5月5日 南極昭和基地(8J1RL)が
こどもの日特別運用で約30名の青少年と交信

 南極昭和基地のアマチュア局8J1RLは、5月5日のこどもの日、日本国内の小・中高生を優先して交信をおこなう、第46次日本南極地域観測隊による、「こどもの日」特別運用を実施しました。
 当日は、東京・巣鴨のJARL事務局資料室に設置されたJARL中央局JA1RLと、愛・地球博特別記念局8J2AIの2局も特別運用に参加しました。

■JARL中央局JA1RL■

 東京・巣鴨のJARL中央局JA1RLには、JARL Webで子供の日運用のことを知った4人の小・中・高校生が集まりました。
 16:00ごろから、南極昭和基地8J1RLからのシグナルが聞こえ始め、コンディションは上がったり下がったりと安定してはいませんが、それでもこどもたち4人全員(小6〜高一まで)が10Wで次々に交信できました。
 その後も、JA1RLでは8J1RLの交信のようすをモニターしていましたが、この日はSが7〜8と強力に入感し、またノイズもほとんどないせいかクリアーに聞こえていました。

■愛・地球博特別記念局8J2AI■


 「わんパク宝島」パビリオン1階に設置された特別記念局8J2AIは、子供の日特別運用に備えて、南極に関する各種パネル展示をおこなってきましたが、この日は子供たちが南極に対して、どのような興味を持っているか、どんなことを知りたいかを調べるため、当日は開場後から来場する子供たちに「南極に聞いてみたいこと」のアンケートを実施。50人の子供たちがアンケートに協力してくれました(写真上左)。
 またお昼からは、毎日のレギュラー催事である工作教室をお休みにして、南極の説明や南極に関するビデオの上映なども実施するかたわら(写真上右)、8J1RLのシグナルの入感を待ちました。
 8J2AIでは3アマと4アマの資格を持つ2名の中学生が待機しました。会場では16:00すぎから、弱いながらも8J1RLのシグナルが聞こえ始めました。
 16:50ごろ、「東京のJA1RLに待機の4人の子供たちが無事8J1RLとの交信に成功」の報が入りました。そのころ8J2AIでの入感状況は今一歩不安定と言った感じで、8J1RLをコールした3アマ免許を持った中学生は50Wでようやく交信できたものの、4アマ免許の中学生は交信できていません。しかし、コンディションは時間の経過とともに上がっているようです。
 いよいよ交信が始まると、前を通り過ぎる多数の来場者が、興味深げにブースをのぞき込んできます(写真右)。
 そして、いよいよスケジュールQSOの定刻18:00。
 8J1RLの小林隊員から8J2AIへのコールがありました。8J1RLのシグナルはたいへん強力です。
 無事、スケジュールコンタクトが完了後、8J1RLは女性隊員の濱本さんにオペレーターチェンジしました。この数年間で、8J1RLの女性隊員による運用は、非常に珍しいケースです。
 濱本さんは、2人の中学生の質問に対して、楽しい応答をしてくださいました(写真左)。
 無事交信に成功後、場内は拍手の渦。ブースのスタッフはもとより、最初は不思議そうにブースに立ち寄った、一般来場者の方々も、惜しみもなく拍手を送ってくれていました。

■南極8J1RLから子供たちへのメッセージ■

 昭和基地からは交代で5人のオペレーターが運用し、「今日の昭和基地の気温はマイナス8度、風速14メートルで昨日まで風速30メートルを超えるブリザードが吹き荒れ、アンテナが一部破損した」「昭和基地ではいろいろな仕事があるので将来ぜひ昭和基地に来ることをめざして勉強してください」「今後もアマチュア無線をがんばって続けてください」などのメッセージが子供たちに向けて伝えられました。
 この日、JA1RLと8J2AI以外でも、昭和基地から日本全国の子供たちのアマチュア無線局を対象に呼びかけがあり、昭和基地からのレポートによれば、通信状況が悪化する19:30ごろまでに約30名の全国の小学生、中学生、高校生との心温まる交信が成功したそうです。