April 2011 NEWS TOPICS INFORMATION


非常時における、アマチュア局の運用規制が緩和

 総務省は、非常時における社団であるアマチュア局のより円滑な運用が可能となるように、関係告示の一部を改正する告示案について、平成22年11月10日から平成22年12月10日までの間意見を募集し、この意見募集の結果を踏まえて、平成23年4月15日付けの官報で改正が告示されました。

 これまでは「非常時において、アマチュア局の無線設備を操作することができる資格を有する者が、他の免許人のアマチュア局を運用する場合は、当該免許人の立ち会いが必要」でしたが、

改正により、「運用しようとする社団であるアマチュア局の免許人の承諾を得て、地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、または発生するおそれがある場合において、人命の救助、災害の救援、交通通信の確保または秩序の維持のために必要な通信をおこなうときは、社団局の免許人の立ち会いが不要」となります。

(4月15日)



イギリスのアマチュア局が「ロイヤルウエディング」記念 特別プリフィックスのコールサインで運用!

  RSGB(イギリスの連盟)は、「イギリスのウイリアム王子とキャサリン・ミドルトン嬢の結婚式が4月29日に挙行されることを記念して、4月29日から5月9日の11日間、イギリスのアマチュア局に特別プリフィックスの使用が認められた」と報じています。

 現在イギリスのアマチュア局には、プリフィックスのトップレターが「G」「2」「M」のコールサインが付与されていますが、今回の特別プリフィックスでは、トップレターが「G」の局は「GR」、「2」の局は「2R」、「M」の局は「MR」としたプリフィックスでの運用が認められ、同国の記念すべき「ロイヤルウエディング」の喜びを世界に広く伝えるというものです。

 なお、今回の「特別プリフィックスのコールサイン」の運用では、イギリスの異なるアマチュア局が、同一のコールサインを使用するケースもあります。

【例】
通常特別コールサイン
G0ABCGR0ABC
GM0ABCGR0ABC
2E0ABC2R0ABC
2W0ABC2R0ABC
2J0ABC2R0ABC
M1ABCMR1ABC
MI0ABCMR0ABC
MD6ABCMR6ABC
MU3ABCMR3ABC

(4月15日)


「詳細」


第一級・第二級アマチュア無線技士の国家試験から電気通信術の実技試験(音響受信)が廃止【平成23年10月1日施行予定】

 総務省は、4月13日付けで、「アマチュア無線技士の国家試験に係る試験科目(電気通信術(モールス電信))の見直しに係る無線従事者規則の一部を改正する省令案を電波監理審議会に諮問し、原案を適当とする旨の答申を受けた」と発表しました。

 この省令案は、「第一級及び第二級アマチュア無線技士の国家試験の試験科目から、モールス電信の試験を廃止し、試験科目の「法規」においてモールス符号の理解度を確認する」というものです。総務省は、改正案等について、平成23年2月17日〜3月18日の間、意見募集をおこなっていましたが、39件の意見の提出があり、提出された意見及びそれらに対する総務省の考え方と併せて公表しています。

 総務省では、「電波監理審議会の答申及び意見募集の結果を踏まえ、速やかに関係省令等の改正をおこなう予定(施行日は平成23年10月1日を予定)」と発表しています。

 なお省令案の改正が予定どおりおこなわれますと、日本無線協会が実施する、平成23年12月期の第一級・第二級アマチュア無線技士国家試験から、電気通信術の実技試験(音響受信)は廃止となります。

(4月14日)


「詳細」


アマチュア衛星ARISSat-1が国際宇宙ステーション船上から「ユーリー・ガガーリンの有人宇宙飛行50周年記念祭」記念運用(4月12日)

 2月のロシアの船外活動(EVA)での、国際宇宙ステーションからの放出が延期されたARISSat-1(写真:AMSAT、ロシア名КЕДР(KEDR))の、国際宇宙ステーション船上での「ユーリー・ガガーリン有人宇宙飛行50周年記念祭」記念運用が4月12日に実施される予定です。

 AMSAT(アマチュア衛星通信協会)のニュースでは、国際宇宙ステーション船上のARISSat-1がONになる詳細な時刻は発表されていませんが「4月11日の午後から13日の朝まで」(UTC)と記されており、ARISSat-1に国際宇宙ステーションに設置された外部アンテナを接続して運用がおこなわれる模様です。

 UTCの4月11日正午12:00から13日朝08:00の、日本上空の国際宇宙ステーションのパスを計算してみると、多くのパスが算出されますが、最大仰角が10度未満のパスが約半数で、日本時間ではすべて夜半から早朝の時間帯となります。

 ARISSat-1の送信周波数は145.95MHz FMで、コールサインはRS01S。チャンスがあれば、ARISSat-1が宇宙から送ってくるメッセージの受信に挑戦されてください。

 なおARISSat-1は世界の15の言語による24のメッセージや、さまざまなSSTV画像(Robot 36形式)などを送信してきます。国際宇宙ステーションの1回のパスは最大でも10分間程度ですので、24種類のメッセージのうちいったいどのメッセージや画像が日本で受信できるのか大変興味深いところです。受信に挑戦される方は、ボイスレコーダーなどの録音機材を準備して受信するとよいでしょう。

[更新情報]ARISS-1の詳細な運用スケジュールが、4月8日にAMSATのWebサイトに掲載されました。
 ARISSat-1の運用は、2011年4月11日14:30〜13日10:30の間おこなわれます。予定どおりに運用がおこなわれますと日本上空のパスは12回となります。

【ARISSat-1 Web】
http://www.arissat1.org/v3/

【ARISSAT-1 tracking system】
http://www.arissat1.com/

【AMSATのWebサイト】
http://www.amsat.org/

【ARISSat-1 Frequency Guide】(AMSATのWebサイト、jpg形式)
http://www.amsat.org/amsat-new/images/fck_images/2011_ARISSat-1_Frequency_Chart(1).jpg

【ARISSat-1 Presentation Slides】(AMSATのWebサイト、PDF形式)
http://www.amsat.org/amsat-new/images/fck_images/ARISSat-1%20Overview%20Color.pdf

【有人宇宙飛行50周年記念祭】(ROSCOSMOS)
http://www.federalspace.ru/main.php?id=86

【JARL Webの関連記事】
http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/News2011/2011_news-3.htm#0303

【SatTrack V3.1 (Orbit Prediction)】
 ISSの軌道計算は、ARISS運用委員の安田 聖さん(7M3TJZ)が製作した、 「SatTrack V3.1 (Orbit Prediction)」のページを利用すると簡単です。
http://predict.ariss.jp/

(4月7日掲載)
(4月8日更新)


「詳細」

   
| 2010年のNEWS |