「ハムフェア40周年 アマチュア無線で遊ぼう!!」

自作品コンテスト入賞作品

 ハムフェア2016自作品コンテストには、規定部門に20作品、自由部門に17作品の応募がありました。第一次審査(書類審査)に合格した作品の中から、第二次審査をおこなった結果、次のとおり各部門の受賞が決まりました。
 受賞者のみなさんおめでとうございます。
 入賞作品はハムフェア2016会場内に展示をおこない、受賞者の方々にはハムフェア2016イベントコーナーで表彰状が授与されます。

【規定部門】「電鍵、マニュピレーター」
(オーディオ発信器やメモリーキー等の電子回路部分については、評価の対象としない)

最優秀賞
(総務大臣表彰予定)

縦振り電鍵(ストレートキー)
JA1CQJ井伊勝行さん

【おもな特徴】

  • ユニークな正方形をベースに構成
  • 針バネを使用
  • 真鍮材の美しさを生かすための錆防止処理(プライマー処理+クリアラッカー)
  • 軸受けに10mmφのベアリングを使用しなめらかな動きを実現
  • ベースのアクリルと台座の大理石により静かな打鍵が可能。

【寸評】
高級市販品に迫る仕上がり+応募作品の縦振りキーの中で最も打ちやすかった。

優秀賞第1席

ストレートキー×マニュピレーター
JH4JBJ原田英明さん

【おもな特徴】

  • 一つの架台に電鍵(ストレートキー)と2枚レバーのマニュピレーターを装備
  • 架台部は縦120mm×横120mm×厚さ13mmの鉄製プレートを使用し安定性を増している
  • 電鍵部の支点にはボールベアリングを使用し可動部の摩擦を減らしている
  • マニュピレーター部の接点には先端に真鍮のついた止めネジとリレー接点を利用し柔らかな感触を実現
  • 機構部の材料はアルミ角棒、真鍮丸棒を加工し他は一般的な金属部品を使用
  • 接点間の距離やバネ圧は工具を使用せずローレットナットで調整可能

【寸評】
作りがしっかりしている。ほどよい重量

優秀賞第2席

固定局からアウトドア
JR1SUR高野良一さん

【おもな特徴】

  • 小型で独特な形状
  • 電鍵およびマニュピレーターと固定用ベースの3点のパーツで構成し取り外し可能
  • 固定運用から移動運用に簡単に取り付け、取り外しが可能
  • 快適な運用ができるように軸受けにベアリングを使用しメンテナンスフリー
  • 各電鍵およびマニュピレーターとも足の裏にマグネットを仕込んである

【寸評】
金属加工が素晴らしくデザインもよい。

優秀賞第3席

綺麗なピカピカ自作パドル
JH4PMD杉村憲史さん

【おもな特徴】

  • 鏡面仕上げとするために真鍮を材料とし、やすりとバフで仕上げた
  • 接点も真鍮ビスを使い安定性を高めた
  • 精度を上げるためにマイクロフライスを導入し、ビスを除くほとんどの部品から作り上げた
  • 特にベース部はスチール台+真鍮板でコストと見た目を両立させ、重量もあり安定した操作が可能

【寸評】
金色で高級感がある。

静かで賞

静かなミニ電鍵
JE1GIX金子勝郎さん

【おもな特徴】

  • すぐ隣に人がいても、操作音が気にならない構造
  • ホームセンターや100円ショップなどで手に入る入手容易な部品を使用
  • フライス盤やホールソー等の特殊な工具を使用しなくても製作が可能
  • 大きさが60mm(W)×80mm(D)×70mm(H)と移動運用でも使用できる小型サイズ

【寸評】
無接点、クリック音がない点がよい。

タッチパドル
JK1FNL小林直行さん

【おもな特徴】

  • タッチセンサICを使った簡単回路を使用
  • タッチセンサの感度を調整可能
  • パドルのベースにはスキューバダイビングで用いられるウエイト(おもり)を使用し十分な重さで安定した打鍵が可能
  • ウエイトは形がいびつだが綺麗な色にコーティングされているので、本機も明るい感じに仕上げた
  • パドル部分は簡単にウエイトから取り外し可能。パドル部分は大変軽くこの部分のみ移動運用に持って行くことも可能

【寸評】
カラフルな仕上がりがかわいい。



自由部門

最優秀賞
(総務大臣表彰予定)

50MHz AM QRPpトランシーバー
JA8CXX高野順一さん

【おもな特徴】

  • 送信部は周波数混合方式であり、スプリアスの点で不利なため、可変周波数発振回路、混合回路のみならず、局部発振回路にも複同調BPFを使用、終段増幅の後には4段のLPFを使用してスプリアス対策を強化
  • 過変調を防止し、平均変調度を上げるために変調回路に自動レベル制御+AFリミッター回路を使用
  • 占有帯域幅を制限するために、3kHzのLPFを変調回路に挿入

【寸評】
特にフロントパネルのデザインがよくできている。実用性も高そうである。

優秀賞第1席

7MHz CWトランシーバー
JK1LSE本田 進さん

【おもな特徴】

  • 130mm(W)×90mm(D)×30mm(H)のコンパクトサイズ(突起物を除く)で実現。重さは321グラム
  • 終段にE級増幅器を採用して高効率を実現(終段回路単体で最高90%以上)
  • E級増幅器の特徴を活かした連続可変が可能なパワーコントロール回路を搭載し、QRPにも対応(0.5W〜10Wまで連続可変可能)
  • E級増幅器は独自のプッシュプル回路方式と調整方法により、高効率でかつ第2高調波の劇的な低減を実現(新技術基準に適合)
  • 前記の特徴を活かして、発熱やフィルターの増大を防ぎ小型化を実現
  • クリーンな電波の質を得るために、タイミング専用のマイコン(PIC)を用いて、キークリックを防止したソフトキーイングを実現
  • 実践で快適に使用するために、よく使うエレキ-など付加回路を搭載

【寸評】
このサイズで10W近く出るのは素晴らしい。E級のおかげ。小さなケースにとてもよく作り込んであります。

優秀賞第2席

CWm(CW Messenger)
HK & HK(代表:JH1KBG川上博士さん)

【おもな特徴】

  • 二つのスピーカを搭載し、左側から和文モールス信号、右側から音声が鳴る。音声は別々に調整可能 〇カラー表示器を搭載し、和文モールス信号を変換した文字と、発音する文字の両方をカラーで表示
  • 充電式の電源を内蔵し、充電はパソコンのUSBから可能
  • 音声入力拡張モード(独自工夫の入力方法)を採用し、濁音(例:ば)、半濁音(例:ぱ)、促音(きっ)、拗音(例:きゃ)の発音が可能

【寸評】
和文モールスが音と文字で表示されるので非常にわかりやすい。

優秀賞第3席

7/10MHz CW QRPトランシーバー
JA1VXQ塚原敏夫さん

【おもな特徴】

  • 小型軽量でハイキングや山歩きへの持参に便利 〇回転操作部がないので、送信中に誤ってチューニングダイヤルなどに触れてしまうことがなく操作性が良好
  • 使用したIC(Si5351A)にはクロック出力が三つあり、それぞれTX-VFO、RX-VFO、RX-BFOに使用。この構成より、受信回路にはRITに加えてIF_SHIFT機能を実現
  • 再現性と実用性を重視し、専用プリント基板を作成

【寸評】
本体、キーヤー、電池の3点セットで実用的な運用が可能。性能もよい。

技術賞

フルデジタル・マルチバンドSSBジェネレータ
JA7QOU山崎秦男さん

【おもな特徴】

  • SSB送信機も時代がデジタル方式になってきたので自作に挑戦した。SSB送信機の前段に使用する。
  • 音声をdsPIC内でAD変換し、SSB帯域のデジタルバンドフィルターに通す。フィルターを通した信号をヒルベルト変換し、I・Q信号を作り、それを66kHzにオーバーサンプリングする。I・Q信号を次段のDDS ICに送り、DDS IC内で処理して、HF帯のSSB信号を取り出す。出力は−10dBm未満のため、アンプとバンドパスフィルターを通し100mW出力とする
  • 低価格のIC(dsPIC)を使用
  • フルデジタル方式にしたので安定度がよい

【寸評】
出力の信号がとてもクリーンで、このままでもパワーアンプにつなげそうなレベルと言える。

奨励賞

微弱電波無線電信機
JP3JUZ神谷知宏さん

【おもな特徴】

  • 昨年、有線電信機を作ったので、無線電信機が作りたくなりました
  • 複雑な工作が不要なようにできるだけ簡単な回路になるように考えました
  • 受信器にFMラジオが使えるような周波数としています
  • FMラジオの同調ランプにブザーを付けると電信が音で聞こえます

【寸評】
小学生5年生のハムの作品です。今後の自作や無線の技術に関する大きな期待を込めて奨励賞をお贈りすることとしました。


今回応募があったそのほかの自作品コンテスト第1次審査通過作品も併せてご紹介します。

■規定部門■

▲「ピアノキー」(JA9BSL野村 実さん)

▲「左打ちバグキー」(JS1BKR田中 巧さん)

▲[電鍵(今日はCW気分)](JA3MMR島田吉博さん)

▲「マニピュレーター」(JA1DKU伊藤 毅さん)

▲「電鍵(シングルレバーパドル)」(JA7SOU大内芳次郎さん)

▲「New concept;Separated Morse Key“Dot-key & Dash-key”」(JH1MMB榎 雅晴さん)

▲「ゼムクリップキー」(JM1OOP奥津謙一さん)

▲「ピッカピッカの〜ボタン電鍵」(JR2KPO一ノ瀬 葵さん)

▲「小型ストレートキー」(JA3HKR吉田清和さん)

▲「ドラムスペダル式電鍵」(JA5ILE石川英明さん)

▲「フィンガー タッピング キー(finger tapping key)(JA6FQH江崎勝典さん)

▲「簡易パドル」(JA1XRQ山繁一さん)

▲「中立点保持に工夫したシングルレバーマニュピレーター」(JA2AEP加藤 厚さん)

▲「Blockey」(JN3XBY岩永敏弥さん)

自作品コンテスト
規定部門
第1次審査
通過作品
■自由部門■

▲「12BE6 50MHz AM送信機」(JF2NMY高木正人さん)

▲「レトロ 6 AM MKU」(JA1SEL秋林 登さん)

▲「QRP 50MHz AM真空管無線機」(JR0PHS堀内 修さん)

▲「孫のRF実験装置」(JA3CVF森本 清さん)

▲「遠隔表示機能付き電界強度計」(JA1MKB黒岩 保さん)

▲「遠隔PTT装置」(JR1BAL志賀 崇さん)

▲「1200MHz 9エレメント・円偏波クロス八木アンテナ」(JA1CPA中村英治さん)

▲「フルデジタルSSBジェネレータ」(JR0VLT丸山孝明さん)

▲「デンチパック」(JE1QJE加藤勇一さん)

▲「7MHz QRPp SDRトランシーバー」(JF3RGS奥山悦雄さん)

▲「オールインワン メジャーアンテナ」(JH1NNI星原義彦さん)


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