September 2012 NEWS TOPICS INFORMATION


平成24年度「受信環境クリーン月間」

 総務省、NHK、民放各社、JARLなど、関連団体で構成される、受信環境 クリーン中央協議会は、受信障害の防止を図ることを目的として、毎年 10月1日から 10月31日までの間を「受信環境クリーン月間」と定め、全国 各地で放送電波の受信障害の防止に向けた活動を展開しています。

 本月間中は、受信環境保護に関する幅広い周知・広報活動などが積極的 に実施されます。

 また、受信環境クリーン協議会(中央、地方)は平成24年度も全国の中学 生を対象に「受信環境クリーン図案コンクール」を実施しました。
 平成24年度の図案コンクールの結果は、各総合通信局等のWebサイト上で発表されています。

【総合通信局等による受信環境クリーン図案コンクールの結果発表】

中央協議会関東東海近畿中国四国九州沖縄東北北海道北陸信越

(9月28日)


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IARU第3地域理事会議長、オーストラリア無線連盟会長
 Michael J. Owen 氏 サイレントキー

 オーストラリア無線連盟(Wireless Institute of Australia)は、同連盟の会長でありIARU(国際アマチュア無線連合)第3地域理事会の議長でもあるVK3KI マイケル・オゥエン氏は、9月22日に体内出血のため病院に搬送されましたが、その後逝去されたと報じています。

 オゥエン氏は、2006年9月からIARU第3地域の議長を務めており、過去第3地域総会や、ハムフェアなどにも積極的に参加されていた親日家の一人でもありました。

 オゥエン氏のご冥福を心よりお祈りします。

(9月24日)


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星出彰彦宇宙飛行士の小型衛星放出ミッション
 4機の小型アマチュア衛星を放出へ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、7月中旬から約4カ月間の長期滞在中の星出彰彦宇宙飛行士による、小型衛星放出ミッション が2012年9月28日午前0時ごろから作業を開始される予定であると発表しています(9月20日現在の発表。JAXAではISSの運用状況によって日時が変更となる可能性があるとしています)。

 小型衛星放出技術実証ミッションは、当初、2012年9月10日午後10時ごろから開始される予定でしたが、ISS運用における船外活動が追加(星出宇宙飛行士は、NASAのサニータ・ウイリアムス宇宙飛行士と2回(8月30日、9月5日、ともにUTC)の船外活動を実施)されたため、計画が延期になっていたものです。


※その後のJAXAの発表によれば小型衛星の放出は、欧州補給機(ATV)3号機 の分離延期の影響で、延期されることになりましたが、その後のスケジュール調整により、 2012年10月4日から5日にかけて、小型衛星を放出する予定としています。


 今回の小型衛星放出ミッションにおいて、ロボットアームと小型衛星放出機構を使って、日本実験棟から放出される、JAXAの公募小型衛星は3機。RAIKO(和歌山大学/東北大学)、FITSAT-1(福岡工業大学)、WE WISH(明星電気)です。3機のうち、FITSAT-1とWE WISHの2機はアマチュア衛星です。

 また今回の小型衛星放出ミッションでは、JAXAの公募衛星以外の2衛星も放出が予定されていますが、この2衛星もアマチュアバンドの送信機を搭載したアマチュア衛星です。

 これまで、有人宇宙飛行のミッションの一つとして、国際宇宙ステーションやスペースシャトルからアマチュア衛星が放出されたケースとしては、2006年2月にロシアの船外活動で国際宇宙ステーションから放出がおこなわれた宇宙服衛星SuitSat-1(ロシア名はRadioSkaf)や、STS-116ミッションで2006年12月にスペースシャトル・ディスカバリー号から放出がおこなわれた、アメリカ海軍兵学校のRAFT(NO-60)、ANDE(NO-61)、アメリカ海軍研究所のFCAL(NO-62)、そして直近では2011年8月にロシアの船外活動で国際宇宙ステーションから放出がおこなわれた、ARISSat-1(ロシア名はKEDR)などがありますが、日本の有人宇宙飛行ミッションとして、小型衛星が放出されるのは今回が初めてです。

 JAXAの発表によれば、今回の小型衛星放出ミッションは2回に分けて実施され、1回目は星出宇宙飛行士による操作により「RAIKO」と「WE WISH」の2機を放出し、2回目はJAXAの「きぼう」運用管制室(地上)からの操作によって「FITSAT-1」、「F-1」、「TechEdSat」の3機を放出する予定とされています。

 今回放出が予定されている、各衛星は高度350〜400km(放出時の国際宇宙ステーションの高度による)に放出され、無事運用が開始された場合100日程度運用をおこない大気圏再突入となる模様です。

 4機の小型アマチュア衛星のダウンリンク周波数などは次のとおりです。みなさんも、チャンスがあればぜひ受信に挑戦してみてください。

 なお、各小型アマチュア衛星の詳細は、開発団体のWebサイトを確認してください。

▽「きぼう」日本実験棟からの小型衛星放出ミッション(JAXAのWebサイト)
http://iss.jaxa.jp/kibo/about/jssod/

(9月19日掲載)
(9月20日、実施予定日の変更にともなう更新)
(9月28日、実施予定日の延期にともなう更新)
(10月3日、実施予定日の決定にともなう更新)


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入間ジュニアハムクラブ(埼玉県入間市)のメンバーが
 星出宇宙飛行士と交信に成功

 9月2日、埼玉県入間市の入間市児童センターを交信会場として、入間ジュニアハムクラブのARISSスクールコンタクトがおこなわれ、メンバー13名が国際宇宙ステーションに長期滞在中の星出宇宙飛行士との交信に成功しました。
 ARISSスクールコンタクトでは「同一の実施団体等による複数回の申込」は原則としてできないルールがありますが、今回は実施主体となった団体が異なるため、ARISSの承認を受けてスケジュールが組まれました。

 入間市児童センターを会場としたスクールコンタクトの実施は、「同センター無線クラブ」(2001年11月23日、国内初、写真下左)「ニューカマークラブ in 埼玉」(2008年11月15日、写真下右)に続く3回目で、3回すべてが全員アマチュア無線の有資格の子供たちによる交信です。

 当日、交信予定時刻は17:28ごろから。当日の会場設営は16:30ごろから開始されました。手際よいJK1ZAMのスタッフの準備作業は、これまでのスクールコンタクト実施経験の産物と言えるのかも知れません。
 交信に参加する小・中学生たちも、自ら観客席の準備をおこなうなど会場の設営に協力。

 一部、音響設備の設営に手間取った部分が見られたものの、ほどなく解決し、準備が完了したのが交信開始の約15分前でしょうか。

 このころ、JK1ZAMのスタッフの1人は「入間市児童センター以外にも、これまで、何回かスクールコンタクトの現場に立ち会っていますが、このぐらいの時間から交信開始までの緊張は、どこでもいつでも同じですね」と語っていました。

 さて今回のスクールコンタクトで、JK1ZAMのマイクコントローラーをつとめるのは高校生の千葉真人さん。実は千葉さんは、前回、入間市児童センターを会場に実施された「ニューカマークラブ in 埼玉」で、国際宇宙ステーションとの交信に成功した経験を持っています。
 2008年の「ニューカマークラブ in 埼玉」での交信時は中学1年生だった千葉さんが、高校生のマイクコントローラーとして今度は後輩たちの交信のサポートに回ったのです。

 定刻の17:28ごろから、千葉さんはNA1SSのコールを開始しました。
 ところが、何度コールしても星出宇宙飛行士からの応答が聞こえて来ないのです。会場内には不安の暗雲が立ちこめましたが、約5分後、ようやく星出宇宙飛行士からの強力なシグナルによる応答が入感してきました。

 スタッフの1人であるARISS運用委員の安田 聖さん(7M3TJZ)によれば、実はこの空白の5分間の間に、プリアンプの調整をしなおしたそうで、「館外に出て聞いてみるとハンディーでも星出宇宙飛行士の応答が聞こえていた。結局、受信系統の問題でプリアンプの接続・調整が不完全だったことが確認できた」とのことです。

 空白の5分間の後、交信がスタートしました。残り時間は約6分。空白の5分間を気づかって、メンバーの質問に星出宇宙飛行士は、わかりやすく手短に答えてくれたようです。

 こうして、入間市児童センターを会場に実施された、過去2回のコンタクトとは少し異なるスリリングな体験となった入間ジュニアハムクラブのスクールコンタクトですが、交信予定のメンバー13名全員への質問に無事回答をもらうことができました。

(9月3日)



   
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