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 極夜に入った南極昭和基地

 南緯69度の位置にある昭和基地は、5月30日の太陽を最後に2003年の極夜(太陽が見えない季節)が始まりました。まだ極夜は始まったばかりなので、正午を挟んでの数時間は、日本の冬の夕方くらいの明るさですが、ミッドウィンターと呼ばれる極夜の折り返し点となる6月22日前後は昼でも真っ暗となり、極夜が明けて太陽が見えるのは7月14日です。
▲極夜数日前の朝焼け
 さて、8J1RLの運用ですが、まるで極夜に合わせたかのように猛烈な磁気嵐(と推測される)に見舞われております。原因はご存じの方もいらっしゃると思いますが、太陽の活発な活動に伴い秒速800kmというもの凄い速さの太陽風(太陽爆発の際に放出された荷電微粒子群)が地球に到達し、これが地球の磁界や電離層に影響をもたらしていると言われています。

 とにかく5月末頃から、日本国内で電波を発射しているNHK国際放送や共同新聞社のFAXさえもわずかに聞こえるのみです。出力300kW〜500kWのラジオジャパンでさえこの状態ですから、アマチュア局の信号は聞こえるはずもありません。当分は日本とのオープンは望めませんが、時間が経てば正常に戻ると思われます。
【6月2日昭和基地発】

(第44次南極地域観測隊 芝崎)

Tnx 国立極地研究所