July 2015 NEWS TOPICS INFORMATION

フレッド・ジョンソン氏(ZL2AMJ)が逝去(元IARU第3地域理事・議長)

 1985年から約20年にわたりIARU第3地域の理事・議長として、この地域はもとより、世界のアマチュア無線の発展に尽くしてきたジョンソン氏が、7月23日に逝去されました。83歳でした。
 アマチュア無線関連の会議等で何度も来日されたジョンソン氏は大の日本好きで、日本で理事会を開いた時には、家族とともに日光観光をするなど、日本を満喫していました。
 写真は、2001年に開催されたハムフェア2001に来日された際の、フレッド・ジョンソン氏(写真の一番右)のテープカットのひとこまです。

 ジョンソン氏は1973〜1974年に、ニュージーランドの連盟(NZART)の会長を務め、1979年のWARCには、ニュージーランド代表団の一員として参加し、いわゆるWARCバンド(10/18/24MHz帯)の獲得に活躍しました。
 またWRC-03では、7MHzバンド拡張の案文作成委員長の重責を果たしました。

 晩年は、無線の働きが実感できる簡単な実験装置を考案し、青少年の教育に力を注ぎました。その働きに対し、2002年には、ニュージーランド・メリット勲章(アマチュア無線への功績)が授与されました。

 ジョンソン氏のご冥福を心よりお祈りします。

(7月28日)

「詳細」

第20回関西アマチュア無線フェスティバルKANHAM2015盛大に開催される(関西地方本部)


▲テープカットのひとこま

▲テープカット直後の入場口のようす

 今年も関西アマチュア無線フェスティバルKANHAM2015が、7月18日(土)・19 日(日)の2日間、大阪府池田市の池田市民文化会館で開催されました。
 関西アマチュア無線フェスティバルは、今回で記念すべき第20回目の開催となりました。

 前日の7月17日には大型の台風11号が四国地方を縦断、続けて中国地方を縦断するという悪天候で、国内の各地域で降雨・暴風雨による被害をもたらしました。
 台風11号の被害を受けた地域の皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

 さて台風11号が与えた影響は、KANHAM開催地の関西地方も例外ではなく、17日夕刻から夜半の台風縦断後も大雨に見舞われ、京阪神地域の多くの自治体から避難準備・避難勧告・避難指示や、土砂災害警戒情報等が発令され、また京阪神地域のJR在来線の各線で、運転見合わせや運休が相次ぎました。

 そして前日まで開催の可否が危惧されたKANHAMですが、初日の18日午前中もJR在来線こそ軒並み運休となったものの、私鉄各線はほぼ平常運行で、時折雨交じりの曇天の中、無事開催の運びとなり、多くの来場者の方々が楽しい催事や掘り出し物散策を大いに楽しまれたようです。

 しかし来場者数に関する台風の影響は、残念ですがさすがに回避できなかったようで、初日の来場者数はのべ4,500名、2日目がのべ3,500名、合計のべ8,000名(対前年1,000名減)というちょっと残念な結果となりましたが、実行委員会スタッフの多くの方が「特異な天候の影響の中でも例年どおり開催できて、多くの方々の来場をいただきました。非常にうれしいことです」と語っていました。

 以下にKANHAM2015当日の、にぎやかな会場のようすを写真でご紹介します。

●メーカー、販売店、クラブブース

 言わずもがな、フェスティバルの核になるメーカー、販売店、クラブブースですが、屋外(豊島野公園)のフリーマーケットは、前日の大雨によるぬかるみで、ちょっと寂しい結果になりましたが、総じて見れば今年も大いに賑わいを見せていました。
▲さまざまな展示を見学、掘り出し物を散策、アイボール、楽しみ方は人それぞれ

●こども向け科学啓発イベント

 毎年、KANHAMの賑やかさの一つを象徴しているのが、「こども向け科学啓発イベント」です。今年も「こども科学スタンプラリー」のほか、昨年に続き宇宙をもっと身近に体験できる「JAXA×JARLコズミックカレッジ」(協力:JAXA)を開催し、こどもたちの大人気を集めていました。
 そして松竹芸能の協力で新イベントとして、お笑いコンビ・ボルトボルズの「笑ってためになるサイエンスショー」を2日間開催しましたが、これがまさに大ヒット!連日開会前の小ホールには親子連れの大行列ができ、お笑いコンビ「ボルトボルズ」が演じる科学実験を見る、親子の大きな関心の声と大爆笑の渦が飛び交っていました。

★お笑いコンビ・ボルトボルズの「笑ってためになるサイエンスショー」ダイジェスト

●記念局運用、衛星通信実演(JAMSAT)、講座・申請受付・展示など


▲DXCC/IOTAフィールドチェック

▲自作名人激集合

 会場内でKANHAM記念局8J3AA(移動しない局)、8N3XX(移動する局)の運用がアクティブにおこなわれました。NPO法人日本アマチュア衛星通信協会によるアマチュア衛星通信の運用実演もおこなわれました。また、小ホール、会議室などでは役立つ各種の講座・講演、展示などがおこなわれ、ほかクラブによるミーティングなども開催されました。

▲各種講演や講座も開催

●落語やミニライブなどのライブイベント


▲桂 治門さん

▲林家染吉さん

▲笑福亭瓶太さん

 KANHAMの定番イベントの一つとなっているのが、笑福亭瓶太さん(JO3KHA)の落語です。アマチュア無線の世界を楽しく風刺する語り口は、アマチュア無線家の免許を持つ瓶太さんならではの語り口で、場内の大爆笑を集めていました。当日は瓶太さんのほか、2名の上方落語家(桂 治門さん、林家染吉さん)の落語も披露されました。

 また、落語に先だっておこなわれた「Masacoと瓶太のおしゃべりコーナー」(右の写真)では、アマチュア無線家のシンガーソングライター「Masaco」さん(JH1CBX)と瓶太さんのトークショーや、Masacoさんの新曲披露もおこなわれました。
 これは余談ですが、今年のKANHAMでMasacoさんは、初日の開会式やステージの司会、トークショー、ミニライブなど2日間にわたって大活躍でした。
 ここで紹介したライブイベントのほかにも、今回出展していた水戸のコミュニティーFM放送局「FMぱるるん」(水戸、76.2MHz)が会場屋外(豊島野公園)で、青木小夜子さん(JJ3WWS)、水田かおりさん(JI1BTL)、渡部まいこさん(JJ0SDQ)、Masacoさん(JH1CBX)のミニライブを開催しています。

●関西アマチュア無線フェスティバルの軌跡

 関西アマチュア無線フェスティバルは、阪神淡路大震災の翌年の平成8年7月21日に、大阪府大阪狭山市の大阪狭山市文化会館・SAYAKAホールで開催された「第1回関西ハムの祭典」がそのルーツです。当時のJARL関西地方本部長は、JA3AA島 伊三治さん(故人)でした。

 その後、関西地方本部長はJA3HXJ長谷川良彦さん(故人)に変わり、第2回〜第6回の5年間は、兵庫県尼崎市の尼崎リサーチインキュベーションセンター(ARIC)に会場を移し開催、平成14年の第7回からは、大阪府池田市の池田市民文化会館に会場を移して第19回まで開催されましたが、平成26年12月の長谷川前関西地方本部長の急逝により、今年第20回はJA3DBD宮本荘一関西地方本部長の下で、池田市民文化会館での開催となりました。

 なお、KANHAMが池田市民文化会館に移った後、尼崎市のARICは兵庫県支部・大阪府支部が毎年1月に合同で開催している、関西のアマチュア無線界の大型イベントの一つ「関西ハムシンポジウム」の会場となっています。

(7月21日)

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東海ハムの祭典2015盛大に開催される(東海地方本部)


▲フリーマーケットコーナーのひとこま

▲東海ハムの祭典式典のようす。この後、お楽しみ大抽選会も開催され最後まで大いに賑わった

 平成27年7月12日(日)、愛知県日進市の日進市民会館で、東海ハムの祭典2015が盛大に開催されました(右の写真はテープカットのようす)。

 昨年まで愛知県支部の催事の一つとして開催されてきた「ハムの祭典」ですが、既報のとおり、昭和43年10月に初の開催となった、「JARL東海支部」(現在のJARL東海地方本部)の「東海支部ハムの祭典」がそのルーツです。

 当時は、JARLに県支部制が導入されていなかったことから、「東海支部ハムの祭典」は東海地方4県のJARL東海支部メンバーをはじめとしたアマチュア無線家有志の協力で開催された「東海地方4県」の合同のお祭りでしたが、JARLに「各県支部制」が導入されたときに「ハムの祭典」は、愛知県支部が開催を引き継いで、支部の催事の一つとして開催してきた経緯があります。


▲熱心に掘り出し物を探す来場者のみなさん

▲メーカー、販売店ブースも大賑わい

 実は今年の「ハムの祭典」も3月上旬ごろまでは、愛知県支部の平成27年度の重要な行事計画の一つとして準備・運営が進められることになっていました。
 しかしその後、「ハムの祭典は愛知県支部の催事の一つに留めることなく、以前の東海4県合同の催事に戻し「東海ハムの祭典」として蘇らせよう」という動きが内定し、そのPRが開始されたのは3月下旬。そして、4月に開催された東海地方本部会議において正式決定の運びとなり実行委員会が組織されたのです。
 JARLの創立90周年に向かっての、東海地方本部の強い意気込みと、思い切った決断でした。

 ちなみに、昭和43年10月の初回「東海支部ハムの祭典」から数えると、今年の「東海ハムの祭典2015」は第47回となります。


▲DXCCフィールドチェック

▲講演会のようす

 しかし、直近では「愛知県支部の催事の一つ」に位置づけて開催を続けてきたイベントを、準備期間わずか3カ月間で「東海4県合同のイベント」の位置付けに切り替えるのは、なかなか容易なことではありません。
 JA2HDE木村時政東海地方本部長は「JARL創立90周年というエポックは、東海地方4県合同の「東海ハムの祭典」を蘇らせるための格好の機会です。約3カ月という準備期間が短かすぎることは、十分にわかっていましたがまず走り出そう。今年はどこまでできるか分からないけれど、走りながら新しいイベントを作って行こうという実行委員会の総意でスタートしました。今年の3カ月の経験が、来年の東海ハムの祭典につながるわけですしね」と語っています。

 クラブやハムショップ等の出展団体等の募集も、これまでより募集地域を大きく広げました。また、東海地方各県のより多くのアマチュア無線家の方を迎えるため、これまでにない新たな催事を盛り込むことが大きな課題となったそうです。


▲小型サッカーロボット実演

▲電子工作教室

 そして迎えた開催日当日は、梅雨まだ明けやらぬ時期の中の、まさに真夏の猛暑の下、東海地方4県をはじめ、他エリアからも約1,100名の来場者を迎え、各写真でご紹介のように盛大に開催され、無事大盛況のうちに幕を閉じました。

 次回の東海ハムの祭典(第48回)は、2016年7月10日(日)に本年同様、日進市民会館で開催が予定されています。来年も日進市民文化会館でお会いしましょう。


▲東海総合通信局のDEURUS-M展示。電子申請の解説ブースの出展もありました。

▲第32回全国都市緑化あいちフェア「花と緑の夢あいち」記念局8N2AIの公開運用

▲赤崎 勇先生、天野 浩先生ノーベル賞受賞記念行事「LED体験教室」(JE2ZBZ豊田合成アマチュア無線クラブ)

▲愛知県支部大会

●ミニコンサート
 「東海ハムの祭典」では、昨年までの「ハムの祭典」には試みのなかったイベントの一つとして、アマチュア無線家の女性シンガーソングライターのMasacoさん(写真左、JH1CBX)と、女性シャンソン歌手の青木小夜子さん(写真右、JJ3WWS))による「ミニコンサート」が開催され人気を集めていました。
 余談ですが、地方本部開催のアマチュア無線関連イベント会場での、アマチュア無線家の歌手によるミニコンサートに類するイベントは、これまで関西アマチュア無線フェスティバル、そして、今年3月に開催された第14回西日本ハムフェア等でも開催実績があります。


▲JH1CBX・Masacoさん

▲JJ3WWS・青木小夜子さん

(7月13日)

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JARDの情報通信月間参加行事「アマチュア無線の実践運用セミナー」開催される

 平成27年7月4日、東京都豊島区巣鴨のJARDハム教室で、『アマチュア無線の実践運用セミナー』を開催しました。

 JARDが情報通信月間においてこのセミナーを開催するのは、今回が初の試みとなります。

 当日は、事前申し込みをいただいた方々ほかが参加し、アマチュア無線関連機器メーカーの担当者による、アマチュア無線のデジタル通信システム(D-STAR、C4FM・WIRES-X)の概要や使い方に関する解説や、アンテナの設置等に関する詳細な解説の講演のほか、無線機器やアンテナの展示、簡易測定サービス、アマチュア局の申請相談などがおこなわれ、参加者一同たいへん有意義な時を過ごされたようです。

 なお、JARDでは第1部の講演会の終了に当たって、「今後もこのようなセミナーや講演会等のイベント等の機会を積極的に設けていく」としています。


▲講演(1)「D-STARの概要と使い方について」(アイコム(株))

▲講演(2)「アンテナの設置及び調整方法について」(コメット(株))

▲講演(3)「八重洲デジタル(C4FM)とWiRES-Xの概要と使い方について」(八重洲無線(株))

▲講演(4)「アンテナとケーブル、コネクタの接続方法について」(第一電波工業(株))

▲協賛メーカー各社の無線機・アンテナ等の展示

▲簡易測定サービス(FMトランシーバーのスプリアスの簡易測定)

(7月5日)


JARDの第二級アマチュア無線技士のeラーニング短縮コースが開講

 一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)は7月1日、東京・巣鴨のJARDハム教室で「2アマeラーニング開講式」をおこないました。

 JARDはかねてから総務省から認定を受け、初めての開講となる「第二級アマチュア無線技士のeラーニング短縮コース」の受講者の7月期の募集を、平成27年5月25日〜30日の間おこない、定員50名に対し300名を超える応募があったそうです。

 今回の開講式は、この募集で集まった受講希望者の中から抽選で受講者に決定した50名を対象とした、初めての第二級アマチュア無線技士のeラーニング短縮コースの開催に当たって実施されたもので、開講式には多くの関係者が出席し午前11時のeラーニングのスタートを上映されたカウントダウン画面で見守りました。

 なおJARDでは10月期の受講者募集を8月中旬からおこなうと発表しており、第二級アマチュア無線技士のeラーニング短縮コースの今後の動向が大いに注目されます。

(7月2日)

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