ARISS Japanのサポートで実施。日本を除くアジアでは2例目
「アジア太平洋スカウトジャンボリーの参加スカウト」が
ARISSスクールコンタクトで国際宇宙ステーションと交信

 2005年の大晦日、第25回アジア太平洋スカウトジャンボリーの会場から、14名のスカウトたちがARISSスクールコンタクトにより国際宇宙ステーションとの交信に成功しました。日本国内を除くアジアでは2例目の実施になります。
 スクールコンタクトは、8分間にわたりNA1SSの宇宙飛行士Bill McArthur, KC5ACRと交信をおこないました。
 各国のスカウト・指導者、役員、政府幹部や報道関係者が見守るなか、コントロールオペレータのE20YZDヌイ君のコールに、Billが答えると大きな歓声が沸きあがりました。
 地上からの「地球外生命の可能性は?」という質問に対して、「宇宙には何億何兆もの恒星があり、そこには惑星がある」「だから地球以外に生命維持ができる天体は必ずあると思っている」と答えてくれました。
 アジア太平洋ジャンボリーは4年に1回開催される国際的な行事で、タイの首都バンコクの東南約170kmのSattahipで開催され、アジアを中心に世界各国からの参加者がありました。交信したスカウトたちは、会場到着後に選抜試験をうけたのち、タイ政府の免許を受けてから交信に臨みました。
 今回のスクールコンタクトは、ジャンボリー期間中の活動のひとつ、「Science City」の目玉として実施されました。
 準備に当たっては、1年前よりARISS、JARLならびにReg3事務局のサポートを得て、タイ国情報通信技術省、文部省、タイのアマチュア無線連盟RAST、地元ハムクラブの後援により実現しました。
 ジャンボリー会場では青少年が1週間のキャンプ生活を送りながら、マリンアクティビティ、地域開発、相互理解、科学技術などのさまざまな活動に参加し、交流を深めました。
 Science Cityでは、自然環境、航空宇宙、情報通信技術をテーマとし、通信コーナーではE25AJによる交信、ARISSコンタクトのほか、衛星通信、FOXハンティング、GPS、電子工作、Web画面製作、電話工事を企画し、各国からのスカウトたち(中学、高校年代)が参加しました。
 衛星通信コーナーでは、日本国内のスクールコンタクトのビデオ上映、宇宙技術の紹介、衛星追跡ソフトを使った交信などを約600名が体験しました。

【レポート:JI1CUJ長田雅史さん】


▲国際宇宙ステーションとの交信のようす

▲交信成功後インタビューを受ける子供たち