May 2017 NEWS TOPICS INFORMATION


JARL北陸地方本部が北陸受信環境クリーン協議会表彰

 平成29年5月24日、石川県金沢市の金沢東急ホテルで開催された、北陸受信環境クリーン協議会総会で、JARL北陸地方本部が表彰を受けましたのでお知らせします(写真は表彰状の授与を受けるJA9BHE柴田雄司北陸地方本部長)。

 今回の表彰における北陸地方本部の功績の概要は「毎年10月の受信環境クリーン月間を記念とするJARLの特別局(8N9C)を平成26年から3年連続で開設・運用するとともに、その特別局との交信者あてに、電波障害防止の周知啓発を目的とした図案コンクールの入選作品をデザインした記念のQSLカードを延べ8,315枚(うち海外は130枚)送付するなど、北陸受信環境クリーン協議会事業の一つである受信障害の未然防止に関する周知・啓発活動に大きく貢献した」というものです。


平成26年度交付枚数2,846枚
(うち、海外34枚)

平成27年度交付枚数2,660枚
(うち、海外49枚)

平成28年度交付枚数2,809枚
(うち、海外47枚)

(TNX:JA9APM浅井芳和北陸地方本部監査長)

(5月26日)




【こぼれ話】先代国王のコールサインにちなむ名を持つCubeSat

 IARU(国際アマチュア無線連合)は、中東の国の一つ「ヨルダン・ハシェミット王国」のアマチュア無線連盟RJRAS(Royal Jordanian Radio Amateur Society)から、ヨルダン・ハシェミット王国のさまざまな大学の学生たちが製作に取り組んでいる1U-CubeSatに関する、国際周波数調整の申請を受けました。

 ヨルダン・ハシェミット王国では初めてアマチュア衛星打ち上げへの取り組みとなり、テレメトリー(145.840MHzを予定)、SSTV(Slow Scan TV)の送信機能のほか、FUNcubeタイプのリニア中継器(逆ヘテロダイン。アップリンク435.100〜435.120MHz、ダウンリンク145.855〜145.875MHzを予定)を装備し、2018年2月ごろにアメリカのヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げが予定されている、Space X社のファルコン9型ロケットへの搭載を目標として、学生たちの手で製作が進められている模様です。

 さてそんなヨルダン・ハシェミット王国初の1U-CubeSatですが、実は「JY1-SAT」と命名されています。

 すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、この名前はアクティブなアマチュア無線家として、世界でも有名であったヨルダン・ハシェミット王国のフセイン・ビン・タラール先代国王(故人)のコールサイン「JY1」の3文字を受け継いでいるのです。

 写真はQRZ.COMサイトの、JY1-SATの地上管制局「JY6JY」の紹介ページに掲載されている、JY1-SATのプロトモデルです。
 ちなみに地上管制局の「JY6JY」は、ヨルダン・ハシェミット王国王室のフセイン・ビン・アブドラ皇太子の名義で開設されており、このプロジェクトに対する皇太子殿下の支援は、科学、技術、工学、数学等の分野における、ヨルダンの若者の能力育成のためのビジョンの一環なのだそうです。

 偉大なアマチュア無線家だった先代国王のコールサイン「JY1」の3文字を受け継いだ、ヨルダン・ハシェミット王国初のアマチュア衛星が、無事宇宙で大活躍する時は来るのでしょうか?

▽JY1-SATの管制局JY6JYの紹介ページ(QRZ.COMサイト)
https://qrz.com/db/JY6JY

▽ヨルダン・タイムズ(ヨルダンの英語の日刊紙)の関連記事は、 こちらをご覧ください。

(5月25日)




平成29年度の電波利用環境保護周知啓発強化期間

 総務省では、情報通信の普及・振興を図ることを目的として、5月15日から6月15日の期間を「情報通信月間」とし、情報通信に関するデモンストレーション、各種セミナーやシンポジウム等のさまざまな行事を全国各地で開催していますが、併せて毎年6月1日〜10日を、「電波利用環境保護周知啓発強化期間」として、電波利用に関する周知・啓発を集中的かつ重点的におこなっています。

 今年も「電波のルールを遵守せよ!」をキャッチフレーズに、各地方総合通信局管内において正しい電波の利用等に関する、ポスターの掲示や、新聞等への広告の掲載等、電波利用ルールや不法無線局による混信・妨害の未然防止に関する周知・啓発活動を実施します。

 また、6月を「不法無線局の取締り強化期間」と定め、不法無線局の撲滅に向けた捜査関係機関との共同取締り等を重点的に実施します。

(5月25日)




2017デイトンハムベンションにJARLブースを出展

 2017年5月19日〜21日の3日間、アメリカUSAオハイオ州デイトンで開催された「デイトン・ハムベンション」に、今年もJARLのブースを構えて出展をいたしましたのでご紹介いたします。

 デイトン・ハムベンションは、昨年までハラアリーナを会場として開催されていましたが、ハラアリーナが閉館となったことから、今年からジーニアのグリーンカントリーフェアグランドエキスポセンターに会場を移して開催となりました。
 "JT65-DX.com"グループと共同で出展したJARLのブースは、E2ホールの入口に位置しでおり、アメリカの連盟ARRLブースの前、ドイツの連盟DARCの隣という大変に恵まれた場所を確保することができました(写真右:JARLとJT65-DX.comとの共同ブースにて。左からJL1CNY-JA1HGY-JR1AQN)。

 ブースには大型ディスプレーを使用して、JT65のデモンストレーションをおこなっていた"JT65-DX.com"グループとの相乗効果で、多くの来場者をお迎えする事ができ、来客記録簿には約400名の方から署名をいただきました。

 また、ブースではJARLアワードの発行や、アメリカと日本のバンドプランの相違説明などもいたしました。
 東京のハムフェアの問い合わせも多くいただきました。ブースをおとずれてくださった方々からは「日本のハムフェアの開催に合わせて日本観光に行きたい」という言葉も多く耳にすることができました。
 JARLブース出展のいわゆるインバウンド効果の一つとも言えるのかも知れません。

レポート:JA1HGY・間下尚彦さん

(5月25日)




ARRL DXCCにおけるミッドウェー島とクレ環礁の取り扱いについて

 アメリカの連盟ARRLは、2017年3月31日付けのニュースで、「ミッドウェー島(KH4)とクレ環礁(KH7K)は2016年8月26日付けで、消滅エンティティーとなっている」と発表しましたが、その後の再検討の結果、 ARRLは「ミッドウェー(KH4)、クレ環礁(KH7K)について、元の通り個別エンティティーとして取り扱っていく」と2017年5月11日付けのニュースで発表しました。

(5月11日)


「詳細」


南極昭和基地8J1RLが5月6日、ゴールデンウイーク期間の特別運用を実施……JA1RL特別公開運用で参加者9名全員が8J1RLとの交信に成功

 南極昭和基地に開設されたJARL南極局8J1RLは、毎年5月のゴールデンウイーク期間中に、日本国内の小・中・高校生を優先して交信をおこなう特別運用を実施しています。
 今年は5月6日に実施され、東京都豊島区のJARL事務局に設置されたJARL中央局JA1RLは、この特別運用に併せて、交信スケジュールを組んで8J1RLとの特別公開運用を実施し、9名の小中高校生から参加申込があり当日を迎えることとなりました。

 当日、JA1RL運用委員会スタッフが準備を進めるJARL事務局会議室には、16時ごろから申込があった9名の小中高生と保護者の方々が続々と集まりました。
 交信スケジュールの定刻が近づき、JA1RL局運用委員会委員長のJG1KTC尾義則JARL会長の挨拶、特別運用を見守りに駆けつけた南極OB会アマチュア無線クラブ会長のJR1FVH小林正幸さんの挨拶(右上の写真)、そしてJA1RL運用委員の7K2GMJ新谷一徳さんから、今回の特別運用の概要説明等がおこなわれスケジュール定刻の17時を待ちました。

●定刻を迎えて

 スケジュールQSOの定刻17時を迎えました。新谷運用委員が21MHz帯で8J1RLのコールを開始しました(右の写真)。極めて弱いシグナルながら、ほどなく8J1RLからの応答が確認できました。周期的に発生しているノイズはありましたが、JA1RLからの呼出は確実に南極まで伝わっていたようです。

 そして、小中高校生たちの交信がスタートしました。今回集まってくれた参加者は、すべて3アマ以上の免許を持っているので50Wでの運用です。
 交信開始後、たいへん弱かった8J1RLからのシグナルレベルですが、順番に一人一人交信が進んでいくごとに、確実にコンディションが上がっていったのが実感できました。
 南極側のオペレーターは女性を含む3名で、たいへんエキサイティングに交信が進みました。

 9人目の交信が終了し、新谷運用委員のファイナルの後、尾運用委員長がお礼のメッセージを8J1RLに送って、今年のJA1RLの特別運用は9名が30分以内で交信できるという異例のスピードで無事終了。会場内は歓声と拍手に包まれました。

 ちなみにJA1RLのスケジュールQSOの後、8J1RLとの交信に挑戦する多くの局の声を耳にすることもできました。

 今回参加してくれた子供たちは、同行の保護者の方々ともども、交信成功の喜びを胸に会場を後にされたようです。

 なお、南極昭和基地8J1RLでは、来年以降もこの特別運用を継続して実施していく予定とのことです。

●不確実性もスリリングな楽しみの一つ

 JA1RLでは、こどもの日を含むゴールデンウイーク期間の8J1RLとの特別運用をこれまでも長年にわたって実施していますが、たとえスケジュールを組んでいても、電離層伝搬が必須の南極との交信は自然現象に大きく左右されるものです。
 昨年の特別運用では、呼出開始の当初は8J1RLのシグナルが非常に弱いながら確認できたのですが、定刻が近づくころから急激にノイズレベルが上がってしまい、21MHz帯ではすでに8J1RLのシグナルが受信できない状態に陥りました。
 このとき8J1RL側ではJA1RLが発していた21MHz帯10Wの呼出を十分に確認できていたようで、8J1RLから14MHz帯送信、JA1RLからは21MHz帯送信のクロスバンド運用での交信を試みて、2名の中・高校生がレポート交換に成功しましたが、14MHz帯の状況も急激にクローズとなり、残念ながらその後南極からのシグナルが聞こえてくることはありませんでした。
 このとき参加した子供たちは、あらためて南極との距離感を実感して事務局を後にしていました。

 通信の世界では衛星中継回線等さまざまなネットワークメディアの確立で、北極や南極など極地の情報も確実に比較的身近に手に入る時代ですが、短波帯の電波を直接飛ばしあって交信するアマチュア無線では、「交信できるかどうか分からない」というチャレンジもスリリングな楽しみの一つなのかもしれません。

(5月8日)




平成30年度打ち上げ予定のH-IIAロケットの相乗り小型副衛星

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成30年度内に打上げ予定の温室効果ガス観測技術衛星2号GOSAT-2、および、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府機関であるEIAST(The Emirates Institution for Advanced Science and Technology:先端科学技術研究所)の観測衛星KhalifaSat(ハリーファサット)を打ち上げるH-IIAロケットに相乗りする超小型衛星を公募を平成28年12月から平成29年1月におこないましたが、選定された超小型相乗り副衛星5機を発表しています。

 相乗り衛星として選定された5機は、「DIWATA-2B」(東北大学)、「プロイテレス2号機」(大阪工業大学)、「地球低軌道環境観測衛星てんこう」(九州工業大学)、「AO-stars」(静岡大学)、「AUTcube2」(愛知工科大学)で、5機のうち「プロイテレス2号機」「AO-stars」および「AUTcube2」はアマチュアバンドの送信機を搭載したアマチュア衛星となる予定です。

▽JAXAの発表
http://aerospacebiz.jaxa.jp/topics/news/gosat-2_khalifasat_selection/

(5月1日)


「詳細」



総務省が「平成29年度電波利用環境保護活動用」のPRポスターを発表

 総務省は5月1日、電波利用ホームページで、平成29年度の電波利用環境保護関連コンテンツとして、電波利用環境保護活動のポスターを発表しています。

 今年のポスターのデザインは右のとおりで、ミュージシャン・マルチタレントのデーモン閣下を採用したもので、メインキャッチコピーは「電波の戒律を遵守せよ」です。

 総務省では、今回発表したポスターで平成29年度の電波利用環境保護活動を展開していきます。

▽詳細(総務省電波利用ホームページ)「電波利用環境保護関連コンテンツ」
http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/index.htm

(5月1日)


「詳細」


   
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