JARL会長 平成28年6月12日

一般社団法人日本アマチュア無線連盟
会  長  山 之 内  俊 彦


 JARLは、本日満90年を迎えました。創立は、大正から昭和にかわる年1926年の6月12日とも18日とも言われています。現在JARLでは、6月12日を創立宣言が全世界へ打電された日として、この日を創立記念日としています。
 このため昨年6月から各種催事や事業を実施し、ハムフェア2015に合わせて祝賀会を開催しました。

 本年4月現在では、JARL創立90周年記念会員増強キャンペーンの成果もあり、21年ぶりに前年同月比で会員増加となりました。
 一昨年まで、会員制度と会員減による単年度財政の赤字が続いており、対策として主に実施事業の見直しと支出削減をおこなってきました。今回マイナス幅は大幅に圧縮していますがプラス財政はこれからの道です。
 ここ2~3年の新法人化後の経験から言えることは、会員事業の見直しと収入の増加を図る以外に財政健全化の道は無いということです。

 ところで、今のJARLが直面している問題は、財政と会員減だけでなく、会員の高齢化という重大な問題もあります。
 20年前、JARL会員の年齢構成のピークは40歳代でした。10年前は50歳代、今は60歳代になっています。このまま放置していると、10年後20年後はどうなっているでしょう。
 JARLを将来に向けて安定的に継続していくためには、会員の増強と若い世代への働きかけが不可欠です。

 また、全ての世代でのアマチュア無線の広報・啓蒙が必要です。例えば、カムバックハムへの働きかけ、新規にアマチュア無線の資格を取得した方々へはJARLのPR、将来を託す青少年へは、アマチュア無線を知っていただく広報が必要です。

 今、新規にアマチュア無線の資格を取得する方は結構多くいらっしゃいます。国家試験受験者や、養成課程講習会受講者には、大学生など若い方々も多数見られます。
 ところが、大多数の新規資格取得者にはそのあとのフォローが十分とは言えません。そこで、関係団体の協力を得て広報活動などを始めていますが、これをもっと積極的に進めることが大切です。この時、JARLの紹介もしたいわけですが、それには今の時代・社会に合わせてJARLの魅力を磨いていかねばなりません。

 本日、JARL創立90周年の日を迎え、次の100周年に向けて、活発なアマチュア無線の活動が続いていくよう、皆様のご支援ご協力をいただきながら一層の発展を目指してまいりたいと存じます。