February 2011 NEWS TOPICS INFORMATION


「西堀榮三郎記念探検の殿堂」で滋賀県内の小・中学生15人が国際宇宙ステーションとの交信に成功

 2月22日18:14、滋賀県東近江市の「西堀榮三郎記念探検の殿堂」で、滋賀県内の小・中学生15人が国際宇宙ステーションとの交信に成功しました。
 滋賀県内でのスクールコンタクトは初めての実施となります。

 過去国内でおこなわれた外国人宇宙飛行士との英語による交信は、2009年9月26日に、西東京市立保谷小学校の児童がCSA(カナダ宇宙庁)の宇宙飛行士であるカナダ人のロバート・サースク宇宙飛行士と交信した以外、すべてNASA(アメリカ航空宇宙局)のアメリカ人宇宙飛行士の方々との交信でしたが、「西堀榮三郎記念探検の殿堂」の子供たちと交信してくださったのは、ESA(欧州宇宙機関)の宇宙飛行士であるイタリア人のパオロ・ネスポリ宇宙飛行士(IZ0JPA)で、珍しいケースの一つとも言えるでしょう。

 このスクールコンタクトは、西堀榮三郎記念探検の殿堂無線倶楽部(JL3YRT)によって準備・運営が進められたもので、交信希望の小・中学生を滋賀県県内から公募して実施されたものです。

 今回のスクールコンタクトの代表者のJR3KUZ・戸島和夫さんに、準備から成功に至るまでの貴重なレポートをいただきましたのでご紹介いたします。

■スクールコンタクト計画から交信成功まで■

 2011年2月22日18:14、「NA1SS this is 8N3NR」の呼びかけに対し、「8N3NR This is NA1SS」の応答がありました。思わず、ガッツポーズをしたくなるのを押さえて宇宙飛行士との一問一答に聞き入りました。宇宙飛行士パオロ・ネスポリさんの返答が丁寧で交信が長引いたため、最後の質問の答えの途中でフェードアウトしてしまいましたが15人全員質問できて、子供たちや会場に詰めかけた人達は感激に包まれました。

●実施の背景と準備

 「西堀榮三郎記念探検の殿堂」は、第一次南極越冬隊長西堀榮三郎を記念して、滋賀県旧湖東町、現東近江市に設立された博物館です。無線倶楽部(JL3YRT)は、2008年に「子供たちに科学の芽を育てよう」を目的に、東近江市教育委員会と協定書を交わして独立して設立された組織です。倶楽部の企画会議には探検の殿堂の職員も加わり、博物館のミッションである「次世代の青少年を育成する」事業について、お互いの持ち味が生かせるよう常に協議し合っており、協同で計画するイベントには、ユニークなアイディアが次々と採用されています。今回のスクールコンタクトも博物館と共同企画しました。

 スクールコンタクトを倶楽部で企画しようかという声は以前から上がっていましたが、具体的になったのは2009年秋です。最初、一部の小中学生と、倶楽部所属のキッズ無線クラブの子供たちを対象にしようと考えていましたが、滋賀県では初めての試みであり、滋賀県内広く公募することになりました。

 募集は2010年2月におこない、募集していることが地方紙に掲載されると60数人の子供たちの応募がありました。

●交信成功の日を目指して

 2010年3月、応募してきた子供たちと保護者を対象に説明会(写真右)を開きました。このとき、ARISSスクールコンタクトの概要を含めて、

  • 今後のスケジュール
  • 日本人宇宙飛行士(当時、野口聡一飛行士がISSに搭乗中)と交信できるとは限らないので、英語で質問できるようにする
  • 交信できる人数を大幅に上回ったため、グループ分けして交信練習を続け、最後に15人の代表者を決める
等を説明しました。

 交信練習は「楽習会」と名付け、2010年6月から2週間に1回の土曜日(約2時間)実施ペースで11月まで続けました(写真右)。「楽習会」は3部に分け、第1部は、ARISS概要やISS、宇宙や電波と通信について子供たちに説明しました。

 第2部は、子供たちのほとんどが初対面のため宇宙食の試食会などで子供たちを和ませ、同時にグループごとに質問事項をまとめました。第3部の始めはALT(外国語指導助手)でイギリス人のフィル先生と中学英語教師の林先生にお願いして英語発音練習と質問の英語発音をCDに収め自宅での練習に役立ててもらうことにしました。後半は繰り返し発音練習と本番に近い模擬交信練習をおこないました。

 2010年11月には質問事項も暗記でき、一通りの発音練習は終ったこととARISSスクールコンタクトはNASAの都合で12月に一旦中断することが伝えられたことから、具体的スケジュールが通知されるまで練習は中断することにしました。

 2011年、年明けと共にARISSスクールコンタクトは再開されました。中断されるまではほぼ1週間に1度のスケジュールでしたが、再開後は1週間に3回のスケジュールとなりました。応募が多いらしく、一向にスケジュールされません。

 もし4月以降になると中学3年生の子供は参加できなくなると懸念していたところ、幸い1月下旬に、2月中旬予定の大阪府立松原高校企画のスクールコンタクトに続いて2月下旬にスケジュールされることが通知されました。

 「楽習会」の再開は2011年1月29日からです。3回の反復練習を経て2月19日に最終リハーサルをすることにしました。リハーサルでは、目線や姿勢の指導もおこないました。その前週はグループ別の質問代表者を決める日です。さすがにこの日の子供たちは真剣でした。

 代表者の決め方は子供たちにまかせました。「話し合い」「じゃんけん」「くじ引き」といろいろありましたが、「英語による質問を子供たち全員に聞いてもらって一番良いと思う子を選出する」というグループもありました。

 代表者の選出方法について持論を曲げない子供たちもいましたが、根気よく話し合いを待って決めることにしましたし、グループで協力し合って同じ練習をしてきたのですから、残念ながら代表になれなかった子供たちも、きっと納得してくれたのではないか思っています。

●交信当日を迎えて

 本番当日、通信機器類とPAの最終調整、子供の質問リハーサルに続き、交信1時間前からお世話になった関 係者(JARL南出滋賀県支部長ほか)を招いて式典をおこないました。会場には約150名が集まりました。報道関係はNHK大津放送局とエフエム滋賀放送局、地元ケーブルTV、地元新聞社4紙が取材に来ました。折からニュージーランドの地震ニュースが伝えられており、どうなるかと思いましたが当日20:55のNHKローカルニュースで模様が伝えられました。

 交信直後、交信した子供たちに感想を全員に聞きましたが、
「あこがれである宇宙飛行士とアマチュア無線を通じて話ができたのでとても良かった」
「丁寧に返事が返ったのでとてもうれしかった」「今までの練習成果が出せたので良かった」
など、しっかり答えていました。

 今後は、参加した子供たち全員に、練習風景や式典と交信の状況のビデオや静止画等をDVDに収めて配布する予定です。

 今回使用した通信機器類について、予備を含むアンテナは地元のアンテナメーカー、ナガラ電子工業から提供を受けたほか、リグ、アンテナ追尾装置など倶楽部員の持ち寄りでまかないました。

 企画から本番まで、分からないことが多く、支援をお願いした関西ARISSプロジェクト(代表JL3JRY屋田さん、JARL大阪府支部長JR3QHQ田中さんほか役員の方)に大変お世話になりました。

 また、お忙しい中ARISS-JAPANの安田さんにもお世話になりました。厚くお礼を申しあげます。

【レポート】
西堀榮三郎記念探検の殿堂
無線倶楽部(JL3YRT)会長
JR3KUZ戸島和夫さん

(3月2日更新)
(2月23日掲載)


「詳細」


大阪府立松原高等学校で22名の小・中学生が国際宇宙ステーションと交信に成功 【バレンタインの夜に素敵なプレゼントが届く】

 2011年2月14日21:00、大阪府立松原高等学校で松原市の小・中学生22名が、国際宇宙ステーションに長期滞在中のキャサリン・コールマン宇宙飛行士(KC5ZTH)との交信に成功しました。今回のスクールコンタクトは国内で50例目となります。

 松原高等学校のスクールコンタクトは、同校の高校生たちによって企画準備が進められ、地元の小・中学生の交信のサポートをする形で実施されたもので、このスタイルによるスクールコンタクトの実施は、2004年7月13日の福岡県立明善高等学校以来となります。

 当時の明善高校のスクールコンタクト写真右)は、ARISSスクールコンタクトを高等学校の教育プログラムとして生かせないものかと考えたアマチュア無線家の先生(JR6NVG・山下智志先生)の呼びかけに多くの高校生たちが賛同し、プロジェクトチームを組んで準備・運営がおこなわれ、見事に成功をおさめたものでした。

 一方、今回の松原高等学校のケースでは、アマチュア無線家である高校生たちが、自らスクールコンタクトへの取り組みを企画発案し、プロジェクトチームを組んで準備を進め、成功に至ったものという点で若干の違いがありますが、高校生たちの貴重な取り組みを、裏側から支えた校外のベテランアマチュア無線家のアドバイスをはじめ、強力な支援者の存在・協力が、大成功の大きな要素の一つと言えるでしょう。

 準備から、成功までの詳細なレポートを関西ARISSプロジェクトチームの屋田純喜さん(JL3JRY)からいただくことができましたのでご紹介いたします。

●大きな壁の克服(企画から準備まで)

 今回のプロジェクトリーダーはJO3LJO・岡本康平君(高校3年生)。関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM)のスタッフの一人として協力してきた彼は、同じくKANHAMメンバーで構成される関西ARISSプロジェクトチームのARISSスクールコンタクトに参加し大きな感動を覚え「自分の通っている高校でも開催したい」とメンバーに告白しました。

 メンバーから出された開催に向けた岡本君への課題は大きく2つ。

  1. ARISSを理解してもらえ一緒に協力してくれる学校の先生を探すこと
  2. 一緒に活動してくれる同級生をできるだけ多く集めること

 でした。文字通りゼロからの取り組みになることを彼は高校1年生の時に決心し、次の日から高校内でスクールコンタクトの魅力を伝えることに奔走したのです。

 岡本君のスクールコンタクトへの熱い思いは少しずつ仲間に伝わり、わずか1年足らずで、メンバーから出された課題を大きくクリアーする仲間の賛同を集めました。

 さっそく、集まった高校生たちで交信希望の小・中学生をどうやって集めるかというところから話し合われましたが、中高一貫校でない公立高校の彼らには、第一歩から「子供たちの募集」という大きな壁が立ちふさがりました。

 そんな始めの一歩が進まない状況に、今回のARISSへの岡本君の一番の理解者となった同校の山田教諭が問題の解決に向け関係機関へ働きかけてくださり、2010年6月に39名もの子供たちを集めることができ、同校のARISSプロジェクトがスタートしたのです。

●実現に向けて高校生たちの取り組み

 今回のスクールコンタクト開催に向けた事前授業は全て高校生たちが企画し、毎回の事前学習会は「参加する子供たちと高校生が、環境や科学そして友達の大切さを共に学ぶ」というテーマで進められました。事前学習も順調に進み、開催の予定が少し見え始めた時、どうしても超えなければならない試練の日がやって来ました。それはコンタクトできる子供たちの選出です。
 ISSが上空を通過する時間(交信可能時間)は10分ほどしかなく、コンタクトできる子供たちをどうしても20名程度に選出しなければならいのです。

 抽選日当日、会場には「抽選に当たって喜ぶ子供たち」、そして「抽選にはずれて落ち込む子供たち」の姿がありました。「一人でも多く交信に参加してほしい気持ち」との狭間に揺れる高校生には、とても辛い経験となったのです。
 「抽選にもれた子供たちは次回からもう参加しないのではないか……」高校生たちがそんな心配をする中、自然と子供たちの保護者が立ち上がりました。

 「抽選結果は残念!でも今度は応援隊としてARISSに取り組もうじゃない」とこれまでの取り組みに共感してくれていた保護者の存在にこのコンタクトは本物になると確信した時でもありました。

 さまざまな困難を乗り越え取り組んできた松原高等学校のARISSプロジェクトチームに、2011年1月下旬、スクールコンタクト開催の正式決定の連絡がARISS委員会から届きました。臨時局(8N3L)の申請、通信機材の準備と、急ピッチで準備が進められました。

●宇宙から届いたバレンタインメッセージ

 2月14日本番当日、大阪平野には珍しい雪が降り積もり来場者が少ないのではと心配していましたが、来賓を含め200名もの来場者で会場は一杯になりました。
 会場内ではプロジェクターや照明・音声などのラインが会場に張り巡らせられ、また無線機のドップラーシフトなどへの対応方法についてコントロールオペレーターとなった岡本君へ何度も交信のシミュレーションがおこなわれました。
 近畿総合通信局や松原市長からの来賓挨拶など式典がおこなわれた後、いよいよコンタクトの予定時間。静まる会場の中、カントダウンがはじまりました。

「NA1SS this is 8N3L How do you copy? over.」

 かたずを飲んで見守る会場は、ISSからの返事を期待しますが、ホワイトノイズだけが流れます。

 何度コールしてもISSからの返事がない状況に、会場からも心配の声のざわめきが出始めます。不安が頂点に達した5分過ぎ、突然会場にキャサリンさんからの透き通ったシグナルが響き渡りました。

 「ワッ!」と一瞬の歓声のあと、静かに子供たちが考えた宇宙飛行士への質問がはじまりました。子供たちの質問は混信などトラブルもなく順調におこなわれ、無事に最後の子供たちの質問が終えた後、キャサリンさんのシグナルが静かにノイズの中へと消えていきました。

 無事コンタクトの終了が告げられると、割れんばかりの拍手が沸き起こり2分ほど拍手が鳴り止みません。抱き合って喜び合う高校生たち、そして涙ぐむ子供たちと保護者たちの姿。わずか10分足らずのコンタクトに会場が一体となった瞬間でした。すぐに英語教諭の先生による質問の和訳が伝えられ、一人一人の和訳回答がおこなわれました。会場に式典終了後、待ち構えられたメディアの取材攻勢を受け、一夜にして有名人となり、子供たちにとっても一生に残る思い出となったことでしょう。

★      ★

 さて感動の中、無事に成功した同校のスクールコンタクトですが、感動のドラマの裏側では、実は「ドップラーシフトをメインオペーレーターに指示する担当」、「ISSの軌道を正確に追尾する担当」、「送信をモニターする担当」、そして「雪の降る極寒の中、屋上に待機し万一のアンテナ不良に備えて待機したベテランアマチュア家たち(写真右)」の姿があります。華やかな会場には出ていませんが、いぶし銀の力として子供たちのARISSコンタクトの成功を支えていたのです。

 そんな裏舞台として活躍するアマチュア無線家スタッフの原動力はアマチュア無線で成し遂げる夢の実現、そして子供たちのいきいきと光る感動の瞳だったのです。

(TNX JL3LRY屋田純喜さん)

(2月21日)


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情報通信研究機構(NICT)の報道発表(2月16日付け)
太陽活動が再び活発に【第24太陽活動サイクル初の大型フレアを確認】

 情報通信研究機構(NICT)から、2011年2月16日付けで私たちアマチュア無線家も大いに気になっている「太陽の活動」に関する報道発表がありました。

 今回の発表は「2011年2月15日(火)10:44(JST)に大型の太陽フレア現象を確認しました。今回の太陽フレアに伴うX線強度は通常時の100倍以上(最大時)。このクラスの大型の太陽フレア発生は2006年12月以来で、数年間にわたって静穏であった太陽活動が活発化に転じたことを示唆しています」とするもので、今回観測された大型の太陽フレア現象に起因する、さまざまな現象等について記しています。

 なお記事は「NICTでは、太陽活動や宇宙環境変動の情報提供を長年にわたりおこなってきました。2008年1月頃から始まった第24太陽活動サイクルは、これまでの太陽サイクルと比べ静穏でしたが、今回の現象により、今後の太陽活動は活発化に向かうと考えています。活発化に伴い、今回の現象のような宇宙環境が乱れた状態が発生しやすくなると考えています。今後の宇宙環境の状態については、 NICTの宇宙天気予報ポータルサイトで随時提供していきます」と結ばれています。

(2月18日)


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総務省が無線従事者規則の一部を改正する省令案等に係る意見の募集【アマチュア無線技士国家試験に係る試験科目(電気通信術)の見直し】

 総務省は、平成23年2月16日付けの報道発表で、アマチュア無線技士国家試験に係る試験科目(電気通信術(モールス電信))の見直しをおこなうため、無線従事者規則の一部を改正する省令案、関係する告示の一部を改正する告示案及び電波法関係審査基準の改正案を作成し、省令案等について、平成23年2月17日(木)から3月18日(金)までの間、意見の募集をおこなっています。

 今回の改正案は、総務省が平成22年11月22日〜12月22日の間おこなった「アマチュア無線技士国家試験における電気通信術(モールス電信)の見直し案」への意見募集の結果(平成23年2月10日付け報道発表)をふまえて作成されたものです。

▽総務省が無線従事者規則の一部を改正する省令案等に係る意見の募集
−アマチュア無線技士国家試験に係る試験科目(電気通信術(モールス電信))の見直し−
(平成23年2月16日付け報道発表)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_01000017.html

▽アマチュア無線技士国家試験に係る試験科目(電気通信術(モールス電信))の見直し案に対する意見募集の結果
(平成23年2月10日付け報道発表)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_01000016.html

(2月16日)


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アマチュア衛星ARISSat-1、放出が7月に延期に

 AMSAT(アマチュア衛星通信協会)は、2月16日のロシアの船外活動(EVA 28)で、国際宇宙ステーションから放出される予定だった、アマチュア衛星ARISSat-1(写真上、出展AMSAT)の宇宙空間への放出が延期になったと報じています。

 今回の延期は、ロシアの船外活動(EVA 28)のスケジュールが変更に なったことにともなうもので、今回の延期によりARISSsat-1の放出は 2011年7月に予定されているEVA 29においてスケジュールが組まれる 模様としています。

【ARISSat-1 Web】
http://www.arissat1.org/v3/

【ARISSat-1 Frequency Guide】(AMSATのWebサイト、jpg形式)
http://www.amsat.org/amsat-new/images/fck_images/2011_ARISSat-1_Frequency_Chart(1).jpg

【ARISSat-1 Presentation Slides】(AMSATのWebサイト、PDF形式)
http://www.amsat.org/amsat-new/images/fck_images/ARISSat-1%20Overview%20Color.pdf

(2月16日)


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総務省がアマチュア無線技士国家試験に係る試験科目(電気通信術(モールス電信))の見直し案に対する意見募集の結果を公表

 総務省は、アマチュア無線技士国家試験における電気通信術(モールス電信)の見直し案について平成22年11月22日から同年12月22日までの間、意見募集をおこないましたが164件の意見の提出があり、提出された意見およびそれらに対する総務省の考え方を平成23年2月10日付けの報道発表で公表しました。

 総務省は「寄せられたご意見を踏まえて、本見直し案を実施するために必要となる関係法令の見直しをおこなう予定」と発表しています。

(2月10日)


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日本無線協会・平成23年度のアマチュア無線技士国家試験の開催日程を正式発表

 財団法人日本無線協会は、平成23年度のアマチュア無線技士国家試験の開催日程をこのほど正式発表しました。

 各級とも4月開催の国家試験の受験申請期間は2月1日〜21日(インターネットによる申請の場合は20日までです)ですので、受験を予定されている方は申請を忘れないように注意してください。

■第一級および第二級アマチュア無線技士

 4月期・8月期・12月期の3回で、日程は次のとおりです。

  • 4月期
    受験受付期間:電子申請2月1日〜20日、書面申請の場合は2月1日〜21日(消印有効)
    試験日:第一級4月9日(土)、第二級4月10日(日)
  • 8月期
    受験受付期間:電子申請・書面申請とも6月1日〜20日(書面申請は消印有効)
    試験日:第二級8月27日(土)、第一級8月28日(日)
  • 12月期
    受験受付期間:電子申請・書面申請とも10月1日〜20日(書面申請は消印有効)
    試験日:第一級12月10日(土)、第二級12月11日(日)

★試験開催地
東京都、札幌市、仙台市、長野市、金沢市、名古屋市、大阪市、広島市、松山市、熊本市、那覇市

■第三級・第四級アマチュア無線技士

 ここでは各地での開催月のみ紹介しますが、詳細な日程などは、日本無線協会の発表を必ず確認してください。

  • 関東地方
     東京都で開催の国家試験は、当日受付即日結果発表の、日本無線協会本部開催の国家試験を含めると毎月実施。東京都以外では、宇都宮市で10月に実施。
  • 東海地方
     名古屋市で毎月実施。名古屋市以外では、静岡市で8月・平成24年1月に実施。
  • 近畿地方
     大阪市での国家試験が7月、平成24年2月を除く各月に実施されます。池田市では当日受付即日結果発表の国家試験が7月に実施されます。
  • 中国地方
     広島市で5月・8月・11月、松江市で7月、岡山市で平成24年3月に実施。
  • 四国地方
     松山市で5月・7月・11月・平成24年2月、高松市で9月に実施。
  • 九州地方
     熊本市で6月・10月・平成24年2月、鹿児島市で6月、福岡市で8月・12月、大分市で9月、長崎市で11月、北九州市で平成24年3月にそれぞれ実施。
  • 沖縄地方
     那覇市で5月・8月・11月・平成24年2月に実施。
  • 東北地方
     仙台市で5月・8月・11月・平成24年2月、青森市で6月に実施。
  • 北海道地方
     札幌市で毎月実施。
  • 北陸地方
     金沢市で4月・6月・8月・10月・12月に実施。
  • 信越地方
     長野市で4月・7月・10月・平成24年1月、新潟市で6月・11月に実施。

★受験受付期間
 日本無線協会本部が開催している当日受付即日結果発表の国家試験、日本無線協会近畿支部が7月に大阪府池田市で開催する国家試験以外は、試験開催月の2カ月前となりますので、日本無線協会の日程表を参照のうえ間違えないように十分注意してください。

▽日本無線協会のWebサイト
http://www.nichimu.or.jp/
▽平成23年度第一級・第二級国家試験日程(PDF形式)
http://www.nichimu.or.jp/kshiken/pdf/ama1-2.pdf
▽平成23年度第三級・第四級国家試験日程(PDF形式)
※平成22年度の日程表も同時掲載されています。
http://www.nichimu.or.jp/kshiken/pdf/ama3-4_2223.pdf

(2月4日)


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DARC(ドイツの連盟)が第9回(2011)HST世界選手権大会参加選手を募集

 ドイツの連盟(DARC)から、第9回HST世界選手権大会の開催案内が、JARLに届きましたのでお知らせします。

 HST(High Speed Telegraph=高速電信)は、モールス符号(CW)を人間の耳による聴覚受信と手による筆記またはタイプで、どこまで速いスピードで正確に受信できるかを競う「CWのスポーツ競技」で、特にヨーロッパのハムが熱心に取り組んでいる競技です。

 2011年のHST世界選手権大会は、DARCがホスト団体となり、2011年10月19日〜23日に、ドイツ連邦共和国ビーレフェルト市で開催が予定されており、世界のIARU加盟団体の代表選手、および個人エントリーの両区分で参加選手を募っています。

 このHST世界選手権大会には、過去、JARLも選手団を派遣したことがありますが、近年の大会では受信技能の水準が極めて高くなっていることや、代表参加を希望される方が数少ないことから、連盟の選手団派遣はおこなっていませんので、本競技大会に挑戦してみたいという方は、個人参加の区分でエントリーされてください。

 個人参加の場合は、受信速度の制限はありませんので、どなたでも参加できます。高速CWの受信技能を競う以外に、スポーツ競技共通である「世界中のモールス通信仲間と交流できる素晴らしさ」もぜひ体験してみてはいかがでしょうか?

 大会の参加申込締切は5月31日。詳細はDARCの次のページ(英文)をご参照ください。

http://www.hst2011.de/

(2月4日)


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国際宇宙ステーションに到着!アマチュア衛星ARISSat-1

 国際宇宙ステーションには、H-IIBロケット2号機によって打ち上げられた、 JAXAの補給機「こうのとり」2号機(HTV2)が、1月27日18:34分(UTC)ごろ に無事ドッキングに成功し、世界のマスコミの間でも大きな話題を集めました。

 一方、ロシア連邦宇宙局は1月28日7時31分(UTC)、カザフスタン共和国の バイコヌール宇宙基地から、プログレス補給船(41P-M09M)を搭載した、 ソユーズUロケットの打ち上げをおこない、地球周回軌道に投入されたプログレス 補給船41Pが、1月30日02:39に国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングに成功。
 今回打ち上げられたプログレス補給船41Pには、長期滞在クルーの食料、 酸素、日用品、燃料等のほか、2.7トン以上の補給物資が第26次長期滞在クルー の手元に届けられました。

 さて、このプログレス補給船41Pには、世界のアマチュア無線家の方々に とっても、非常に興味深い機器が積み込まれていたことに皆さんはお気づきでしょうか。

 ARISS-RUとAMSATによりかねてから開発が進められていた、アマチュア 衛星ARISSat-1(写真上、出展AMSAT)です。国際宇宙ステーションに無事到着した、アマチュア衛星ARISSat-1は ロシアクルーによって、最終的な組み立て作業やテスト等がおこなわれ、 2月16日に予定されている、ロシアの船外活動(EVA)で宇宙空間に放出 が予定されています。

 先にもご紹介しました通り、当初、宇宙服衛星SuitSat-1(AO-54)の2号機として、開発が進められたARISSat-1が、宇宙空間に放出される時がいよいよ近づいてきました。

 ARISSat-1は、国際宇宙ステーションから放出直後のトラブルにより、兄貴分のSuitSat-1が完全に成し遂げられなかったさまざまなミッションのほか、SuitSat-1には備わっていなかった新しいミッションも帯びて宇宙の旅に向かいます。

 まもなくはじまるARISSat-1の宇宙空間の旅に大いに注目したいところです。

【ARISSat-1 Web】
http://www.arissat1.org/v3/

【ARISSat-1 Frequency Guide】(AMSATのWebサイト、jpg形式)
http://www.amsat.org/amsat-new/images/fck_images/2011_ARISSat-1_Frequency_Chart(1).jpg

【ARISSat-1 Presentation Slides】(AMSATのWebサイト、PDF形式)
http://www.amsat.org/amsat-new/images/fck_images/ARISSat-1%20Overview%20Color.pdf

(2月1日)


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