March 2016 NEWS TOPICS INFORMATION


神戸市立平野中学校の生徒たちが国際宇宙ステーションと交信に成功


 平成28年3月28日、兵庫県神戸市の神戸市立平野中学校で、ARISSスクールコンタクトが実施され、同校の生徒16名が国際宇宙ステーションに長期滞在しているティム・コプラ宇宙飛行士(KE5UDN)との交信に成功しました(国内で86回目の実施)。
 平野中学校のスクールコンタクトのサポートをおこなった、JG3QZN田中一吉さんに詳細レポートをお送りいただきましたのでご紹介いたします。

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 今回のARISSスクールコンタクトが開催された神戸市立平野中学校は、神戸市西区に位置し天気の良い日には、屋上から明石海峡大橋や淡路島が望めます。
 この西区では、2003年2月に日本で単独の学校としては国内初のスクールコンタクトに成功した同市立平野小学校(8N3HES)、そして2011年12月には神戸市西区青少年育成協議会主催による平野小学校(8J3H)に続いて3例目となりました。

 母校でもあり、現在同窓会長を引き受けている筆者は、昨年平野中学校の柴田啓二校長に会う機会があり、その際校長から「自宅に上がっているアンテナは何ですか?」という質問に、アマチュア無線の話になり、スクールコンタクトも話題上がりました。校長から「ぜひ、我が校の生徒たちにも交信させて欲しい」と依頼されたのが今回開催のきっかけでした。

 3月28日午後8時8分。筆者のカウントダウンで交信が開始されました(スクールコンタクトのために臨時に開設した社団局は8N370H)。以前のQSOではコントロールオペレーターの呼びかけに4、5回、長いときには1分以上もコールした事があるのですが、今回はなんとワンコールで返事が返ってきました。

 いよいよ交信開始です。今回の交信相手はアメリカ人宇宙飛行士のティム・コプラさんです。質問する子供たちは16人で、32問の質問を用意しました。また、保護者の中からティムさんの答えを通訳していただくボランティア4名もスタンバイしていただきました。国際宇宙ステーションからの信号は終始安定していて、質問は順調に進んで行きました。

 16問目の質問がおこなわれると、全員が質問できたことに少し緊張が解けました。後は全員が2回質問できればなぁと、心の中で祈りました。

 そろそろフェイドアウトの時間になり、ISSからの信号に雑音が多く混じってきました。急に信号が途切れてもうダメかと思ったのですが、質問してみるとティムさんの答えがノイズ混じりに返ってきました。
 結局、25問の質問ができました。交信できた子供たちは、興奮気味で、交信成功のインタビューに答えていました。

 今回のARISSスクールコンタクトを通して子供たちは、宇宙や科学に興味を持ち、同時にアマチュア無線のすばらしさを体感できたと思います。
 最後にこのスクールコンタクトを支えてくださいました、総務省近畿総合通信局をはじめ、多くの方々にこの紙面をお借りしてお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

(レポート:JG3QZN・田中一吉さん)

(3月30日)




キングマンリーフ(KH5K)が消滅エンティティーに

 アメリカの連盟ARRLのアワード委員会は、2016年3月29日付けで、DXCCリストからキングマンリーフ(KH5K)を削除すると発表しました。

 今回の削除は、キングマンリーフがアメリカ海軍の管理下を離れたことによるもので、キングマンリーフがパルミラ/ジャーヴィス諸島(KH5)と同様に、アメリカ魚類野生生物局の管理下にある事から、その一部と見なされるとして消滅になったものです。

 なおキングマンリーフは2016年3月29日に、消滅エンティティーリストに加えられ、現存のエンティティーの総数は340から339となりました。

(3月30日)


「詳細」


第25回中央非常通信協議会表彰
(水戸コミュニティ放送(株)(FMぱるるん))


 平成28年3月16日に開催された、第65回中央非常通信協議会総会で、アマチュア無線番組「CQ HAM FOR GIRLS」を放送している、水戸コミュニティ放送(株)(FMぱるるん)が表彰を受けました。

 今回の表彰に関する同社の功績は「平成27年9月関東・東北豪雨災害時において、臨時災害放送局(じょうそうさいがいエフエム)の必要性を認識し、総務省等関係機関と調整するなど、機材調達やアナウンサーの派遣、情報の収集等開局から運用に関する全ての業務を行った。無線局活動は、9月14日9時から11月30日18時閉局まで約1,840時間、被災者に必要なライフライン情報(水道、電気)、交通道路情報、復旧情報、避難所情報及び支援物資の配給など災害支援情報を発信した。また、外国人向けの情報もポルトガル語、スペイン語、英語により放送した。この活動により、被災地域において、被害の軽減と即時性のある情報の提供が行われた」というものです。

(3月17日)


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二アマの養成課程についても18歳以下の受講料の減額措置を平成28年4月から開始(日本アマチュア無線振興協会)

 一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)は、これまで四アマの養成課程講習会において、18歳以下の方々が、養成課程を受講しやすくするため、第四級アマチュア無線技士養成課程の受講料の減額措置を実施していますが、 平成28年4月から、第二級アマチュア無線技士の養成課程についても、18歳以下の方々が上級資格の養成課程を受講しやすくするため、受講料の減額措置を実施すると発表しています。

 減額の条件等は次のとおりとなります。

  • 養成課程講習会の開講日において18歳以下の方(適用人数は、養成課程講習会ごとに定員の1割とし、応募多数の場合は抽選とします。詳細は応募の際に案内されます。
  • 減額後の受講料等
    【eラーニング】19,750円(※注)、【集合講習】29,750円(※注)
    (※注)eラーニングの場合一般受講料49,750円のうち30,000円を、集合講習の場合一般受講料69,750円のうち40,000円を、それぞれJARDが負担します。いずれの場合も、無線従事者免許申請手数料1,750円を含みます。

 詳細は、JARDのWebサイトの次のページでご確認ください。

https://www.jard.or.jp/yoseikatei/course/grade2/20160314_info.html

(3月14日)


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全世界のスクールコンタクト通算1,000回達成!

 2016年3月10日、アメリカ・ノースダコタ州グランドフォークスのノースダコタ州立大学で、ARISSスクールコンタクトが実施され、世界で実施されたスクールコンタクトが通算1,000回を記録しました。
 このスクールコンタクトは、ノースダコタ州宇宙補助金共同体(NDSGC)が実施したもので、学生たちの20問の質問にティモシー・コプラ宇宙飛行士(KE5UDN)が回答しました。

 全世界で初のスクールコンタクトは、2000年12月21日、アメリカ・イリノイ州バーバンクのバーバンク・スクールで実施されたスクールコンタクトで、国際宇宙ステーション側のオペレーターは、ウィリアム・シェパード宇宙飛行士(KD5GSL)、地上側はチャーリー・スファナさんのアマチュア局AJ9Nが使用されました。この世界初のスクールコンタクトから15年の歴史を超えて通算1,000回の偉業を達成したのです。

 ちなみに、日本で初のスクールコンタクトは、その約11カ月後の2001年11月 23日、埼玉県入間市の入間市児童センターで実施されたスクールコンタクト(右の写真)で、このときの交信のお相手はフランク・カルバートソン宇宙飛行士(KD5OPQ)、交信に使用したアマチュア局は児童センター無線クラブの局JK1ZAMでした。
 なお、これまで世界で実施のスクールコンタクトのうち、日本国内で実施のスクールコンタクトは2016年2月26日現在で通算85回を数えています。

 ARRL(アメリカの連盟)とNASA(アメリカ航空宇宙局)およびAMSAT(アマチュア衛星通信協会)は、スクールコンタクト実施通算1,000回を記念した、PRビデオ映像を、動画共有サービス「You Tube」に掲載してい ます。
 なおビデオ映像の中には、日本で実施のスクールコンタクトの事例写真もごく短時間ですが紹介されています。興味がある方は、ぜひご覧ください。

▽ARISSの発表
http://www.ariss.org/news.html
▽Amateur Radio on the International Space Station (ARISS)
The 1000th Educational Radio Contact

https://www.youtube.com/watch?v=bTOiiBd2dCo&feature=em-uploademail
▽ARRLの関連記事
http://www.arrl.org/news/ariss-marks-its-1000th-contact
http://www.arrl.org/news/ariss-celebrates-its-1000th-educational-amateur-radio-contact-with-video

(3月11日)


「詳細」


第15回西日本ハムフェア、福岡県京都郡苅田町で開催される
(過去最高の1,850名が来場)

 平成28年3月6日、福岡県京都郡苅田町の日産自動車九州(株)体育館およびゲストホールで、第15回西日本ハムフェアが九州地方はもちろん、全国各地からのべ1,850名の来場者を迎えて盛大に開催されました。

■不安だった天気をものともせず

 当日、時折霧雨の混じる曇天の会場入口前には例年のように早くから来場者が多数集まり、09:00からテープカットがおこなわれました(右の写真)。
 実は西日本ハムフェアの約1週間前、2月29日に発表された週間天気予報で、西日本ハムフェアの当日(3月6日)は雨が予想されていました。前日の5日は曇りで、翌日の7日が晴れの予報ですから、何とも皮肉な話です。事務局のJE6ONQ井上 滋さんは、事務局のBLOGを通じて開催数日前に「いよいよハムフェアが手の届くところまで近づきました。天気予報ではあいにく日曜日は雨模様。ご来場の皆様のパワーで雨を吹き飛ばしていただきたいものです」と語っていました。

 そして開催当日を迎えるのですが、前夜の遅くから当日の明け方にかけて降り始めた雨はほぼ止み、いつ泣き出してもおかしくない曇天ではあるものの、その状態を維持しました。天候の影響で、一部の屋外の出展や苅田町等覚寺地区「等覚寺応援団」の立ち食いそば屋の出店は残念ながら中止になりましたが、雨の影響を大きく受けることなく開催されることとなったのです。
 イベントを無事成功させたいという実行委員会と、イベントを大いに楽しみたいという来場者のパワーが、見事に雨を吹っ飛ばしてしまったのかもしれません。

■立ち上がりからの大混雑はお約束(!?)


▲開場直後から場内は大賑わい。身動きが取れ
ない場所も多く見られました。

▲10:10ごろの駐車場です。写真に写ってい
ない範囲まで来場者の車がびっしり。

 毎年、西日本ハムフェアの立ち上がりの大混雑ぶりには舌を巻くものがあります。
 テープカットの直後から、開場を待ち望んだ多くの来場者が我先にと入場し、場内が突然ひしめき合うのは、西日本ハムフェアの以前からのいわゆるお約束(!?)のようです。今年も開場直後から一気に場内は来場者でふくれあがり、各ブースの見学や掘り出し物散策、アイボールなどを楽しむ来場者でいっぱいになって、身動きが取りづらい状態となりました。そして例年この状態がお昼前ごろまで続くのですが、今年も決して例外ではありませんでした。
 会場横の駐車場は、1,000台以上駐車可能なはずなのですが、アンテナが付いた車で次々と埋まり、10:10ごろに見に行ってみると、ゆうゆう500台を超える台数の車が確認されました。
 その後も、駐車場に入ってくる車は絶えることなく増え続け、お昼近くまで多くの車の出入りが続きました。

▲会場2階では西日本ハムフェアの記念局8J6HAMもアクティブに運用されました。

 会場の2階では、西日本ハムフェアの記念局8J6HAMもアクティブに運用をおこなわれ、会場ロビーではアマチュア無線の女性歌手である青木小夜子さん(JJ3WWS)、渡部まいこさん(JJ0SDQ)によるミニコンサートや門司港バナナ叩き売り連合会バナナ節保存会・真ア一夫さんによる、バナナの叩き売りのアトラクションもおこなわれ、来場者はアトラクションを大いに楽しまれていたようです。


▲発祥の地、北九州門司の本格的なバナナ
の叩き売りを再現。おいしそうなバナナを競
り落とした参加者の方は、みなさん大満足さ
れていたようです。

▲ミニコンサートに続いておこなわれた楽しい
トークショーのようす。左から、渡部まいこさん、
西日本ハムフェア事務局の井上さん、青木小
夜子さん。

 別会場のゲストホールでは、「オール九州コンテスト表彰」や、各種の興味深い講演会も開催されました。
 子供向けの電子工作は今年、午前の部と午後の部の2回開催され、参加の事前申込で集まった親子がスタッフのアドバイスを受けながらラジオの工作に挑戦しました。

 そして14:30、記念品が当たる「ビンゴ大会」が開催され全日程を無事終了しました。

▲子供たち向けの工作教室の会場は、体育館ステージに設けられ午前・午後の2回実施されました。

▲ゲストホールでは、無線機器メーカー、JARD
ほかによる役立つ講演もありました。

▲記念品が当たるビンゴゲーム大会も実施され
ました。

■西日本ハムフェア懇親会(前夜祭、3月5日)

 西日本ハムフェア前日の3月5日には行橋市の京都ホテルで前夜祭が開かれ、110名を超える出席者で、過去最高の出席者を更新した前夜祭となりました。

 前夜祭には苅田町役場・議会の重鎮もさることながら、山之内JARL会長をはじめ、前川JARL副会長、そして3名のJARL理事の方々、さらにはJARD坂本専務理事やJARD管理部、養成部の方々にもご出席いただきました。

 今年もイベントとして、シャンソン歌手のJJ3WWS 青木小夜子さん、シンガーソングライターのJJ0SDQ渡部まいこさんにも出演して頂き、また行橋伝統の「飛竜八幡太鼓」、門司港伝統の「バナナの叩き売り」の実演もあり、多いに前夜祭を盛り上げてきました。

 参加者一堂大いに楽しみつつ、翌日の西日本ハムフェアの大成功を祈念しました。

(写真提供:JA6DJZ渡邉秀明福岡県支部長)


▲飛龍八幡太鼓

▲バナナの叩き売り

▲ミニ歌謡ショー(JJ3WWS青木小夜子さん)

▲ミニ歌謡ショー(JJ0SDQ渡部まいこさん)

■西日本ハムフェアの15年

★西日本ハムフェアのルーツは支部イベント

 西日本ハムフェアは、2001年に福岡県支部が福岡県山門郡瀬高町(現在はみやま市)「瀬高町中央公民館(現在は瀬高中央公民館)」で開催した「アマチュア無線おもしろフェア」(右の写真は同イベントを紹介したJARL NEWS 2001年3月号表紙です)をルーツに、イベントへの参加対象地域を広く九州全域に拡大しようということからスタートした催事です。

 国内で開催の「アマチュア無線に関する広域から多数の来場者を迎えるイベント」のうち、「地元スタッフのボランティア」で運営しているイベントの規模的には、関西地方本部の「関西アマチュア無線フェスティバル」(KANHAM)に次ぐ規模のイベントといえ、今年で15回目となりました。

★西日本ハムフェア黎明期

 西日本ハムフェアは、2002年の第1回が福岡県山門郡瀬高町(現在はみやま市)の「(瀬高)農村環境改善センター」、2003年の第2回は福岡県久留米市「久留米リサーチ・パーク」で開催され、2004年(第3回)、2005年(第4回)は、佐賀県鳥栖市の「サンメッセ鳥栖」で開催されました。
 2006年の第5回は、熊本県熊本市の「熊本県立劇場」で第48回JARL通常総会(くまもと・火の国総会)が開催されることから、熊本県熊本市の総会会場で同時開催されました。右の写真は第5回の会場のひとこまですが、この回は主体が通常総会であったため、少し規模の小さな展示や催事にとどまりました。

★西日本ハムフェア成長期

 そこまで、会場をさまざまな場所に変えてきた西日本ハムフェアですが、2007年の第6回に熊本県玉名郡長洲町の「ユニバーサル造船(現、ジャパンマリンユナイテッド)有明事業所体育館」に会場を移して以来、7年連続で同会場において開催されました。
 右の写真は、長洲町の会場での初開催となった、2007年の第6回西日本ハムフェアの会場内のひとこまですが、この回の来場者数は約1,200名でした。
 長洲町の会場に移って以来、西日本ハムフェア来場者数は堅実に増加傾向を示し、 2007年の約1,200名に続く、2008年が約1,350名、2009年が約1,350名、2010年が約1,400名、 2011年が約1,400名、2012年が約1,450名、2013年が約1,500名という来場者数実績を示してきました。「造船所の施設」という会場の特性を十分に生かした「造船所内見学バスツアー」等のユニークなイベント企画もさることながら、7年間の長期に渡って、会場を1カ所に固定できた効果も、決して少なくなかったことでしょう。

★西日本ハムフェア発展期

 その後、西日本ハムフェアは、熊本県北部であり福岡県最南の大牟田・荒尾都市圏の「造船メーカー」の体育館から離れ、福岡県北部の北九州都市圏である京都郡苅田町の「自動車メーカー」の体育館に会場を移しました。
 2014年の第13回は、住み慣れた長洲町の会場からの移転・初開催で、来場者数の動向が心配されましたが、心配は杞憂に終わり、右の写真のように会場は多くの来場者であふれ、前年を上回る約1,500名が来場しました。
 さらに2015年の第14回は、前年を大きく上回る約1,750名が来場。そして今回、2016年の第15回は約1,850名が来場と大きく成長を続けています。

 西日本ハムフェアは、九州地方の出展者や来場者に加え、他のエリアから迎える出展者や来場者も毎年確実に獲得しており、文字通り「西日本」の冠がよく似合うイベントになっています。今後のますますの発展が期待されます。

(3月10日)


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