August 2017 NEWS TOPICS INFORMATION


スペインの連盟UREの機関誌Radio aficionadosのレポーターがJARL事務局に来訪

 ハムフェア2017開催を前にして、スペインの連盟URE(Union de Radioaficionados Espanoles)のペドロ・フェルナンデス会長(EA1YO)からJARL事務局国際課あてに、「我々の連盟UREの機関誌Radio aficionadosの記事で、JARLのJG1KTC尾義則会長にインタビューをお願いしたい。機関誌のエディターの一人であるサルヴァドール・ドメネク・フェルナンデス氏(EA5DY)をレポーターとして送るので、取材に協力していただけないか」という依頼メールが届きました。

 このことから8月29日、東京都豊島区のJARL事務局で、フェルナンデス氏(EA5DY)による、JG1KTC尾会長のインタビューがおこなわれました。

 フェルナンデス氏の質問は、「日本のアマチュア無線事情について」、「JARLの活動について」「日本のアマチュア無線界の将来展望等について」、「スペインのアマチュア無線家が特に興味を持ちそうな内容」や「日本とスペインのアマチュアの友好促進に関する内容」など多岐にわたり、各質問に対して、尾会長はていねいにお答えしました。

 なお今回のフェルナンデス氏のインタビューの内容は、同氏によるハムフェア2017のレポートとともに、UREの機関誌Radio aficionadosに掲載になるそうです。

(8月29日)





YOTA(Youngsters On The Air)2017の20歳代の2名の視察団が帰朝報告

 8月2日付けのニュースでもご紹介しましたが、JARLでは、イギリス・ロンドン郊外のギルウェル・パークで8月5日から12日までの1週間、合宿形式でおこなわた、若者による子供たちへのアマチュア無線育成プロジェクトYOTA2017に、20代の2名の視察団(JR2KHB須田璃久さんとJE1XUZ加藤聖也さん)を派遣しました。

 8月25日、YOTA2017の視察から帰国した視察団の両名が、JARL事務局に訪れ、JG1KTC尾義則会長を交えて今回の視察に関する簡単な帰朝報告をおこないました。

 両名によりますと「ヨーロッパ各国から参加した若いアマチュア無線家たちと共に活動した今回の視察は、日本とヨーロッパ各国のアマチュア無線事情の違いも感じ取れた。とても有意義なものであった。日本今後、日本のアマチュア無線界においてもますます重要になっていくと思われる「若者の若者による若者のための、アマチュア無線育成プロジェクト」への積極的な取り組みに、今回の視察で得た体験や教訓を十分に活かして、さまざまな提案などをおこないっていきたい」とのことです。

 なお、両名による帰朝報告は、ハムフェア2017の2日目、9月3日からイベントコーナーで開催の、PA2LSリサ・リーンダーズさんの講演「YOTA 2017(Youngsters On The Air)」の中でも、その一部が披露される予定です。


▲参加のヨーロッパの若いアマチュア無線家と共に運用!

▲YOTAのプロジェクトキーメンバーの一人、PA2LSリサ・リーンダーズさん(中)と

(8月25日)





大阪府高石市高石市中央公民館でARISSスクールコンタクト成功

 2017年8月13日、大阪府高石市の高石市中央公民館でARISSスクールコンタクトが実施され、公民館に集まった小・中学生たちが、国際宇宙ステーションに長期滞在中のジャック・フィッシャー宇宙飛行士(K2FSH)との交信に成功しました。
 このスクールコンタクトは、同公民館の館長のJH3HUR松井 勉さんがプロジェクトリーダーを務めて準備が進められてきたものです。
 なお今回のスクールコンタクトの詳細レポートを、松井さんにお送りいただきましたのでご紹介いたします。

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 まず皆様ご存知のことと思いますが、ARISSスクールコンタクトはアメリカ航空宇宙局(NASA)が青少年向けに実施している教育プログラムのことで、国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士が勤務時間を割いて全世界の青少年からの質問にアマチュア無線を使って直接答える夢のイベントであり、国際宇宙ステーションとの交信を通じて未来を担う青少年の科学に対する興味を高め、科学技術を身近なものとして感じてもらう事を目的としています。

■取り組みのきっかけ

 私は日本国内で第2回目(特例交信では初)、西日本で初めてである2002年8月2日に大阪府池田市の池田市民文化会館で開催されたKANHAMでのARISSスクールコンタクト(右の写真)に参加し、いつかは地元、高石市の子供たちにも体感してもらいたいと考えて、「ARISSスクールコンタクトをぜひ高石市内でも実施しませんか」と情報提供を市教育委員会におこなって参りました。
 しかし学校ではスケジュールが多く、また興味を示してくださる先生はおられましたが、手を挙げる学校はありませんでした。

 その後、私も教育委員会に所属し社会教育部門で仕事をする環境に変ったので、「では私がやろう」と考え、JR3QHQ田中 透大阪府支部長に相談し助言をいただいて、平成28年7月14日に、このNASAの教育プログラムに応募し、翌29年4月に高石市の小・中学校の校長が集まる校長会で報告、協力をお願いたしました。
 翌29年5月に田中大阪府支部長より「8月のお盆時期、高石で実施できるかもしれないが対応できるか?」とのお電話をいただき、「私の部門は学校に比べて自由度が高いのでぜひお願いしたい」と回答、改めて校長会にも支援をお願いしました。
 しかしその後、実施スケジュールが定まらないことから、「子供たちを集めて良い」との許可が下りず、募集要項の作成などができる準備は進めていましたが、時間のみが経過する日々でした。
 そして7月1日に日本のARISS運営委員の7M3TJZ安田 聖さんから、「実施スケジュールの目処がついた」という連絡を受け、すぐに参加対象者を「小学校4年生から6年生」として、事前に準備していた募集要項の印刷、翌2日、市内の全小学校で募集要項の配布をおこなっていただきました。
 しかし、それまで計画していた事前の勉強会や募集期間が十分に確保できない状況下でもありました。

 一方、スクールコンタクトのために臨時に開設する社団局(8N3TA)の免許の申請は、田中大阪府支部長に代行していただき申請していただきましたが、臨時に開設する特別な社団局の申請であるため、教育委員会がおこなっている事を証明しなければなりません。
 近畿総合通信局に問い合わせをおこなうと、審査基準により「教育委員会が国際宇宙基地に開設されたアマチュア局と通信をおこなうことについて、教育に資するものとして、自ら主催することを証明する書類の添付」という説明を受け、指導を仰ぎ証明書と設置許可書を田中大阪府支部長に託しました。

 子供たちの参加申し込み締め切りについては、7月21日往復ハガキ必着としておりました。しかしお盆の時期と重なり、突然の延期なども起こりうるARISSスクールコンタクトの宿命もあって、その後1週間たっても応募が伸びず、急遽、募集範囲を中学校3年生まで広げ、締め切りを「7月21日消印有効」に替えて、市内の中学校でも配布していただきました。
 その結果、締め切りギリギリで応募が集まり、また、話を聞き付けた保護者から「小学校3年生はダメなのか?」等の問い合わせもあり、「ご希望されるなら参加してください」とした結果、定員ちょうど予定通りの15名が集まりました。

 また、実施までの時間短縮を図るため、往復ハガキには宇宙飛行士に質問したい内容を2問ずつ、あらかじめ書いて応募していただきました。それを事務局で集約、同じ内容の質問や年齢などを考慮し、これも時間短縮のため、質問の順番もあらかじめ事務局で決めました。
 その結果22問の質問となり、並行して当選通知の送付と英訳をおこない、なんとか8月6日に第1回目の学習会に漕ぎ付ける事ができました。驚いたことに、子供たちの吸収はとても速く、最後にはマイクを持って英語での質問の練習までおこないました。

 しかしここで気付いたことは、初めて無線マイクを持つため、PTTスイッチをちゃんと押せない、また明らかに頭切れや離すのが早い子供たちを散見したことです。
 このことから、親指でしっかりPTTスイッチを押せるように、マイクは必ず左手で持つように指導しました。

 第2回目の講習は8月13日でしたが、その前の8月9日に「本番が14日に最終決定」との連絡をいただき、急遽参加者全員に連絡、8月13日には模擬無線機を使った実際に近い形での練習をおこなって、何とか2回の講習で本番に間に合わせる事ができました。

 またこの日は並行してアンテナの設置もおこないました。

■緊張の実施本番

 実施本番の翌8月14日は午後から会場の中央公民館に集まり、アンテナの調整、無線機のテスト等をおこない、いくつか発生したトラブルも優れた技術を持つ、関西ARISSプロジェクトチームスタッフの手で無事解決し本番に備えました。

 夕刻から子どもたちは集合、実際の舞台で、電波の出ない模擬装置を使い、事前練習を2回実施し本番を迎えることとしました。

 19:00よりセレモニーをスタート、高石市のマスコットキャラの「てんにょん」も登場し、市長の挨拶をへて、この後、観覧者の前で最終リハーサルを予定していました。しかし、ラインの切り替えに時間を要することこと、事前リハーサルが良くできていたこと、最終調整をおこないたいこと等を勘案して最終リハーサルを急遽中止したため、時間に余裕ができ、ゆっくりと準備が進み、子供たちにも余裕ができました。
 19:34にカウントダウンが始まり、定刻よりマイク・コントローラーのJL3JRY屋田純喜さんが国際宇宙ステーションをコール、数回コールしたのちISSより応答があり、いよいよ交信がスタートしました。ISSが高石市上空を通過する約10分間、聴衆は無線交信に集中し、ISSのジャック・フィッシャー宇宙飛行士の声と子どもたちの声だけが響く中、予定していた全部で22の質問を無事英語でおこない、回答を得ました。

 国際宇宙ステーションに滞在中のジャック・フィッシャー飛行士は、それぞれ子供の名前を呼び返して、質問にていねいに答えてくれました。
 子供たちは緊張の中、英語で「地球はどのように見えますか?」などと質問し、ジャック宇宙飛行士は「常に変化していて息をのむほど美しいです。地球でも美しいものが、また違った感じで美しく見えます。毎日新しい目で地球を見ている様に感じます。」などと英語で応答、最後に「ありがとうございました。そして、ぜひ日本に行ってみたいです。日本のことが好きです。日本の文化が大好きで、大学では日本語を専攻しました」と語りました。

 そしてその後、日本語で「こんばんわ!」とジャック宇宙飛行士より応答がありました。高石からはそれに対し、「ありがとう!」と日本語で応答しました。すると日本語で「どういたしまして」のジャック宇宙飛行士から応答を受け大拍手の中、交信は無事終わりました。

 この日、産経新聞の記者も取材に来館しており、子供たちは記者の質問に顔を輝かせて応えていました。

 将来、高石からも宇宙飛行士、科学者が生まれる事を願う一夜となりました。

(レポート:JH3HUR松井 勉さん)

(8月24日)





JARDが小・中学生を対象とした養成課程講習会を大正大学会場で開催

 一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)は、毎年8月に東京都 豊島区西巣鴨の大正大学を会場として、小・中学生を対象とした夏休みの養成課程講習会第4級標準コースを実施しています。
 小・中学生を対象とした3日間の養成課程講習会ですが、2日目にはビギナーズセミナーなど、通常日程の養成課程講習会にはない内容も取り込み、参加する子供たちの好評を得ています。

 JARDでは今年も8月9日〜11日の3日間、この夏休み講習会を開催し、41名が受講しました。

 2日目に開催されたビギナーズセミナーでは、アマチュア無線のさまざまな楽しみ方の紹介を一はじめ、右の写真のようにアマチュア無線の移動運用設備を満載した、第一電波工業の無線デモカーの公開もおこなわれ、参加した子供たちはたいへん興味深げに見学を楽しんでいました。

 なお、JARDでは今後も小・中高生を対象とした養成課程講習会第四級標準コースの開催を計画していくとのことです。

(8月15日)





YOTA(Youngsters On The Air)に20歳代の2名の視察団を派遣

 YOTA(Youngsters On The Air=「若者にオンエアーを!」というような意味)は、IARUの第一地域(ヨーロッパ・アフリカ地域)が進めている、若者による子供たちへのアマチュア無線育成プロジェクトです。ヨーロッパを中心に若いハムを育成しよういうことで、大きな成果を生み出しています。

 YOTAでは、ヨーロッパ各国でそれぞれの活動に加え、毎年各国の持ち回りによる世界大会が開催されており、今年はRSGB(イギリスの連盟)が担当で、ロンドン郊外のギルウェル・パークで、8月5日から12日までの1週間、合宿形式でおこなわれます。
 この世界大会では、教育者や人材育成のプロが協力して作られたカリキュラムが用意されて、デジタル通信、ARDF、衛星通信、短波のDX通信、コンテストなど、およそアマチュア無線に関するすべてのテーマについて、分け隔てなく教えるという思想でおこなわれています。
 また、今回のYOTA2017では欧州宇宙機関(ESA)のイタリア人宇宙飛行士であるパオロ・ネスポリ宇宙飛行士(IZ0JPA)とのARISSスクールコンタクトの交信も予定されています(イギリスアマチュア衛星通信協会AMSAT-UKのニュース)。
 このプロジェクトを推進している人たちも、20歳代、30歳代の若者です。

 今回、JARLからはこのプロジェクトの視察と近い将来、日本での子供たちの育成をおこなうリーダーを担っていただきたいという思いもあり、JR2KHB須田璃久さんとJE1XUZ加藤聖也さん(いずれも20歳代)を派遣し、参加していただくことにしました。
 8月2日、JARL事務局に両名が訪れ、JG1KTC尾義則会長を交えて出発に先立つ結団式をおこない、視察の大成功を誓い合いました。

 なお両名による視察の結果報告については、皆さんにご紹介してまいりますが、直近ではハムフェアのイベントとしておこなうことを予定しています。

▽YOTA2017の詳細(イギリスの連盟RSGBの案内)
http://rsgb.org/main/about-us/yota-2017/

(8月2日)


「詳細」



ハムフェア2017特別記念局8J1HAMの運用を開始しました

 8月1日、東京都豊島区のJARL事務局資料室で、アマチュア無線フェスティバル「ハムフェア2017」の特別記念局8J1HAMの開局式がおこなわれ、ハムフェア2017のPR運用がスタートしました。

 開局式では、JG1KTC尾義則会長から、JH1LWP島田守康関東地方本部長に8J1HAMの免許が手渡され、尾会長の第一声で運用を開始しました。

 特別記念局8J1HAMはハムフェアが開催される9月2日・3日までの間、関東地方本部管内の支部の持ち回りによるPR運用がおこなわれ、9月2日・3日は東京都江東区有明の東京ビッグサイト西3・4展示場のハムフェア2017会場において、公開運用がおこなわれます。

 運用期間終了まで、多くの皆様方のコールを心よりお待ちしています。

(8月1日)



   
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