■南極リポート(第11回) 『1年間の運用を終えて』
日本のみなさん、こんにちは。
昭和基地では、次の1年間を担う47次の越冬隊員を迎えて夏の建設作業や引継ぎ業務に忙しい
日々を過ごしています。私たちの昭和基地での生活も残り少なくなりました。
多くの皆さんと交信させていただいた8J1RLは、1月25日を最後に46次隊での運用を終了しました。
私たち8J1RLのメンバーは南極の自然の中、驚きと感動と共に昭和基地から電波を出す機会が
得られたことを、たいへん幸せに思っています。 |
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昨年3/6に運用を開始し、これまで運用を続けていましたが、極域の電波伝搬状況は予想以上に悪く、日本からの電波が安定して入感する時間が少なかったのが今回の特徴でした。
そのため、電話(SSB)での通信が困難なことが多く、電信(CW)での運用が8割以上を占める結果となりました。
そんな中、5月5日の「子供の日 特別運用」では、愛知万博会場と巣鴨のJARL事務局に集まって
くれた皆さんと楽しい交信ができたことは、とても良い思い出になっています。
2月1日の越冬交代後、昭和基地の維持管理は47次隊に委ねられます。8J1RLの運用も引き継ぐのが通例ですが、47次隊にはアマチュア無線局を運用する隊員がいません。たいへん残念ですが、今後1年間は8J1RLの電波は聞くことができなくなります。ちょっと寂しくなりますが、再開の時を楽しみに待ちましょう。
最後に、8J1RLを応援してくれた全国の皆さん、ほんとうにありがとうございました。
(第46次日本南極地域観測隊 小林正幸 JR1FVH 2006/1/30)
写真1(上から):今次隊のQSLカード。「しらせ」で日本まで運ばれてから、皆さんの元に届きます。(画像をクリックすると大きな画像で見られます。以下おなじ)
写真2:1年間の風雪に耐えたアンテナ。青空と後ろの氷山群が、とてもきれいです。
写真3:アデリーペンギンと雛。1月、アデリーペンギンは子育真っ最中です。
写真4:ナンキョクオオトウゾクカモメ。翼を広げると130cmほどになり、うっかり巣に近づくと攻撃してきます。
写真5:ユキドリ。目とくちばし以外は真っ白な鳥で、岩場に巣をつくります。
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