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 南極の夏
 日本のアマチュア局の皆さんこんにちは。南極昭和基地の8J1RLです。
 砕氷艦「しらせ」は12月3日にオーストラリアのフリーマントルを出港した後、南氷洋を越えて17日には昭和基地のある東オングル島から約20kmの距離まで近づき、その日のうちに第一便のヘリコプターが基地に到着しました。この一便ヘリで45次隊長、しらせ艦長らが来島し再会を祝すと共に、生鮮食料品や家族からの手紙・写真なども届けられ、基地内は活気と笑顔に満ち溢れました。
 その後、21日には昭和基地の沖合に「しらせ」は接岸し、燃料・食料・建設資材・車両などの輸送も始まり、いよいよ昭和基地では本格的な夏が始まりました。
写真(下):WARCバンド用アンテナと昭和基地前に接岸した砕氷艦「しらせ」

 さて、忙しい夏作業の続く昭和基地ですが、8J1RLは隊員が仕事の合間を縫って12月もアクティブに運用いたしました。日本は冬なので21/24MHzはほんの少ししかオープンしませんでしたが、10〜18MHzでは毎日のように電波を発射し多くのJA・DX局とコンタクトいたしました。
 トピックとしては、ようやく7MHzにおいてJAと交信ができましたが、残念ながらJAと南極との間の伝搬ルートは毎日安定して出現するということでは無さそうです。また、昭和基地側では相変わらずローバンドのノイズが凄まじく、7MHzではベアフット程度で呼ばれても非常に苦しい交信になると感じました。

 年末年始の8J1RLの運用予定ですが、昭和基地では元旦が休日となるだけで、その他は全て通常業務・作業の予定です。従って、いつもどおり日本時間の18〜24時に10/14/18MHzのCW/SSB/RTTY/PSK31で運用していることが多いと思います。

 ここで三つのバンドでの昭和基地側での状況ですが、18MHzは非常にノイズそれもバンド中をウロウロするような変なノイズが多く閉口しております。CWは18.085周辺が比較的ノイズの影響が少なくよくCQを出していますが、バンドエッジ(18.069〜18.072)に出ていることもあります。また、RTTYは18.103(LSB表示)でCQを出すようにしていますが、あまりJAからの応答はありません。SSBについては、18.120〜18.140が多いと思います。
 14MHzはノイズも少なく快適に運用できています。CWは主に14.005〜14.020、RTTYは14.080〜14.093(LSB表示)周辺、SSBはあまり交信局数が多くないのですが、14.120〜14.150に出るようにしています。PSK31は14.073(LSB表示)付近です。
 10MHzですが、ここもノイズが多く10.100〜10.110は業務局とアマチュア局との混信もあり非常に狭いので、なるべく10.115〜10.120付近でCQを出すようにしています。
 それでは皆さん良いお年をお迎えください。Good DX & 73

 【12月25日昭和基地発】

(第44次南極地域観測隊 芝崎)

Tnx 国立極地研究所