「アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)」の発足  


 世界最大を誇った日本のアマチュア無線界は、局数が減少し続け2000年に90.5万局であったものが35.9万局(2024年2月末)へと60%ほど減少し、さらに人口構成の高齢化が進んでいます。また、アマチュア無線資格の新規取得者も減少の一途という状況にあります。一方、局数が増加し続けている国もあり、減少している国でも日本ほど大きく減少している国はありません。
 このような状況から、日本のアマチュア無線の将来に危機感を持たざるを得ず、アマチュア界の総力を挙げて継続的発展への方策に取り組む必要があります。
 そのためこの度、一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)、日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)、CQ出版株式会社の4者は、2023年12月、アマチュア無線の継続的発展に向けた具体的取り組みと協力体制について検討するための会議体「アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)」を発足させました。


 SD会議は、JARL森田会長がJARDからの提案を受け、JAIAとCQ出版にも参加を呼びかけ、各団体のトップ(会長または社長)の参加を得て発足したものです。アマチュア無線界の重要な4者がこのような会議体を構成するのは、史上初めてのことです。

 SD会議は、まずアマチュア無線界の現状を認識した上で、世代別に、具体的なアプローチの方法を検討しているところに特徴があります。特に若年層に関しては、メンバーの既成概念を超えて取り組む必要があることから、2月末から3月始めの3日間、合計6時間以上をかけて、教員、高校生、大学生、20代社会人、中堅社会人10数名へのインタビューを行い、彼らのアマチュア無線に対する「思い」と有益かつ具体的な提案を率直に語って頂けました。

これらの調査・検討を経て、特に若年層についてはアマチュア無線の知名度向上(一般イベントへの出展なども利用)、初めての交信をサポートする講習会、指導者の育成・若年者の保護、JARL/JARDの無線室・アンテナの開放、安価な無線機の提供などの施策が重要と受け止めており、2024年4月中を目標として第一次提言を公表し、アマチュア界の皆さまのご意見を頂くと共に、各団体において、可能な施策から実行に移す予定です。