南極 8J1RL

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8J1RL

南極には、日本を含め30ヶ国以上が観測基地を設置しています。日本は1956年(昭和31)11月に「宗谷」が 初めて南極をめざし出発、翌1957年1月にオングル島に上陸したのが、第1次観測隊による「昭和基地」の誕生でした。

その後、JARLは1965年(昭和40)に 8J1RLの免許を取得、第7次観測隊の協力を得て、翌1966年に念願の南極から 8J1RL の電波を発射、以後みずほ基地での 8J1RM と ドームふじでの 8J1RF も開設しながら今日に至っています。

地理的に言うと昭和基地はアフリカのずーっと南に位置しています。 そのため、日本からみると比較的に難易度が高いエリアかもしれませんが、ぜひ皆さん、8J1RLが聞こえていましたらお声がけください!!

QSLカードコレクション

第63次南極地域観測隊の出発・昭和基地到着にあたり(2022.6)

 日本の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 3月に入りやっとアンテナ工事をおこなうことができましたが、休みの日に限って訪れるブリザードによりなかなかはかどらず、結局5月5日のこどもの日は仮設での運用となりました。アンテナの地上高も低く、21MHz帯SSBでは1kW局がわずかに聞こえる程度で、当日の交信については厳しくなることが予想されました。

 何とかケーブルを引き回して予定時間となり、耳をそばだてるとかすかに「JA1RL」のコールが聞こえました。
 業務のため参加することができなかった1 名を除き、それぞれ順番にオペレータの名前を交換しながら「この出力でも日本まで届くんだなあ」など感想を言い合っていました。もう少しコンデションがよければこちらの様子などラグチューができたのですが。
 3名はこれがアマチュア無線の初交信でしたが、フェージングやノイズの中で名前を交換していると、和文通話表の威力を改めて感じているようでした。
 残念だったのが心配していたアンテナエレメントが外れてしまい、その後の運用に支障が出てしまったことで、3時間ほどでなんとか仮復旧にこぎつけたのですが、すでに時遅しとなってしまいました。

 すでに日が差す時間はほとんどなくなっており,気温も日中でもマイナス20度を下回る日が多く、アンテナ工事は日が昇らない極夜があける7月以降に先送りとなってしまいましたが、何とかアンテナをちゃんと設置して夏休みの時期にでも同様の企画をおこなうことができればと思っています。

協力・写真提供:国立極地研究所
レポート:第63次南極地域観測隊 藤本理隊員

第61次南極地域観測隊から日本のアマチュア無線家の皆さんへ(2021.2)

JARL NEWS 2020年秋号で、第61次南極地域観測隊からのJARL局(8J1RL)最新レポートをお届けしましたが、南極観測船「しらせ」により帰国途中の同隊・隊員からの、日本のアマチュア無線家の皆さんへ向けたメッセージをお届けします。


 

日本のアマチュア無線家の皆さんへ

こんにちは。
第61次南極地域観測隊の氏家です。
1月18日には1年間の越冬任務を終了し昭和基地を離なれることになりました。

8J1RLについては、1月14日に第61次隊の運用をすべて終了し、第62次隊への引き継ぎを行いました。

これで第61次隊の運用を締めた訳ですが、第61次でのQSO数は約13,000局弱となりました。
ここ数年での運用には、ほとんどないCWやVoIPを活用した通信も相当数QSOできて良かったです。

QSLカードは帰国後、QSLビューロー経由でお届けさせていただきますので、お手元にお届けできるまでもうしばらくお待ちください。

皆様からのご支援ご協力にお礼申し上げます。

第61次日本南極地域観測隊
通信担当 氏家宏之

協力・写真提供:国立極地研究所

 

南極観測船「しらせ」、南極・昭和基地へ出発!(2020.12)

 2020年11月20日に、横須賀から南極観測船「しらせ」により、南極・昭和基地へと出発した、第62次南極地域観測隊の出発レポートをお届けします。
 新型コロナウイルスの影響で、長い観測隊の歴史の中でも異例ずくめの出航となったようです。
 第62次南極地域観測隊は、これから1ヵ月ほどの航海を経て昭和基地に到着し、夏隊は2021年2月22日頃、越冬隊は2022年3月22日頃に帰国する予定です。

★    ★

 皆さま、こんにちは。第62次南極地域観測隊のJG3PLH近藤巧です。
 2020年11月20日、南極観測船しらせの母港である海上自衛隊横須賀基地から小型ボートに40分ほど乗船し、沖に停泊しているしらせに乗船しました。
 出発は早朝で、見送りに来た方々に接近したり、会話はできないことが事前に通知されておりましたが、基地近くのヴェルニー公園に多くの人が来られ、見送っていただきました。

 今年は新型コロナウイルス感染症対策で、しらせに乗船する2週間前から隔離生活とその前後3回のPCR検査を受けて、陰性であることが確認できた隊員のみ乗船できるという対応がとられました。観測隊員44名は全員この検査をパスし、無事出港することができました。この対応は、絶対南極にウイルスを持ち込まないというポリシーのもとにおこなわれています。
 準備中は他人との接触をできる限り避け、一部の訓練はZOOMなどのテレビ会議システムを使って行われました。また、隔離中もテレビ会議システムを使い、毎日打合せや講義がおこなわれ、いつもと違う準備期間となりました。

 例年しらせは一度オーストラリアに寄港し、物資を搭載し、空路でオーストラリアに入った観測隊員を乗せ南極に向かいますが、今回は全員日本からしらせに乗船し、どこにも寄港せず直接南極に向かいます。無寄港、無補給での南極往復は長い観測隊の歴史の中で初めてのことです。

 私は昭和基地に向かうのは8回目になります。最近の4回は昭和基地での活動が約2ヵ月と短い夏隊での参加で、昭和基地のアマチュア無線局を運用するのは難しかったのですが、今回は基地に1年以上滞在する越冬隊に10年ぶりに参加するため、8J1RLの運用をすることができそうです。しかしながら、太陽活動が低下しており、基地に滞在する一年あまりの間に活発化していくよう期待しています。

 5月には毎年行われているこどもの日の運用を予定しており、運用を通して、青少年にアマチュア無線や科学技術を研究する楽しさをお伝えできればと思います。皆さんと無線を通じてお会いするのを楽しみにしています。

協力・写真提供:国立極地研究所
レポート:第62次日本南極地域観測隊 近藤巧隊員

第61次日本南極地域観測隊、8J1RLの運用を開始!(2020.3)

既設タワー

第61次南極地域観測隊越冬隊より、8J1RLの準備状況や運用状況等について情報をいただきましたので紹介します。

 2020年1月に昭和基地に入り、2月1日から実質的に第60次越冬隊員の里中氏から任務を受け継ぎました。
 1月2月は南極地方の夏期間となり、この時期しか出来ない作業と観測業務の引継ぎなどで休日も無くフル稼働しておりました。
 2月中旬には白夜も終わり日の沈む時間が出来てきたことで徐々に越冬に向けたムードに変わってきました。
 日曜日は休日として休める様になり、業務以外の趣味に取り組む姿も多く見られるようになりました。
 私達も例外ではなくコンディションアップに向けて設備の構築に取り組んでおります。


新設タワー

左の写真の様に3.5/7MHzのワイヤーダイポールと10,18,24MHzの3エレ、14,21,28MHzの4エレを10m以上の高さのタワーを新設しました。
既設アンテナから新設アンテナまですべて日本向けに設置してあります。
新設設備も2月末にケーブルの接続まで終わり、3月中旬から運用開始しました。
夕食後から就寝までの時間を無線シャックで運用に費やしていますが、コンディションが悪く苦戦しています。
第61次南極地域観測隊の運用として現時点までの総数が500局を超えた程度です。
頑張ってCQを出しても応答が無い様な最悪のコンディションですが、出来る限り根気強く運用してまいります。

ブリザードによるアンテナ機器の破損等がありましたが、修繕作業を実施して通常運用が可能な状況になっております。

レポート:第61次日本南極地域観測隊 山本貴士隊員

こどもの日特別公開運用

南極昭和基地に開設されたJARL南極局8J1RLは、毎年5月5日のこどもの日に、日本国内の小・中・高校生を優先して交信をおこなう「こどもの日」の特別運用を実施しています。

2022年の特別公開運用