「電力線搬送通信設備に関する研究会」が終了


 「電力線搬送通信設備に関する研究会」(第5回)(最終回)が7月31日に総務省において開催されました。
 この研究会の実環境実験ワーキンググループには、NHK、電波天文周波数小委員会、ARIB、JARLなど関係機関も参加してまいりました。
 JARLは、当初より電力線搬送通信(PLC)による漏洩電界のアマチュア無線への影響を強く懸念してまいりましたが、この研究会における実環境実験によってそれが明らかになりました。
 研究会がまとめた結論の骨子は、次のとおりです。


「現在開発されているモデム及び現在の電力線の状況では、電力線搬送通信設備が航空管制や短波放送等の無線通信に対する有害な混信源となり得ることから、使用周波数帯を拡大することは困難である。
 なお、今後モデムや電力線等において漏洩電界強度を大幅に低減する技術の開発が考えられることから、研究開発等を継続することが必要である。そのため、実証実験を行えるよう制度整備(研究開発目的の設備の許可制度)を必要とする。」

 JARLとしては、「2MHzから30MHzの短波帯まで周波数を拡大することは困難」という結論は、喜ばしいことであると考えます。
 今後は、実証実験の環境整備の方向、その実験の方向性、国際的な基準策定等の動向を十分注意して見守っていく必要があります。
 終わりに本研究会に携わられた多くの関係各位の献身的なご努力に深く敬意を表し、厚くお礼を申し上げます。

平成14年7月31日
(社)日本アマチュア無線連盟
会長  原  昌 三

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