■南極リポート(第9回) 『越冬も残り4ヶ月。TシャツでもOK!』

 やっと暖かくなり、羽毛服を着ていると汗ばむぐらいになりました。管理棟1階のシャックもTシャツ1枚で大丈夫です。  ところでこの1階の倉庫は航空及び調理の各部門が使用しています。月日がたつにつれ調理部門が使用していたスペースにずいぶんと空きが出来ました。越冬も残り4ヶ月です。

 コンディションはまずまずでしたが、SSBで日本と交信できるほどではなく、10月はすべてCWになってしまいました。5月頃は21MHz帯などバンドが日本語で埋まっていたのが嘘のようです。もう少しコンディションが良くなってくれれば、と思うのですが。空いた時間はなるべく運用するようにしていますので聞こえていましたらよろしくお願いします。

 10月18日から観測のサポートでちょっとだけ内陸に入りました。が、その帰りに運悪くブリザードが来てしまい、昭和基地から直線で20km程度の地点で動けなくなってしまいました。最短で4泊の予定が結局9泊になりまして、その間雪上車からほとんど外に出られずまさにやること無し、です。ただ幸いなことに観測はすべて終了したあとのことでしたので、ひたすら天候の回復を待ちました。

 何もしないのもなんなので持って行ったポータブルラジオで「ラジオジャパン」を聞きましたが、飛び込んできたのが新潟の地震のニュースです。各市町村の被害状況を注意して聞きました。1日も早い復興をお祈りします。

 また、ラングホブデという大陸の露岩地帯で湖沼観測のサポートにも行ったのですが、ここで腰を痛めてしまいほとんどサポートできず、何をしに行ったのかわからなくなってしまいました。今は良くなりましたが体力のなさを痛感しました。1日中通信室にいるとほとんど体を動かさないので体はなまっていくばかりです。もっと鍛えないと。
(第45次日本南極地域観測隊通信担当 藤本 2004/11/12)
 

▲ラングホブデの帰りにいたアザラシの親子。子供は生まれてまだ数日、へその緒が付いてました

協力:国立極地研究所