■第15回 第14回へ 第16回へ ログページはこちら

 夏休み特別運用のお知らせ

 8J1RLは5月に行った「こどもの日特別運用」に引き続き、「夏休み特別運用」をJARL事務局の協力で8/16,17に行います。詳細については、JARL事務局から別途周知されていることと思いますが、子供の日特別運用と同様にコンディションに恵まれることを期待しております。
日本の小中高生の皆さん、南極昭和基地との短波帯での交信にまたチャレンジしてみてください。

 さて、昭和基地は去る7/31に猛烈なブリザードに襲われ、7月としては基地での気象観測が始まって以来二番目の記録となる最大瞬間風速51.9m/sという風が吹き荒れました。風速30m/s程度のブリザードには慣れてしまった隊員でも、さすがに50m/sを超える風となると内心穏やかでは無かった様子でした。
ドリフトと呼ばれる雪のかたまり
スタブが破損したアンテナ
▲ドリフトと呼ばれる雪の固まり ▲またもブリザードに破損されたスタブ

 下図は昭和基地の定常気象観測部門によるブリザード期間中の観測結果ですが、ブリザードが始まると風速が急激にピークに達し徐々に弱まっていく様子が分かると思います。最初は平均風速5m/s以下の風だったものが、僅か数時間アッという間に平均風速30m/sを超え、それが10時間以上継続するのは日本ではほとんどあり得ない気象現象です。横軸は1マス一時間、縦軸は1マス5m/s。青い線が平均風速、ピンクの線が最大瞬間風速です。
 このため、修理したとお知らせしたWARCバンド用の3エレメント八木アンテナも、前回と全く同じ箇所であるショートスタブを支えている4mmφのビスが折れてしまい、最低気温が-30℃前後となった今の季節では屋外での修理もままならず、当分はブラブラ状態のまま運用せざるを得ません。
(上右の写真)
 また、建物の風下側には上左の写真のようにドリフトと呼ばれる大量の雪が溜まり、場所によっては一晩で二階建ての建物の屋根と同じ高さにまで達するものもあり、しばらくは除雪作業が続きそうです。

10分ごとの風速変化の表
【8月5日昭和基地発】

(第44次南極地域観測隊 芝崎)

Tnx 国立極地研究所