは、当時、法務局に対し、髙尾氏の辞任届と、髙尾氏の会長からの解職決議が記載された第66回理事会議事録の両方を提出し、「辞任」と「解職」のどちらで登記するべきか相談したところ、法務局より、先にあった「辞任」で登記すればよいとの指導があったので、それに従ったものです。当連盟としては、第66回理事会において、賛成14名、保留1名の圧倒的多数をもって、髙尾氏の会長解職決議が可決されたという事実が重要と考えております。

 本件についてのご意見がありましたら、専用メールアドレス「iken2403@jarl.org」までお寄せください(正確性を期すために電話では一切受け付けません。)。