愛媛県・砥部中学校でARISSスクールコンタクト 宇宙とつながった10分間

愛媛県・砥部中学校でARISSスクールコンタクト
宇宙とつながった10分間

 2026年5月12日、愛媛県伊予郡砥部町の砥部中学校でARISSスクールコンタクトが実施され、生徒たちが国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の宇宙飛行士とのアマチュア無線交信に成功しました。ISSが上空を通過するわずか約10分間の交信時間の中で、代表生徒11人全員が宇宙飛行士との交信を果たし、宇宙を身近に感じる貴重な体験となりました。今回のプロジェクト成功の様子をご紹介します。(同校への取材をもとに構成しました)

 今回の取り組みは、約3年3か月前に始まりました。地元のアマチュア無線クラブに所属する砥部町教育長から当時の校長へARISSスクールコンタクトの情報提供があり、理科教員でもあった前任校長が、生徒たちにとって宇宙に対する関心を高める貴重な機会であると考え、プロジェクトに応募しました。
 その後、今年の冬頃に実施の可能性があるとの連絡があり、実現に向けて、地元のアマチュア無線クラブの方々がアンテナの設置位置や通信の可能性などを確認に来られるなど、具体的な準備が進められました。

 実施が決まったことを生徒たちに伝えると、「一生に一度の体験なので、ぜひやってみたい」など、前向きで意欲的な声が多く聞かれ、「宇宙飛行士と本当に話せるの?」と驚く様子も見られました。普段は経験することのないISSとの交信に対して強い興味や関心を示し、アマチュア無線での交信に期待を膨らませ、主体的に参加しようとする生徒が多くいました。
 本番に向けては、学校と関係者による綿密な準備が進められました。どのような形で開催するかについて打ち合わせを重ねるとともに、英語でのやりとりをどのように聞き取るか、解説をどうするかなどALTの先生からもアイデアをもらいました。
 ISSとの交信日程は約1週間前になってようやく決まり、そこから急ピッチで最終確認を行い、わずか約10分間という短い交信時間の中で、失敗がないように入念に準備を行いました。

 当日は校内の多目的室を会場として、希望する生徒や保護者、教職員など約100人と、町長や教育長も来場し、生徒たちの挑戦を見守りました。交信前には、理科教員による特別授業も行われました。宇宙やISSについてパワーポイントを用いて分かりやすく解説したほか、ISSでの生活や宇宙空間の映像も紹介され、生徒たちはこれから始まる交信への期待を高めていました。
 そして迎えた本番。交信開始前に10秒前からカウントダウンが行われ、会場は緊張感に包まれました。しかし、呼びかけを行ってもすぐには応答がなくドキドキしましたが、それでも何度か呼びかけを続けた後、ついにISS滞在中の宇宙飛行士 ソフィー・アデノさんの声が聞こえてきました。その瞬間、会場には大きな喜びが広がりました。
 交信では、代表生徒11人がそれぞれ自分たちで考えた質問を宇宙飛行士に投げかけました。宇宙での生活や仕事、地球の見え方などについて質問し、宇宙飛行士から直接回答を得ることができました。
 国際宇宙ステーションでは、危険を伴う実験をすることもあるため、チームの信頼関係がとても大切であること、病気になったときは、お医者さんとコンタクトをとったり、薬を飲んで休んだりすること、地球がとても美しいことなど、多くの貴重な話を聞くことができました。予定どおり11人全員が交信を終え、ARISSスクールコンタクトは大成功のうちに終了しました。

 交信後、生徒たちからは「めったにできない体験ができて光栄だった」「宇宙がぐっと身近に感じられた」「宇宙への興味がさらに湧いた」といった感想が聞かれ、「準備を重ねてきたので、当日は本当に宇宙とつながっている実感があり、とてもわくわくした」という声もありました。
 会場で見学していた生徒たちからも「とても楽しかった」といった感想が寄せられ、学校全体で感動を共有する機会となりました。
 アマチュア無線によって学校と宇宙が直接結ばれた10分間は、生徒たちにとって生涯忘れることのできない貴重な経験となりました。今回のARISSスクールコンタクトの実施にあたり、ご協力いただいたアマチュア無線クラブの皆様をはじめ、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。