■南極リポート(第4回) 『こどもの日特別運用』

子供の日特別運用のパネル  日本のみなさん、こんにちは。
 5月5日に行われました「こどもの日特別運用」へのご理解とご協力ありがとうございました。お蔭様で予定通り巣鴨のJARL事務局(JA1RL)と愛・地球博会場(8J2AI)に集まっていただいた小、中高校生の方々と交信できました。
 5月2日に両局との試験交信が行われ、数日前から伝搬状況をチェックするなど準備を進めてきましたが、昭和基地では5月3日から4日にかけて42.7m/sの最大瞬間風速を伴う強いブリザードが吹き荒れ、アンテナの一部が壊れてしまい復旧もできないまま当日を迎えることになりました。

ブリザードで反射器が飛ばされる 昭和基地では07:00(日本時間の13:00)から、IBP(International Beacon Program)のビーコン信号やラジオジャパンの入感状況をチェックしながら、コンディションの良くなるのを待っていました。08:30頃にはラジオジャパンが強くなり、ビーコン(JA2IGY)も聞こえ始めました。しかし、風はまだ強く、アンテナの様子を心配しながらのワッチが続きました。幸いにも09:30頃には日本からの信号も強くなり、VVV DE 8J1RL とアンテナの状態を確認しながらテスト電波を出していたところ、JA1RLからの呼び出しがあり、交信が始まりました。昭和基地側では、今回初めて電波を出した隊員が3名いました。可愛らしい声ではきはきとオペレートする子供達を相手に、緊張しながらマイクを握っていました。
特別運用でオペレートする隊員 JA1RL、8J2AIに集まり昭和基地と交信してくれた皆さん、このイベントを企画し準備にご尽力いただいたスタッフの皆様、そして、小・中高生向けのCQに応答してくれた全国の多くの皆さん、ほんとうにありがとうございました。今回、交信できなかった方もいらっしゃることと思いますが、今後も機会を作っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。




写真上:こどもの日特別運用のパネル 写真中:ブリザードで反射器が曲がっています。その後、ついに吹き飛ばされました!(この状態での交信でした) 写真下:特別運用でオペレートする隊員。ベテランのちびっ子を相手に、緊張しています。】


(第46次日本南極地域観測隊 小林正幸 JR1FVH 2005/5/8)



協力:国立極地研究所