「アマチュア業務に使用する電波の型式及び
周波数の使用区別」についてご意見をお寄せください
 JARL周波数委員会では、アマチュア無線周波数のより一層の有効利用化を目指した「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」について検討をおこなうために、次により皆様からのご意見等を募集いたします。

(2004年12月15日掲載)

【JARL周波数委員会】

●周波数区別検討の経緯

 これまでの周波数使用区別検討の経緯は、平成14年に理事会から「アマチュア無線のデジタル化に対応した周波数使用区分の改正案の検討」について諮問を受け、JARL NEWSその他により皆様のご意見をいただきながら1200MHz帯以上の周波数帯について検討し、同年6月に理事会へ答申いたしました。
 JARLでは、この答申に基づき総務省に使用区別の改正について要望し、この結果、本年1月13日付で使用区別の告示改正がおこなわれたところです。

 この時の改正では、総務省は広く意見の募集(パブリックコメント)をおこない、数多く寄せられた意見とJARLからの要望も踏まえて改正がおこなわれました。
 今年1月13日付の改正では、1200MHz帯以上の周波数帯に限定したものでしたが、総務省にパブリックコメントとして寄せられた意見は1200MHz帯以下の周波数帯についても意見が多数寄せられ、この意見についても、可能なものについては改正に反映されています。
 しかし、1200MHz帯以下の周波数帯等の対象範囲外についての意見およびJARLに対しても同様に寄せられたご意見等については、そのすべてが告示改正の検討には到っていないのが現状です。

●意見をお寄せください!

 このような背景を受けて周波数委員会では、本年6月に理事会から新たに「全体的な周波数区分案の検討」について諮問を受け、これまで総務省およびJARLに寄せられている意見等とともに、今後のアマチュア無線の周波数利用についての検討をおこなうため、より多くの方々よりのご意見等をいただきながら作業を進めていく方針です。

 これまで、寄せられたご意見等をまとめますと下表のとおりですが、これらを参考に、さらなるご意見、検討を要する事項等がありましたら、来る平成17年1月31日までに周波数委員会(JARL技術課気付)までご意見等をお寄せください。

 周波数委員会では、お寄せいただいたご意見等をもとにさらに検討をおこない、再度ご意見をお聞きして答申案をまとめる予定でおりますので、ご協力いただきますようお願いいたします。

●これまでJARLに寄せられたご意見等

【HF帯】

  1. 1,907.5kHz〜1,912.5kHzにF1B(RTTY)を追加してほしい。
  2. 1.8MHz〜1.9MHzにF1B(RTTY)、F1D(狭帯域データ)を追加してほしい。
  3. 7,030kHz〜7,075kHzまでF1D(狭帯域データ)にしてほしい。
  4. 7,027kHz〜7,030kHzと7,035kHz〜7,038kHzまでをF1DおよびG1D(共に狭帯域データ)に限定してほしい。

【50MHz帯】

  1. JT44等の新しい通信方式の出現により、50MHz帯におけるEMEに関する要望が多く寄せられています。50.00〜50.10MHzまでがEMEの区分として反映されていますが、諸外国のEMEとの整合性を考慮した場合、50.30MHzまでEMEがおこなえるようにしてほしい。
    • 注記:FSK441、JT44、JT65などは総じてWSJTとも呼ばれ、EME(月面反射通信)など極めて微弱な信号,あるいはMS(流星散乱通信)を小電力かつ小規模な設備で実現させるために開発されたコンピュータ・プログラムを使用した通信方式です。
  2. 50MHz帯の活性化を考えて、制限的な使用区分は撤廃してほしい。
  3. 50MHz帯においてレピータを開設できるようにしてほしい。
  4. IRLP、WiRES、EchoLink、eQSO等の専用周波数を設定してほしい。
    • 注記:IRLP、WiRES、EchoLink、eQSOなどはVoIPの技術を活用しインターネットを経由して通信するもので、末端には無線機を使うことでV/UHFなどでも遠隔地との交信が可能となります。無線機からのアクセスには主にDTMF信号が使われています。なおIRLPとはInternet Radio Linking Projectの略で、特徴としてOSにはLinuxが使われています。WiRESは純国産の同種ソフトです。

【144MHz帯】

  1. WSJTによるEMEが国外では144.1MHz以上でおこなわれているので、これらの周波数でもEMEができるようにしてほしい。
  2. EMEは、占有周波数帯幅が6kHz以下の全ての電波型式としてほしい。
  3. IRLP、WiRES、EchoLink、eQSO等の専用周波数を設定してほしい。
  4. 144MHz帯においてレピータを開設できるようにしてほしい。

【430MHz帯】

  1. IRLP、WiRES、EchoLink、eQSO等の専用周波数を設定してほしい。

【1200MHz帯以上】

  1. マイクロ波帯におけるATVレピータを開設できるようにしてほしい。

 これまでにこのようなご意見等をいただいておりますが、さらに今後予想されるデジタル化に対応した使用区分のほか、特に今回は次の事項について重点的に検討していきたいと考えておりますので、ご意見等をお寄せください。

  1. VoIPの技術を活用した通信(IRLP、WiRES、EchoLink、eQSOなど)の専用周波数帯割り当てについて
  2. コンピュータ・プログラム等の新しい方式によるEME通信への周波数割り当てについて