2004年6月17日掲載

WRC-03後の各国モールス試験の動向について

 第46回通常総会においてご質問がありました、CW試験の廃止を考えている国のリストを明示していただきたいとのご質問にお答えいたします。


 
(五十音順)
 
□アイスランド
改訂T/R 61-01(注:以下同)を批准しました。

□アイルランド
2003年9月15日より、モールス字号の送受信要件を削除しました。
改訂T/R 61-01を批准しました。

□アメリカ
ARRLは現在の資格制度の見直しをFCCに要望しています。
これは入門者用の資格を含めた3種類の資格制度で、最上級のエキストラ級にはモールス試験(5wpm)を残したいとしています。

□イギリス
2003年7月26日、 B 級ライセンス保持者はA 級ライセンス保持者と同等の運用が許可されました。
改訂T/R 61-01 および改訂T/R 61-02を批准しました。

□エストニア
改訂T/R 61-01 を批准しました。

□オーストラリア
主管庁ACAは2004年1月1日付けでモールス字号の送受信要件を削除しました。Intermediate級とLimited級は最上級のUnrestricted級と同じ操作範囲となり、Novice Limited級はNovice級と同じ操作範囲になりました。この措置によって5種類もの資格は必要なくなったため、2005年はじめに、これらを2種類に減らすらとともに、新たに入門者用資格を設けて、全3種類(すべてモールス試験なし)になる見込みです。

□オーストリア
2003年11月26日付けでモールス字号の送受信要件を削除しました。
2004年2月25日付けで改訂T/R 61-01を批准しました。

□オランダ
2003年9月1日よりHF帯運用のためのモールス字号の送受信要件を削除しました。
C級保持者はA級保持者と同等となりました。
改訂T/R 61-01を批准していません。(2003年12月27日現在)

□クロアチア
改訂T/R 61-01 を批准しました。

□シンガポール
2003年9月15日、モールス字号の送受信要件を削除しました。

□スイス
モールス字号の送受信要件を削除した最初の国です。
改訂T/R 61-01 および改訂T/R 61-02を批准しました。

□スゥェーデン
2004年4月20日付けでモールス字号の送受信要件を削除しました。

□スロバキア
改訂T/R 61-01を批准しましたが、HF帯を運用するためのモールス試験は存続しています。

□デンマーク
2004年2月1日付けでモールス字号の送受信要件を削除しました。
改訂T/R 61-01 および改訂T/R 61-02を批准しました。

□ドイツ
ドイツ連邦経済労働省(BMWA)が「HF帯で運用するためのモールス電信の知識はもう要求しない」と発表しました。
2003年8月15日より約33,000人の第2級ライセンス保持者 (VHF/UHFのみ運用可)が第1級ライセンス(HF運用可)と同等の運用を許可されました。
改訂T/R 61-01 および改訂T/R 61-02を批准しました。

□トルコ
モールス字号の送受信要件は維持されています。
改訂T/R 61-01 および改訂T/R 61-02を批准しました。

□ニュージーランド
ニュージーランド主管庁は2004年6月17日付けでモールス字号の送受信要件を削除。それまでのLimited級はGeneral級とみなされます。コールサインの変更はありません。

□ノルウェー
2003年8月16日に開催されたノルウェーの連盟NRRLの総会で、主管庁がモールス字号の送受信要件の削除を発表し、即日施行されました。
2003年8月18日で、すべての同国のB級免許保持者が次の内容の手紙を受け取りました。
「すべてのLCライセンス保持者(CEPT2級、30 MHz以上のみ運用可。CW不可)は最上級のLAライセンスに昇格します。新しいコールサインを付与します。LAライセンスの出力はHFで1キロワットです。LBライセンスはLAライセンスへの変更をお勧めしますが、LBは変更しなくても、LAと同等の運用を許可します。LAとLBはCEPT 1級扱いとなります」
改訂T/R 61-01 を批准しました。

□パプアニューギニア
主管庁PANGTELはHF帯にアクセスするためのモールス字号の送受信要件を削除することを2003年10月6日に決定しています。

□フィンランド
2003年11月1日よりモールス字号の送受信要件を削除しました。ノビス級(初心者級)もHFを運用することができるようになりました。
改訂T/R 61-01 および改訂T/R 61-02を批准しました。

□フランス
2004年5月4日よりモールス字号の送受信要件を削除しました。

□ブルガリア
改訂T/R 61-01 を批准しました。

□ベルギー
2003年7月31日、ベルギーの主管庁BIPTのウェッブサイトは、B級ライセンス保持者が、2003年8月4日より上級のA級ライセンスを申請できることになった旨を発表しました。
改訂T/R 61-01を批准しました。

□ポルトガル
改訂T/R 61-01を批准しました。

□香港
2004年2月11日付けでモールス字号の送受信要件は削除されました。

□南アフリカ
南アフリカの連盟SARLが主管庁にモールス字号の送受信要件の削除を要求しています。

□リトアニア
改訂T/R 61-01 を批准しました。

□リヒテンシュタイン
改訂T/R 61-01 を批准しました。

□ルクセンブルグ
2003年9月18日、ルクセンブルグの主管庁は暫定的に2級のHF帯運用を許可しました。  

 
(注)T/R 61-01 および T/R 61-02について
ヨーロッパではCEPTのアマチュア無線に関する2つの勧告(T/R 61-01 および T/R 61-02)が2003年10月と2004年2月に改訂され、モールス字号の送受信要件を削除し、今までの2資格が一本化されました。

IARUの考え方
IARUも2003年9月にオランダ・アムステルダムで開催された管理理事会でモールス試験の要求は廃止すべきという基本姿勢をあらためて示しています。  

参考ウェブサイト  IARU  ARRL


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