今年は新型コロナウイルス感染症対策で、しらせに乗船する2週間前から隔離生活とその前後3回のPCR検査を受けて、陰性であることが確認できた隊員のみ乗船できるという対応がとられました。観測隊員44名は全員この検査をパスし、無事出港することができました。この対応は、絶対南極にウイルスを持ち込まないというポリシーのもとにおこなわれています。
準備中は他人との接触をできる限り避け、一部の訓練はZOOMなどのテレビ会議システムを使って行われました。また、隔離中もテレビ会議システムを使い、毎日打合せや講義がおこなわれ、いつもと違う準備期間となりました。
例年しらせは一度オーストラリアに寄港し、物資を搭載し、空路でオーストラリアに入った観測隊員を乗せ南極に向かいますが、今回は全員日本からしらせに乗船し、どこにも寄港せず直接南極に向かいます。無寄港、無補給での南極往復は長い観測隊の歴史の中で初めてのことです。
私は昭和基地に向かうのは8回目になります。最近の4回は昭和基地での活動が約2ヵ月と短い夏隊での参加で、昭和基地のアマチュア無線局を運用するのは難しかったのですが、今回は基地に1年以上滞在する越冬隊に10年ぶりに参加するため、8J1RLの運用をすることができそうです。しかしながら、太陽活動が低下しており、基地に滞在する一年あまりの間に活発化していくよう期待しています。
5月には毎年行われているこどもの日の運用を予定しており、運用を通して、青少年にアマチュア無線や科学技術を研究する楽しさをお伝えできればと思います。皆さんと無線を通じてお会いするのを楽しみにしています。
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