■南極リポート(第3回) 『運用真っ盛り』

14-28MHz用のアンテナで日本向けに固定  日本のみなさん、こんにちは。
 桜前線も北上を続け、今頃は東北地方で桜が見ごろでしょうか。昭和基地は、極夜(太陽が全く昇らない期間)に向けて、どんどんと昼間の時間が短くなり、最低気温もマイナス20度を下回る日もでてきました。不安定ながらも春のDXシーズンで、4月に入り多くのみなさんとQSOできております。10日には、濱本隊員によるオペレートがありました。彼女はプロの通信士ですが、アマチュア無線の電波を出すのは初めてでした。8J1RLではYLオペレーターによる本格的なQRVは初めてのことだと思います。緊張しながらも約1時間の運用で42局とQSOすることができました。

運用する濱本隊員とサポートする原田隊員(7N3CKZ) 【濱本隊員の感想】普段の業務で行う通信は、あらかじめ相手が分かっていて行います。誰が出るか分からないアマチュア無線というのは、なんとなく不思議な気がしていました。そこで、初めての交信は、北海道の知り合いと時間等を設定して始めることにし、時間通りに、指定された周波数でこちらから呼び出すと、懐かしい声で応答がありました。遠い日本との交信、一発でうまくつながるだろうかと不安でしたが、ほっと一安心です。衛星回線を使っての電話通話とは違い、無線での交信は「日本と直接つながった」という感じがしました。そして、交信の最後にマイクの後ろから「がんばってね〜」というかわいい子供さんの声まで聞こえてきました。ほのぼのとした気持ちになり、とても嬉しかったです。その日は、引き続いて他の局とも交信させていただきました。多くの局から呼んでいただき、ありがとうございます。今回交信できなかった局とも、今後交信できればと思います。よろしくお願いします。

 また、翌11日には28MHzでも日本とQSOすることができました。太陽活動の低迷期ではありますが、まだまだいろんな周波数で楽しめそうです。今後はRTTY等、SSBやCW以外のモードでの運用も計画していますので、よろしくお願い致します。
写真上:運用する濱本隊員とサポートする原田隊員(7N3CKZ)。初めてのQRVに緊張しています。写真下:14.21.28MHz用のアンテナで日本向けに固定されています。午後3時半くらいの撮影です】


(第46次日本南極地域観測隊 小林正幸 JR1FVH 2005/4/25)



協力:国立極地研究所